Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 若い頃と向き合う1週間
週末になりました。今週も相変わらず陶彫制作に精いっぱい取り組んでいましたが、今週は何と言っても月曜日に映画「ゴジラ-1.0」を観に行き、水曜日に東京の美術館に「棟方志功展」に行ったことが印象的でした。「若い頃と向き合う」というタイトルは、ゴジラ映画は私が幼いころから慣れ親しんでいた世界で、映画館で見た初期のゴジラは、ゴジラの着ぐるみを着た人が獰猛に怪獣を演じて、ミニチュアの街を襲う設定に、子どもの私はリアルと錯覚して恐怖を感じていたため、こんなタイトルをつけたのでした。私はゴジラの撮影技術の進歩と一緒に成長してきたと思っています。版画家棟方志功は、私が高校生の頃にその世界を知った人で、当時の私はざっくり彫られた画面を見て、やった者勝ちという評価を下していました。それも私の若気の至りで、棟方ワールドの迫力や生命力を感じるに従って、評価も正当なものに変えていったのでした。ともかく自分自身の振り返りをさせていただいた映画であり、展覧会であったと思っています。一人の人間の成長には、その過程を通じて価値観の変動があり、そこで気づいたことを糧としていくものだろうと私は考えます。私は仕事を退職した後も幸いなことに創作活動に従事しているため、その時その場で得た糧を充分咀嚼するための手段が残されています。私は自分自身がまだ成長過程にいると信じていて、自分が学んだものが、自分の創り出すものに横の振幅と縦の深みを与えてくれると思っているのです。実技と鑑賞が車の両輪となって前に進んで行くイメージは、そこから生まれたもので、私が大切にしているものなのです。