Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

週末 内なる空間に向かって
今日も工房で新作屏風の制作です。屏風は直方体6個を三双として構成するものです。今日はまず1つ目の直方体に取り掛かりました。直方体の内部構造をイメージしながら木材で作り始めました。いわゆるボックスアートです。直方体の内なる空間に配置する彫刻で、閉塞感のある造形です。今年の7月に個展で発表する作品は「構築~解放~」と名付けていて、文字通り開放(解放)的な空間を演出します。今作ろうとしている来年の作品は、正反対の空間を有する内向きな作品です。三双を閉じてしまえば単なる直方体にしか見えない作品です。制作という労働の蓄積を隠す行為は、逆説的にイメージを掻きたてると考えます。想像で空間を補う彫刻。その一部が見えている造形の破片。ですが、決して表層だけを作っているわけでなく、全体を作って覆い隠す行為は、鑑賞者にその意図を委ねることになります。そんなことに思いをめぐらせながら制作に励んだ一日でした。