Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • 空間を変容させる装置
    自分が作っている集合体による彫刻は、部品と部品を繋いで、ひとつの作品としていますが、それは物量として見せているのであって、単体でも同じものだと思っています。集合体の特徴はあるにしても、最終的にはひとつのまとまりにしているのです。この集合体を拡散させて空間に配置したら、また別の空間が現れてくると思います。彫刻が空間を変容させる装置とするならば、置かれる場所・環境によって集合や拡散があってもいいのではないかと考えます。そのいずれにも耐えられる作品が作れることを願っています。現在進行中の「構築〜起源〜」は拡散に向かう集合彫刻のつもりです。空間を変容させる装置、あるいは環境によって提示の仕方を変える彫刻。大地に置かれる、横たわる、掘り込む、壁に掛ける、寄りかかる、埋め込む等あらゆる提示が可能な装置を作りたいと考えています。            Yutaka Aihara.com
    哲学・詩作・そして実材
    現代美術における彫刻の捉え方として、彫刻を設置することによって、その空間を変容させることが挙げられます。今まで見慣れてきた空間に対し、新しい視点を与え、また触覚的な要素を加えることで、新鮮な眼で世界を俯瞰できるようになると考えます。空間の変容は、彫刻家が考える哲学的な思索であったり、ユートピアを作り出そうとする詩的な感性だったりしますが、彫刻家は哲学者でも詩人でもないので、常に実材と向かい合い具体的にモノを提示することが彫刻家の彫刻家たる所以であろうと思います。実材を媒体として空間に働きかけていくことが彫刻家の仕事であると常々考えています。Yutaka Aihara.com
    原点としての「粗い石」
    このブログを書き始めた頃に読んでいたブイヨン著「粗い石」。これの感想を2年前にブログに載せています。そこで再び「粗い石」です。再読を重ね、名も無き修道士たちのル・トロネ修道院建造にかかる話は、何度読んでも面白く、また自分の仕事を原点に戻すことができます。昨日の若林奮「100粒の雨滴」における「労働の時間」の表現とも通じるものがあって、坦々とした日常の中で、多くの時間を費やし何かカタチあるものを作らんとする人間の強固な意志は、自分が自分を見失いかけた時にふと気づくことでもあります。短絡的な楽しみより、遠い彼方を見つめて歩き出す楽しみが頭をもたげてきます。自己満足的なことかもしれませんが、自分にとってどんな価値を持つのか、自分が自分を肯定して生きるための手段・方法でもあると認識を新たにさせてくれるものが「粗い石」だと思います。      Yutaka Aihara.com
    彫刻における「労働の時間」
    故若林奮の彫刻に「100粒の雨滴」という奇妙なタイトルのついた作品があります。正方形の銅板を何枚も重ねた作品で、銅板には何かしら痕跡のようなものが施されています。自分は大学時代に校内でよく若林先生の姿を見かけましたが、難解な彫刻を作っている人という印象があって、話しかけることができませんでした。先日から読んでいる酒井忠康著「犬になった彫刻家」の中で、「100粒の雨滴」に触れて、若林氏は「労働の時間」を表現してみたかったと語ったという箇所を見つけました。私はこの「労働の時間」というコトバが妙に気に入りました。空間がどうの塊がどうのバランスがどうのという彫刻本来の概念とは異なる彫刻のあり方を提示している「100粒の雨滴」。銅板1枚1枚にかける労働。蓄積された時間。モノに対する考え方が感覚的に伝わってくるようで、不思議な新鮮さを感じてしまいます。Yutaka Aihara.com
    野島公園の散策
    30数年前、自分は横浜市金沢区で高校生活を送っていました。今日は仕事のような遊びのような気分で、久しぶりに野島公園を訪れました。記憶の断片を繋げるように公園の周囲を歩きました。景観はだいぶ変わっていて、きちんと整地がなされていました。モダンな展望台に登ると、八景島シーパラダイスが見えました。午前中は小雨がパラついていて、さらに遠くの景色は薄曇で見えませんでしたが、自分の過去を辿ることができました。そうは言っても景観が新しくなると、過去の自分の存在もリセットされるようです。自分の中ではそんなに昔のことではないと思っていたのですが、時間は確実に時を刻んでいて、自分の足跡が消されているのに唖然としたり、逆に不思議に気持ちが楽になったりしました。自分の高校時代は楽しいものでも甘酸っぱいものでもなく、鬱積した心で過ごしていたことをここに来て思い出していました。                            Yutaka Aihara.com