Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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不条理な映画&癒される民藝
昨日、窯入れをしたために今日は工房での作業を休みました。このところ連日やっていた陶彫制作を一日休むことは気分転換にもなって、良い効果を生むのではないかと思っています。今日は朝から東京に出かけました。渋谷にあるミニシアターで映画を観て、その後、駒場に移動して日本民藝館で庶民信仰を対象にした仏像を見てこようと思ったのでした。映画「オオカミの家」は、俳優で映画監督の竹中直人さんに紹介してもらったものです。彼は高校の同級生で、私の個展に来てくれているのです。彼は暗い世界を好むので、薦められた映画も癖がありそうだなぁと思っていましたが、まさに不安定な心理をそのまま描いたストップモーションアニメでした。私も彼の好むものが嫌いではありません。渋谷の中心にある小さな映画館はほぼ満席で、観客は全体的に若い世代が多いかなぁと思いました。内容は崩壊と再構築が延々と繰り返されるもので、不条理で理屈が通らない世界観がありました。それでも私が退屈せず、次第に惹き込まれていったのは内面に何か得体のしれないものが存在していたからかもしれません。詳しい感想は後日改めます。次に渋谷駅から井の頭線に乗って駒場東大前駅で降りました。ここにある日本民藝館で開催されている「聖像・仏像・彫像」展は、庶民信仰を対象とした素朴な立体造形を集めたものでした。これを「彫刻」という観点で捉えた展覧会でしたが、私にとっては癒しにもなり、ホッとして作品の前で佇んでおりました。これも詳しい感想は後日改めます。今日という日は、まさに不条理な映画鑑賞と癒される民藝鑑賞という対極を体感した日で、ざわつく心と静まる心が同居していました。創作活動をリフレッシュするには、その対極となる双方が必要なのだと実感しました。久しぶりにやってきた渋谷の街並みは、かなり様変わりしてしていて、しかもどこへ行っても人が混雑していました。先月の銀座での個展の時も思ったのですが、都会に出てくるにはパワーが必要だなぁと感じました。渋谷駅の地下道を右往左往しながら、乗り換えにも距離があって、今日は結構歩いた気がしています。