Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • 個展案内状の郵送
    来月早々にある「ギャラリーせいほう」での個展のDMが出来上がってきて、郵送を始めました。ギャラリーには1000部届けに行きました。手許には500部。今回のDMは昨年と異なり、立体感のある写真になりました。作品を下から覗きこんで撮影したものです。近々HPにアップしたいと思います。梱包をさらにきちんとするためにエアキャップやダンボールを買い足さなければなりません。彫刻には絵画や版画にはない気ぜわしさがあります。なにしろ集合体で見せる作品は、それぞれ部品を梱包しなくてはならず、まるで引越し荷物のような按配です。さて、今回はどんな空間が出来るのか、ちょっと緊張し、かなりワクワクしています。
    みやさんの「ユーラシア無限軌道」
    表題の本は紀行作家みやこうせいさんが書いたもので、詩人のまどみちおさんとみやさんが東京青山のギャラリーで2人展を開催していた時に購入しました。「名前なんてつまらないサインはやめて、サインではないサインを」と無礼な要求をしたら、さすがみやさんは心得たもので、「地球はあなたの心の一地方」とサラリと書いてくれました。この本を読んでいると、まるでみやさんと会話しているような錯覚に陥ります。エスプリに富んだジョークや世界情勢まで話題豊富なみやさんが目前にいるようです。みやさんのフットワークの軽さ、行動力、コトバの魔術にスルスルと魅かれていきます。とりわけ東欧の寒村の情景描写では、かつてみやさんに案内された場所での匂いや踏みしめた土までも甦ってくるようです。難解な書籍を携えて旅しているみやさんをこの本で初めて知って、当時は脇でくだらない話しかしなかった自分を恥じるばかりです。本に登場しない愚かな人々が(自分も含めて)たくさんいることを、本を読まれている方々につけ加えておきます。でないと、みやさんと旅で出会う人々はみなインテリかと誤解されます。ルーマニアで酒にまかせてバカ騒ぎしたことも一度や二度ではありません。
    黒海を臨むキリスト教寺院
    黒海沿岸のトラブゾンに到着したのはトルコに来て2ヶ月を過ぎていました。ここで印象深かったのは焼き魚でした。イスタンブール同様に港で魚を焼いていて、その一匹をタダで頂きました。よほど金銭がない旅行者に見えたのでしょうか。実際ウィーン生活で貯め込んだ衣類は汚れれば捨てて身を軽くしていましたし、外見はかなり貧相になっていました。焼き魚は食事ホームシックになるくらい飢えていた食物のひとつだったので、美味しく食べました。そこで黒海沿岸の町ですが、今まで旅してきた町と様子が異なり、やや西洋風な雰囲気がありました。それはビサンチン時代のキリスト教寺院があったからです。ただアヤソフィヤは教会ではなく博物館になっていましたが、内壁のフレスコ画を見るとトルコにいることを忘れてしまうほどでした。ずっとモスクを見てきた目には新鮮でした。そろそろヨーロッパに戻ろうかと、自分はアジア人なのに不思議な感覚に襲われたものでした。
    チグリス河流域で彷徨う心身
    学校で学んだ歴史に古代の四大文明があり、そのひとつがチグリス・ユーフラテイス文明です。そのチグリス河流域の町デイヤルバクルに着いた時は、頭痛と腹痛に見舞われ、ホテルに4日間倒れこんでいました。家内も同じ症状だったので、食事のせいか疲労のせいか、あるいはもっとヤバい病気なのかわからないまま臥せっていました。ボーイが心配そうに何度か様子を見に来ました。観光したい欲望に駆られ、頭痛や腹痛を抱えながら、埃っぽい街に繰り出しましたが、すぐホテルに引き返し、街で買った果物で持ちこたえていました。苦しんだ4日目にフッと身体が楽になり、温かさが身体に戻ってきました。家内は少し早く回復していました。夢に和食のあれこれが浮かんできたので、食事のホームシック状態だったのかもしれません。羊の肉が食べられなくなったのはこの時からで、旅は2ヶ月になろうとしていました。
    ネムルト山登頂記
    トルコの東アナトリアに位置する標高2150Mのネムルト山頂に遺跡があると聞いて、現地でミニバスツアーに参加しました。私たち夫婦の他に西欧から来た数人の旅行者がいました。小さなバスで山頂を目指し、やがて首のない5体の神像が立つ山頂に到着しました。アポロンやゼウスの巨大な頭部が下に落ちていました。後で調べるとコンマゲネ大国アンテイオコス1世の陵墓で紀元前60年代頃のものであるらしいことがわかりました。焼け付くような日照りの中で、西欧から来た女性旅行客の意識がおかしくなりかけていたようで、彼女が山頂に忘れ物をして、それを取りに戻ったりしました。そのうちバスのタイヤがパンクして、私たちは麓の河沿いで時間つぶしをしました。こんな時間に囚われることのない旅は二度とできないのでしょうか。