Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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凍えるような1月の終わり
今日で1月が終わります。思い返すと10年に一度と言われた寒波が日本列島を襲い、凍えるような1ヶ月だったと実感しています。私の住む横浜は雪こそ降らなかったものの、工房の室温は3度になり、手が悴みました。私が扱っている彫刻素材は陶土なので、その冷たい感触にはなかなか慣れることができず、何度もストーブで手を温めながら制作をしていました。今年の新作は同じ大きさの立方体を数多く作っているので、作業が単調にならざるを得ないのですが、その分彫り込み加飾で作品ごとに個性をつけています。31日間ある1ヶ月のうち29日間は工房に行って制作をしていました。工房に行かなかった2日間は、初詣に出かけた元旦と、教え子にサポートしてもらってパソコンを購入して、その設定をした日でした。正月の親戚の集まりや鑑賞に出かけた美術館や映画館も、午前中は工房で制作をしていて、常に陶土に触れている時間を過ごしていました。今回の陶彫制作はゴールが見えず、日々不安に駆られながら制作をしていたのですが、決着がつかない状況もまた良いのではないかと、現状を受け入れる姿勢もあります。美術鑑賞では「京都・智積院の名宝」展(サントリー美術館)に行きました。映画鑑賞では「MAD GOD」(シネマ ジャック&ベティ)「RRR」(相鉄ムービル)に行ってきました。映画では2本とも娯楽に徹した作品を観てきましたが、寒波を吹き飛ばそうと思って観てきたのでした。読書ではシュルレアリスム関連の書籍を読んでいます。現在読んでいる「シュルレアリスム宣言・溶ける魚」は読むというより、感覚で味わうもので、夜になると語彙を追いながら意味するところを探っています。その描かれている世界がいかにも西欧的な雰囲気を感じ取れるので、若いころに住んでいたウィーンの街並みを思い出すことも暫しあります。来月の寒さは多少緩むのでしょうか。工房の周辺では梅が咲こうとしています。