Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 制作&仏たちとの対話
週末になりました。今週のことを振り返ってみたいと思います。寒さが一段と厳しくなり、内壁のない工房での過ごし方を考えるようになりました。夏もそうでしたが、この冬も工房で一日中制作するのは気温を考えると無理があります。ストーブ1台で暖を取るのは大変で、まして水を扱う陶彫制作は手が悴んでしまい、作業時間を短くすることにしました。今週、作業時間を長く設定したのは今日だけでした。今日は後輩の彫刻家や美大生が工房に来ていたので、普段工房に来れない彼らのことを考えると、長めの作業時間を取ったのでした。そのおかげで私の作業も進みました。乾燥した陶彫作品8点の仕上げと化粧掛けを行い、窯入れをしました。明日は焼成中のため工房は使えませんが、美大生から卒業制作展の誘いを受けているので、久しぶりに美大に行くことにしたのです。今週は時間短縮でも毎日制作をしていましたが、木曜日の午後には東京駅ステーションギャラリーで開催している「みちのく いとしい仏たち」展に行ってきました。そこで肩肘張らない民間仏に触れ、仏たちと何気ない対話をして、心に癒しと安らぎを与えられたように感じました。私は組織だった特定宗教の前では、身構えして合掌することはありますが、野の片隅にある地蔵や林に囲まれた祠に鎮座する仏が結構好きで、つい手を合わせることが暫しあります。地蔵や民間仏は造形物ですが、美術とはまた違う趣があって、地元に愛されている由縁がよいと感じているのです。私の住む横浜では宅地造成のため、そうした小さな守護神がひっそり失われていっているのだろうと思っています。山間に点在していた墓地もなくなりました。私の家もそうした墓地を持っていましたが、住職に魂抜きをお願いして、墓地を菩提寺に移しました。それによって風景が変わってきましたが、相続を考えると昔のような風景を残すことは出来なくなったのです。墓地の近くにあった地蔵も消えてしまいました。そんなことを思い出した展覧会だったと思っています。