2015.07.02 Thursday
7月のRECORDは「捻」(ねじり)にしました。モノをねじる、たとえば平たい板を捻って立体にする、棒を捻って渦巻き状にする等、面白いカタチが生まれそうです。先月の「楔」もそうでしたが、自分は実素材が頭に浮かぶ傾向があります。彫刻を表現手段としているせいかもしれません。逆に夢幻を想起させるようなテーマは、私は少々苦手です。RECORDは毎日作るモノなので、時間の無さをいい訳にして苦手意識を避ける傾向がありますが、テーマによっては本当に苦しかった過去があって、現状では得意とするテーマでいくしかないと思っています。それでも一日1点制作というノルマはなかなか厳しいなぁと思ってしまいます。自業自得ですが、頑張れるだけ頑張っていきたいと考えています。最近、RECORDに関するNOTE(ブログ)はネガティヴな文面が多くなっているのに気付きました。苦し紛れに制作している事実があるので、仕方ないことでもありますが、RECORDの旧作品群を見てみると、ある一定の水準を保っていると自負しています。手前味噌ですが、日々集中してやっているのがわかって、多少なりとも満足感を得ることもできて嬉しさを感じています。
2015.07.01 Wednesday
7月になりました。月日が経つのは早いもので、毎年7月に開催している東京銀座ギャラリーせいほうでの個展も今回で10回目になります。特別な記念イベントは考えておりませんが、これまでの図録を見て感慨一入です。毎年作品が間に合うかどうかという瀬戸際で制作をしてきました。今回も例外ではなく、寧ろ例年に増して厳しい工程でした。自分が生きている実感を感じるのは、そうした伸るか反るかに苛まれる瞬間なのです。次作のイメージも苦し紛れの制作工程の中で天から降ってきています。さて、今月のマニュフェストとして新作への初めての取り組みがあります。例年に比べて遅い開始ですが、来年に向けて制作工程を組んで頑張っていこうと思っています。RECORDも継続です。表現が定番化しているRECORDですが、気持ちや時間的余裕が持てない中でやっているので、継続するだけで精一杯の状態です。展覧会や観劇にも積極的に出かけようと思っています。読書は現在挑んでいるフロイトの大著「夢解釈」にまだまだ時間がかかりそうです。夏が始まり、夏らしい休暇も取りたいところですが、今月は公務も制作も休むわけにはいかず、何とか緊張感をもって乗り切っていきたいと思います。
2015.06.30 Tuesday
今日で6月が終わります。今月は仕事がひとつ終わるたびに疲労で身体が動かず、全体の印象としてはぐったりした1ヶ月だったように思います。しかしながら、展覧会は「鳥獣戯画展」「マグリット展」「鴨居玲展」の他、留学生のグループ展や公募団体展や山梨県美術館のミレーを見に出かけ、かなり活発に行動したのではないかと振り返っています。映画も観に行きました。「バ-ドマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」は強く印象に残る映画で、時間を遣り繰りして観に行った甲斐がありました。公務での山梨県出張もありました。「発掘~群塔~」の完成と図録撮影もありました。読書はロマン派のドイツ人画家フリードリッヒの評論が契機になって、フロイト著「夢解釈」を読み始めました。RECORDは相変わらず苦し紛れに制作をしています。こうして綴っていくと今月は行動力を持って過ごした充実した1ヶ月だったと言えそうですが、過密スケジュールのせいか疲労に襲われた1ヶ月でもありました。いよいよ来月は個展があります。何とか今年も作品制作が個展に間に合いました。究極の綱渡りは今月の頑張りにかかっていたとも言えそうです。
2015.06.29 Monday
「人は常に私の作品に象徴を見ようとします。そんなものはありません。その種の意味はないのです。この絵《ゴルコンダ》を例にとりましょう。群集がいます。それぞれ違った男たちです。しかし、群衆の中の個人については考えないので、男たちは、できるだけ単純な、同じ服装をし、それによって群集を表すのです。しかし、それが一体なんでしょう?どこでも男たちを見かけるということを意味しているのでしょうか?そんなことはありません。おそらく私は、あなたが男たちを見るとは思ってもいないところに、彼らを置きました。だがそれでは、人間は空にもいますよね?空にいる人間。地球は空を動いているし、人間も地球にのって空にいる…。いやいや、違います、人間が地球を支配しているという意味ではありません。それは倫理的な問題であって、私は倫理的な問題に関与しませんし、それに、結局のところ、その事実に確信が持てないのです。タイトルについてはーゴルコンダは魅惑の都市でした。富と豪奢の空想の都、だからタイトルは、なんらかの驚異を意味しています。そして私は、地上では、空を飛ぶことはひとつの驚異だと思います。お望みならば、空を飛ぶのは驚異だから、その絵画に中には喜びがあると言ってもいいのです。また、そこには楽観主義のようなものもあります。しかし、絵画自体には感情はありません。感情があるのは、見る者の方です。その一方、山高帽には何の驚きもありません。とくに独創的でもない被り物です。山高帽をかぶった男は、ただの匿名の、中流階級の男です。私もかぶります。風変わりな人になろうとは思いません。」些か長い引用になりましたが、『ライフ』誌による1966年のマグリットによるインタビュー記事です。シュルレアリスムの巨匠マグリットの制作動機を語ってる興味ある記事ですが、巨匠が人を欺いたように楽しんでいると思えるのは私だけでしょうか。今日まで東京国立新美術館で開催中の刺激的だった「マグリット展」に再度感想を寄せました。
2015.06.28 Sunday
今日は朝から工房に行って、昨日準備した垂木で直方体の箱を13箱作りました。床置きの陶彫部品を梱包するための箱です。今日はいつものように2人の若いスタッフがやってきました。中国籍のアーティストはつい最近グループ展をやったばかりで、次は9月に在日留学生展があるため、出品予定の作品の制作に励んでいました。もう一人は今月初めにインドネシアに留学をしていた大学院生で、彼女は一時帰国していて、今日は久しぶりに工房にやって来たのでした。3週間に及ぶジョグジャカルタでの生活は大変刺激的で楽しかったらしく、1ヵ月後に再び渡航するインドネシアで何をするべきか、自らの目標が見えてきたように思えました。自分の経験から言うと、渡航早々に創作活動には手がつけられず、生活するための必要な情報と語学力に悩んだことがありました。彼女も例外ではなく語学の壁に悩みながら、それでも将来自分の糧になりそうな情報を集めてきました。イスラム圏のラマダンが始まったこの1ヶ月は何かと不自由するので、それを避けて帰国の途につき、また来月末には再びインドネシアの地を踏むことになるようです。次に帰国する来年には、きっと大きな成果を持ち帰ってくるでしょう。見聞や体験を咀嚼し、自己表現に繋がっていくのはもっと先になるかもしれません。常に前向きで創作意欲に溢れた彼女の今後の造形的な展開に期待します。それにしても最近工房にやってくるスタッフは、何故か国際派が増えてきました。昼食時間の話題が、中国やインドネシアに飛んでいくのが楽しいなぁと思うこの頃です。