Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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個展準備に明け暮れた6月
6月の最終日になりました。NOTE(ブログ)のアーカイブを見ると、昨年の6月より個展準備が遅れていると言わざるを得ません。それは図録撮影日が今月初めになってしまったことや、陶彫作品の数が多いために木箱による梱包が遅れていることが挙げられます。ともあれ今月は30日間のうち29日間は工房に通っていました。そのうち作業をやっていたのは28日間でした。1日は図録用の撮影日で、丸一日かけて野外や室内で陶彫作品を組み立てて、写真撮影をしていました。もう1日はまったく工房に行かない日で、横浜の自宅から遠方にある武蔵野美術大学美術館に出かけました。これには往復で4時間を要しました。作業をやっていた28日間の内容は、今夏ギャラリーせいほうで発表する作品の梱包作業と、来年発表予定の陶彫制作でした。日付のある陶彫立方体の6月分から来年の発表になりますが、今月分を現在作っていて、時の流れに追いつこうと必死に藻掻いている状況なのです。つまり、今夏の個展は全体構成の折り返し地点に過ぎず、一時も無駄にできない制作工程を組んでいるのです。今月の鑑賞は美術鑑賞だけで3カ所の展覧会を見て回りました。「マティス展」(東京都美術館)、「大森暁生展」(そごう美術館)、「若林奮 森のはずれ」展(武蔵野美術大学美術館)で、充実した鑑賞だったと振り返っています。平日でも予約が必要で、それ故大変混雑していたのは「マティス展」で、マティスがもつ自由な描線と奔放な色彩が今も目に焼きついています。私が学生の頃に、同じ大学で教壇に立っていた若林先生の巨大な旧作も印象的で、とくに金属が腐蝕した部分の修復作業が映像として記録されていました。これによって時間を経た立体作品がどのように変容してしまうのか、その有様も見ることが出来ました。作家が作品を通して伝えたかったものは何か、後世に残された人たちが物故作家のことを思いつつ、修復していく作業は、創作活動をしている身としては有難いことだなぁと感じました。勿論世界観が人に認められる必要がありますが、正直羨ましい限りです。今日は個展の案内状が出来上がったのでカメラマンが自宅に持参してきました。明日、ギャラリーせいほうに届けに行きます。今月は個展準備に明け暮れた慌ただしい1ヵ月を過ごしました。