Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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勤労感謝の日に考えたこと
今日は勤労感謝の日で、嘗て教職に就いていた私は勤務を要しないことの嬉しさを噛み締めて、それならば創作活動をやろうと考えたのでした。今となっては私には平日も休日もないので、朝から工房に籠っていましたが、後輩の彫刻家は嘗ての自分と同じで、朝早くから工房で彫刻を作っていました。私が味わった貴重な時間を、彼が今味わっていて、工房にいる日は休む暇なく制作に没頭しています。私も彼に背中を押されるように陶彫制作をやっていました。今日、陶彫制作中に私が決めたことがありました。私は退職校長会のグループ展に随分前から作品を出品するように誘われていました。退職校長会(中学校籍では清交会と言います)に私はほとんど顔を出したことがなく、訃報連絡を流すだけの立場ですが、グループ展の代表者が私の個展に来ていただけたことで、話が動き始めました。ただし、グループ展の会場が横浜の中心部にある古い画廊で、それほど広くないため、ギャラリーせいほうで発表しているような大掛かりな演出が出来ず、どうしたものか思案していました。そこで思いついたのが、15年前に制作した照明を内蔵した「発掘~街灯~」という2点の作品です。工房の棚に埃を被っていたのを取り出して、これならば他に数人の発表者がいても迷惑はかからないだろうと思ったのでした。「発掘~街灯~」は私の作品の中では異質なものです。照明器具として彫刻を利用してみようと考えていたこともあって、それはイサム・ノグチの「あかり」を見たことにインスパイアされて作ったのでしたが、私の場合は素材の軽みはなく、大地から這い出した造形に明かりが灯るという考え方によったものです。自分の作風の展開に幾筋もの道が広がるのは私にとって歓迎すべきもので、個展とグループ展で作品の傾向を分けるのも一案かなぁと思っています。