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  • 「クレーの旅」を読んで
    新藤信・文「クレーの旅」を読みました。写真図版が多く旅のイメージが捉えやすい冊子です。クレーに限らず芸術家が旅で得る情報、体験がいかに大切なものかがよくわかりました。クレーの場合は、北アフリカのチュニジアで目のあたりにした色彩がその後の作品に影響を与え、またヨーロッパ的な絵画技法から離れていこうとする意思が感じられます。不思議な文様のような、また記号化された形象が培われたのは、まさに生まれ故郷ではなく、旅で出合った風景やその印象であったと思っています。自分の場合も昔住んだヨーロッパの旧市街の影響が作品作りに欠かせない要素として、ずっと脳裏にあります。そろそろ作品を展開したい欲求に駆られています。クレーのような有効な旅をしたいなと考えるこの頃です。 Yutaka Aihara.com
    画家ニコ・ピロスマニ
    先週行った渋谷のBUNKAMURAザ・ミュージアムで、ロシア素朴派画家のニコ・ピロスマニの作品に出会いました。ピロスマニという画家を知ったのは20年以上も前に見た映画でした。たしか岩波ホールだったか記憶がはっきりしないのですが、ピロスマニの絵画そのもののような朴訥で美しい映像が鮮烈でした。渋谷の「ロシア・アヴァンギャルド」展に出品されていたのはピロスマニが20世初頭にこの時代の気鋭な画家たちに見出された画家であったということです。ピロスマニ自身は旧ソ連グルジアの町で看板を描いては食事や酒代を稼いでいる放浪画家だったようですが、まさに時代がプリミテイヴ・アートを求め、それによって一躍脚光を浴びることになったわけです。人物はいずれも正面を向いて特徴をよく捉えた風貌、人物の他に動物を多く描いていた様子が伺えました。「へたうま」という造語がぴったりな異質で偉大な画家であったと思います。                   Yutaka Aihara.com
    「AボーシャンとGモーゼス」展
    先週の自分の個展開催時に、銀座を拠点に美術館を見て周り、1週間で6つの展覧会を見てきました。今日はその最終報告。新宿の東郷青児美術館でやっていた「アンドレ・ボーシャンとグランマ・モーゼス」展。正規の美術教育を受けていない独学の素朴派と言われる人たちの絵画です。画面いっぱいに楽しい雰囲気が溢れ、そこには描くことが大好きという基本的な姿勢がありました。世間の流行やら美術界の動向やらを気にしていると、こういう作品に出会うとハッとすることがあります。国立新美術館でやっていたオーストラリア・アボリジニの画家「ウングワレー」も、渋谷でやっていたロシア・アバンギャルドのグルジアの画家「ピロスマニ」も同じです。表現したいから表現するという本能に近い創作意欲。今年の夏はそうした素朴派の芸術家に学ぶところが多いような気がしています。自分の個展と対峙して自分を振り返る機会を作ろうと、これも本能に近いところで自分は感じているのかもしれません。                          Yutaka Aihara.com
    民間企業派遣研修
    今日から1週間、近隣にある造園土木株式会社に勤務です。といっても横浜市がやっている研修で、現在100人以上の同僚が様々な業種で研修をしています。自分の派遣先は造園土木の会社で、今日は丸一日外で仕事をしました。朝たった1時間程度の除草の仕事で、全身から汗が噴きだし、社名の入った服がびっしょりになりました。9時から17時までの労働。かつて学生時代に父を手伝い、こういう仕事はもう今後はしないものと決めていたのに、何の因果か父が亡くなった7月に父の残した造園業を別の形でやっているとは…。先週の個展に引き続き、今週の派遣といい、普段とは一味違う暑い夏が続きそうです。早く夏休みが来ないかなと心待ちにしています。  Yutaka Aihara.com
    「カルロ・ザウリ」展
    昨日までの銀座通いで見た展覧会は全部で6つあります。ブログには先週4つの展覧会の感想を寄せました。今日は竹橋の国立近代美術館で開催しているイタリア人陶芸家「カルロ・ザウリ」展の感想を書きます。自分の個展も陶彫によるものなので、「カルロ・ザウリ」に対する関心は高く、また表現技法も含めて興味津々で出かけました。ザウリは1960年代には壺の概念から陶彫へと仕事が展開し、灰白色の釉薬を使った「ザウリの白」と呼ばれる技法が定着しています。そのあたりから大振りで緩やかな稜線をもつ生命体のような作品が生まれています。土の物質性が際立つものですが、日本にもこうした作品は数々あり、ザウリの作品に新鮮な驚きはありませんでした。ただ、イタリアの風土がもつ伸びやかなフォルムは遺憾なく表現されて、日本の細やかな陶彫とは趣の異なった感じはもちました。ともかく大きな陶彫作品に接したのは久しぶりのことなので、自分の気持ちにも張りあいができました。                           Yutaka Aihara.com