Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 塑造台作りをした1週間
週末になりました。現在作っている一辺22cm程度の陶彫立方体に使用している台を塑造台と呼ぶのは、ちょっと違和感がありますが、実際に台の上で成形や彫り込み加飾をやっているので、この小さな板材も用途としては塑造台になります。私が彫刻を始めた第一歩が、粘土による人体塑造で、厚い板材の上に鉄製の心棒が接合された塑造台があり、そこに垂木や針金で骨格を作り、さらに粘土を貼り付けて膨らませていく制作方法でした。これをモデリングと言いますが、大きな塑造台は回転台に乗せていて、足で蹴りながら回転させ、四方八方から塑造を眺めては、粘土による量感の調整を行っていました。モデルとほぼ同じ大きさの人体塑造は、制作と言うより習作であり、何度も大きく削り取っては、また粘土を付け足して実際の量感を学んでいくものでした。その心棒付きの塑造台は大学卒業後に実家の物置に入れてありましたが、実家を処分した時に一緒に処分してしまったようです。現在の塑造台は小さなサイズで、轆轤の上に乗せて使っています。陶彫立方体は同時に幾つも作るので、塑造台も複数必要になります。最初は十数枚の塑造台がありましたが、薄い合板であったために割れることがあり、先週は最後の一枚になっていました。そこで今週は建材店に出かけていき、板材を購入してきました。工房にある糸鋸で切断し、30枚の塑造台を作りました。人体塑造をやっていた頃の塑造台と比べると、極めて簡易なものですが、大事な道具です。今週は塑造台作りと同時に新しい化粧土の攪拌もやっていました。長く陶彫制作を続けていると、不足するものが増えていきます。それも創作活動を継続してきた証なのだと承知しています。