Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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鑑賞を満喫した8月に…
今日は8月の最終日です。毎日熱中症を心配するような酷暑が続き、工房での制作時間も身体のことを考えて、早めに切り上げることをしています。陶土の乾燥は高温のために早くなり、乾燥スペースに置いた陶彫作品は、見る見る乾燥が進んでいる状態です。先月、東京銀座での個展が終わり、今月は一段落したいところですが、今までの習慣もあり、私は来年の個展に向けて日々制作に没頭しているのです。その習慣は容易に変えられるものではなく、教職との二束の草鞋生活で培った「焦らず、休まず」という座右の銘に相変わらず従っています。そうしている方が私の精神状態は安定しているようで、今は時間があっても、そんなものは関係なくコツコツ作ることが私の習性になっているのかもしれません。ただし、今月の鑑賞は大変充実していました。先月の個展まではなかなか展覧会や映画に行けなかったせいで、その鬱憤晴らしだったかもしれませんが、ともかく鑑賞を満喫した8月になったことは確かです。まず、美術関係の展覧会ですが、「ガウディとサグラダ・ファミリア展」(国立新美術館)、「聖像・仏像・彫像」展(日本民藝館)、「古代メキシコ」展(東京国立博物館)、他に昔の同僚が出品している「毎日書道展」(国立新美術館)にも足を運びました。映画鑑賞では「キングダム 運命の炎」、「君たちはどう生きるか」(両方とも鴨居ララポートTOHOシネマズ)、「オオカミの家」(渋谷イメージ・フォーラム)に行ってきました。娯楽作品から問題作品まで幅広く鑑賞できたと自負しています。鑑賞に出かける時に工房を完全に閉めるか、また多少作業をしてから出かけるかを判断していますが、酷暑の毎日とあって工房を閉めて出かけた日もありました。読書では相変わらず和辻哲郎著による2冊の書籍をじっくり読んでいて、今月中に読破できませんでした。来月に持ち越しますが、内容が面白く、また密度の濃い論考があるので、楽しみつつ読んでいきたいと思っています。気がかりなのは窯の状況がおかしくなっていることです。以前ヒーター線を1本だけ交換しましたが、残り5本のヒーター線にも不具合が発生しているらしく、来月涼しくなったら業者に修理をしてもらう予定です。陶彫作品は最終工程の窯入れがあって、初めて作品として成り立つものです。窯の具合が悪くなると、忽ち制作の全てが滞ってしまうことを改めて気づかされるのです。