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note

週末 近視眼的視点の戒め
週末のNOTE(ブログ)には創作活動について書くことにしています。このところ毎日工房に通って陶彫制作に時間を割いていますが、視野が狭まっている感じが否めません。時折、美術館や博物館に足を運んでいることが刺激剤になって、自分の世界を一回り大きく捉えることが出来ていると思っています。制作と鑑賞が両輪となって創作活動が進んで行くというのが私の持論ですが、それは広い視野が持てるかどうかに関わっているのです。制作を暫く休んでみることも必要と思いますが、私の性格上それがなかなか出来ません。近視眼的な視点に気づくと、自ら戒めることもありますが、手さえ動かしていれば安心感が得られるという私の安直な考え方は、根本から反省をする必要がありそうです。今日の朝日新聞にこんな記事が掲載されていました。「内側で生きない。自分の力をギリギリの外側で測る。」これは「加藤登紀子のひらり一言」にあったもので、ベテラン歌手による格言のようなものです。「自分の可能性の想定範囲を小さく測らない。」という解説もあり、上記のようなことを考えている私の心には刺さりました。近視眼的な視点はつい内向きになり、自分を納得させるラインが低下します。たった一人で工房に籠っている弊害もあるのでしょうが、自分で自分の殻を打ち破らないと解決には至りません。学生時代は大学の彫塑工房に同じテーマで人体塑造をする学生たちが多数いて、お互いが競うような環境がありました。口に出して言わないものの、私は周囲の学生たちの作品をしっかり見取って、それぞれの欠如したところを把握していました。自分の作品は自分ではよく分からなかったくせに、他人の作品はよく見えていて、冷静な判断が出来ました。自分も他人からどう見えているのか気になるところもあり、その結果、内側で生きることはなかったのでした。それが自分の工房を持った途端に、自分に対して自己満足に浸ってしまうのはマズいなぁと思っています。自らを戒めながら今後も創作活動を継続していく、そんなことを思った一日でした。