Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • 芸術家が猫を好むわけ
    昨日のブログに書いた彫刻家池田宗弘先生を初め、画家藤田嗣治、文豪夏目漱石など、猫を表現媒体にする芸術家は多いと感じます。同じペットでも犬やウサギに比べるとどうでしょう。古今東西の芸術家の作品テーマで、そんな調査をしてみたら楽しいのではないかと思います。猫が芸術家に好まれる理由はいくつかあると思いますが、人間に従順な犬に比べると猫は自由気儘、それでいて適度な距離をもって人間のそばにいるという性格によるものが大きいのではないでしょうか。よく見ると結構聡明な面構えをしている猫もおります。夏目漱石が小説で猫に語らせた世相や風刺もわかるような気がします。古くはエジプトの頃から猫は造形美術のモデルにされ、その動きは現代のミュージカルにもなりました。猫の彫刻的な美しさや地を這うような動き、狡猾な雰囲気などが芸術家に好まれる所以だろうと思います。   Yutaka Aihara.com
    池田宗弘宅の猫たち
    自分の30年来の師匠である池田宗弘先生は、猫の群像を真鍮直付けの彫刻で表現しています。真鍮を溶接して作る彫刻は、ちょうどジャコメッテイのように肉付けをぎりぎりまで削ぎ落として構造をむき出しにしたままの状態で仕上げています。猫の姿態はそうした表現によく合っています。池田先生は長野県に住む前から、東京の秋津のアトリエで猫を飼っていました。しかも猫はたくさんいて、飼うというより放し飼いにして、猫を観察しているような按配でした。当時は「ここにネコを捨てないで」という張り紙がありました。猫がたくさんいる彫刻家宅に猫を捨てていく人がいるとか…。今も池田先生は長野県で猫に囲まれて暮らしています。外に置かれた猫の彫刻の周囲をホンモノの猫がうろうろしています。ただし、彫刻の猫はガリガリで骨ばっているのに対し、ホンモノは丸々と太っています。猫は常に痩せていていつも獲物を狙っている理想像と、日常のほんわかしたムードの猫のギャップが楽しい先生宅の一幕でした。                   Yutaka Aihara.com
    池田宗弘・作「サーカス」
    真鍮直付けで具象彫刻を作っている池田宗弘先生は、自分の大学時代からの師匠です。大学に入った頃、「毎日現代美術展」が都立美術館であって、そこで初めて池田先生の猫の群像による作品に出会いました。塑造を学んでいたにも関わらず、自分の中に抽象思考がありましたが、池田先生の作品に触れて、まだまだ具象で学ぶべきものがあると感じました。池田先生の作品は細い線による構成的な要素があります。この軽やかさは真鍮を素材にしていることが大きいと思います。とくに初期の「サーカスシリーズ」は綱渡りをする人物や車輪に乗る人物など、風に揺れるほどの危うさがありながら、造形としてはしっかりした構成があって、大きな空間を感じます。サーカスを演じる人物には首がありません。首を作ってしまうと、鑑賞者は顔の表情に注目してしまうので、あえて首を作らずに全体の構成を見せる配慮をしています。首がないことで俗っぽさから離れ、造形としての面白さが前面に出ていると感じます。                          Yutaka Aihara.com
    スイミング&スイミン
    仕事帰りにスポーツクラブに立ち寄って、しばらく泳いでから帰宅することがあります。その夜はよく眠れます。公務と創作を両立させていることもあって、一日の仕事量がめいいっぱいで、何もしなくてもよく眠れるのですが、水泳をした後はぐっすり眠ってしまいます。夜更かしなんてとても出来ません。学生時代はよく深夜番組を見たり聴いたりして、創作のことをあれこれ考えていました。一日が昼夜逆転している頃もありました。そんなことがあって、今が成立しているのかもしれませんが、創作をしているのに毎日が分刻みに動いているのが不思議です。水泳と創作は頭の中では別の次元だと思うのですが、日頃トレーニングでもするように木を彫ったり土を練ったりしています。いつかゆっくりじっくり創作と向き合おうと思っています。されど今晩もスイミング&スイミンのパターンになって、そろそろ睡魔が襲っています。もう考えるのは止めておきます。             Yutaka Aihara.com
    現代の茶室を考える
    今晩のNHK番組「新日曜美術館」で取り上げられていた楽吉左衛門設計による新しい茶室の在り方に興味が湧きました。池の中に作られた水中に沈んだコンクリート製の茶室。コンクリートは黒の色素が混ぜられ、またアフリカ産の原石で周囲を巡らし、手漉きの和紙にも工夫が施された現代の茶室。素材をそのまま使うことへのこだわり。番組で自分もその考え方を学び、自分の彫刻を素材から考えさせられる1時間となりました。器であれオブジェであれ作品を取り囲む環境(建築)を自分で作ってみたいと私も常々思っています。作品が置かれる、また使われる場所を演出したい欲求は、ものづくりの作家であれば誰もが持っている欲求であると思います。そんな理想を求めて自分も制作を続けていると感じたひと時でした。          Yutaka Aihara.com