Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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来年に向けて新作開始
昨日、今夏ギャラリーで発表する作品の図録用撮影をしたばかりですが、今日から来年に向けた新作の制作を始めました。昨日、野外工房や室内工房で撮影した作品は、まだ完全に完成したわけではなく、たとえば「発掘~坪庭~」の土台部分の裏側の塗装が出来ていなかったり、「発掘~記録~」のサイン代わりになる印をつけた和紙がまだ貼られていなかったり、平面RECORDは展示用パネルに取り付けができていないことがありますが、そうした補填作業と並行して、来年に向けた陶彫作品を作る準備を始めたのでした。来年の作品は今年と同じ「発掘~記録~」です。「発掘~記録~」は、最終的に365点で完成するので、これから残りの作品を継続して作っていくのです。つまり中断せず休まずに作り続けることが、このコンセプトを完遂するために必要なのです。私自身は作品世界が完結することを考えていないので「発掘~記録~」にしても、365点が出来てしまったら、そこから発展して何かしらのビジョンを導き出し、さらに先の方向性を定めていくつもりです。朧げな目標に対し、足元の一歩を踏み出すことを、私は自分の信条としています。陶土を使うのも自らの世界観を表すための手段であって、彫刻のための彫刻ではなく、自らの世界観を表すためには彫刻表現やその方法が一番合っていると思っているのです。現在の自己表現として私が求めているのは彫り込みのバリエーションです。それを立方体にして積み上げると、建築的な興趣が生まれ、組み合わせによる遊戯性も漂います。造形美術は鑑賞者に心のゆとりや遊び心を与えるもので、深い精神性に限らず、癒しも与えるものではないかと私は考えています。そうした世界観の獲得には小さな一歩を蓄積していくのがいいと自分なりに思っています。今日から始めた新作の制作には、また長い工程が待っています。