Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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23’図録を携えてギャラリー打ち合わせ
昨晩、今年の個展用図録が1000部届きました。私の作品が集合彫刻で、さまざまな場を設定して配置するため、図録として画像化することは大変重要なのです。個展会場なら実物の作品を見せることが出来ますが、そうでない時は作品の紹介には図録が必要です。私の作品は環境によって表情を変えます。図録にも野外工房での写真と室内工房での写真を両方掲載してあって、その空気感の違いは同じ作品とは思えないほどです。本来、古代から彫刻は建築とともに野外で見るべきものでした。美術という概念が出来てから、彫刻は絵画と同じ室内空間に移されてきました。近代まで彫刻には台座があり、それは芸術作品としての鑑賞を目的とされてきました。現代は彫刻そのものの概念も変わってきていて、彫刻によっては台座がない作品も登場してきました。美術史から見れば、彫刻は先祖返りのような表現形態になったわけです。私の作品にも台座はありません。ホームページのLANDSCAPEを見ていただくと、作品を森林の中に置いたり、砂丘に埋めたり、水に沈めたりして、周囲の環境との関わりを考えていく企画もやりました。今回の図録での作品のあり方は、小さな立方体を複数集合、拡散させる画像を載せています。当然、ギャラリーせいほうでの展示方法も考えていかねばならず、そのために今日は東京銀座まで図録を持参してギャラリーと打ち合わせを持ちました。この白い空間にどのように立方体を複数配置していくのか、搬入をしてみなければ分からないのです。加えて今回は平面RECORDの額装された作品を壁に展示するという、私にとっては新しい試みもあります。18回目の個展に立体と平面を同時に展示するのは、私としては初めてです。ギャラリーとの打ち合わせが終わって帰途に就く途中で、私は明後日の搬入が楽しみになりました。毎年小さな一歩があって、私の作品は展開していきます。その蓄積が私らしい歩みだなぁと思っています。