Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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人生のラスト・イベント
今年86歳になった母は、これが生涯最後の旅行と言って関西に出かけました。知り合いにも、これが最後と言いながら、もう10年も毎回ラスト・イベントをやっている人がいます。母もそうであって欲しいと願っています。母が参加した旅行は、我が家の菩提寺である浄性院が企画する京都散策で、法然上人ゆかりの知恩院等を訪ねる檀家向けの旅行です。父が亡くなってから、母が今までこの旅行に一人で参加してきました。今回は家内を誘って出かけたところを見ると、母も齢を感じたのでしょうか。そんな姿を見て、自分のラスト・イベントはどんな内容で、いつやってくるのかをぼんやり考えてしまいました。自分は回顧展をやるのがラスト・イベントとして理想と考えています。生前に回顧展をやってみたいと思うのです。ギャラリーせいほうに毎年展示した作品を一堂に集めたら、どんな雰囲気に包まれるのだろうと思います。これから作られる作品も数々あります。自分にしたら、やりたいことのまだほんの一部が出来たとしか言いようのない有様です。ラスト・イベントはまだまだ先であって欲しいと願っています。最後のひと呼吸がやってくるまで工房で制作に打ち込んでいたいのです。或いはその日がラスト・イベントなのかもしれません。