2025.03.09
昨晩から降り続いていた雪が、今朝はうって変わって晴天となり、すっかり雪はなくなっていました。今日は相原工房に出入りしている若いスタッフを連れて女子美術大学の卒業制作展に行ってきました。そのスタッフは同大学で染織を学んでいて、現在は3年生です。来年度に向けて卒業制作の構想を練らなければならないと彼女は言っていました。そうした教え子がいるために、私は学園祭(芸祭)や卒業制作展に行く機会が結構あります。若い世代の一所懸命取り組んだ作品には、考えさせられることが多く、また元気ももらえます。毎年卒業制作展に来て思うことは、この制作を継続できる子が卒業生の中でどのくらいいるのか、ここで制作を止めてしまうにはあまりにももったいないなぁと感じることです。デザイン業界で働こうとしている卒業生なら、その力量が試せることもあるだろうし、今まで培った学習が生かせる場面もあるでしょう。ファインアート系はそういうわけにはいかず、別の職業を持って、創作活動を続けていく人がほとんどではないかと察しています。実際私も二束の草鞋生活を送りながら彫刻を続けてきました。諦めの悪い自分は、一度染まった彫刻の魅力を捨てられず、それなりに苦労してきました。初志貫徹はなかなか困難な道です。ただ、最終学歴の4年間だけは好きなことを思い切りやった満足があれば、今後他の職業に就いても、精一杯努力する姿勢は身についているだろうし、将来の希望をたとえすり替えたとしても、そこでの頑張りで効力を発揮するのではないかと思っています。人生に一度は好きなことを好きなだけやった経験があるというのは、自分にとって最良な財産となるはずです。そんなことを考えながら、絵画や立体作品を見て回りました。特に私は彫刻をやってきているだけに、素材に面と向かって造形しようとする学生の姿に好感を持ちます。今年はインスタレーションが少ないようにも感じました。私は古い考え方を持っていることを認めますが、思想よりまず体験が先と思っている節があります。造形思想は大切ですが、まず身体ごとぶつかる姿勢を貫いてみろ、その上で思索していけと、つい前時代的な考え方をしてしまいます。今年の卒業制作展はそんな前時代的な作品が多くあったと感じました。