Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • 週末 今月最初の週末に思うこと
    10月の最初の週末がやってきました。昨晩は職場を早めに出させていただいて、叔母の通夜に家内と行ってきました。母の時と違い、新型コロナウイルス感染症拡大の影響がやや緩んで、通夜の参列が可能になっていました。それでも参列した人は多いとは言えず、葬儀そのものに影響が出ているのは確かです。叔母は享年88歳で、私とは幼い頃から親しい間柄でした。身近な人が亡くなると、私はつい死者を看取っている間中、自分の残りの人生を考えてしまうのです。私はいつまでこうしていられるのか、今生きていることはどういうことか、全ては夢幻に帰すかもしれない現在をどのように生きればよいのか、これは私の死生観に関わるものであり、その解答を探しつつ生涯を全うするのかなぁと感じています。それは私が創作活動をやっていることと深い関係があり、今生きていることの具現化が作品に表れているのだろうと思っています。創作活動は常に自分自身への問いかけであり、私の生きた証を示すものです。実際の魂は消えても創作に込めた魂は消えることはないと信じています。そこに私の魂が宿って生き続けているのかもしれません。そんなことを考えながら、今日は朝から工房に篭りました。朝8時から午後3時までの7時間を工房で過ごしました。午前中は土錬機を回して土練りを行い、畳大のタタラを掌で叩いて複数枚作りました。これは明日の陶彫成形のための準備です。午後は以前作っておいた陶彫部品の彫り込み加飾を行ないました。着実に制作サイクルを回しています。今日は多少気温が上がったため、汗が流れてシャツに染みを作りました。それでも真夏に比べれば、随分楽になりました。土曜日はウィークディの疲労が出ていることがあって、身体の動きは今ひとつ緩慢でした。ひと昔前と違って休憩なしに作業を続行することができず、ちょくちょく小休憩を入れました。明日は陶彫成形を頑張ります。
    イサム・ノグチ 草月会館の「天国」
    「石を聴く」(ヘイデン・ヘレーラ著 北代美和子訳 みすず書房)は「イサム・ノグチの芸術と生涯」を扱った評伝で、今回は第46章「人びとがいくところ」と第47章「想像の風景」のまとめを行います。表題にしたものは、今回の文章の中では一部分に過ぎないのですが、私の思いがあって選びました。第46章では初めにデトロイト中心街の噴水設計「ダッチ・ファウンテン」について書かれていました。「他のいくつかのプロジェクトと同様に、ノグチはコンペに勝つと噴水だけでなくプラザ全体のデザインもやらせてほしいと申し入れて仕事の範囲を拡大した。」次に登場するのが表題にした草月会館の「天国」で、私は数回ここを訪れています。「1974年10月13日、ノグチは丹下(建三)に宛てて、石を彫る和泉(正敏)にロビーの模型を送ったと書いている。地下の劇場上階にバルコニー席が設けられた関係で、ロビーには階段状の段差があり、空間は『ジッグラト〔階段式ピラミッド〕に似て』独特の形をしていた。ノグチの解決策は『階段状の石の丘、人びとがいくべき場所』をデザインすることだった。ノグチは草月会館で創出した空間を巨大な床の間と呼んだ。床の間は『日本家屋でもっとも神聖な場所…それは天国。そしてぼくがあそこ〔草月会館〕でつくったのは、そう、天国だ』。できあがったのはすばらしく生き生きとした白花崗岩の山で、青みがかった白花崗岩が何段にも重なり、ところどころ荒っぽく切り出した石の塊が散在する。空間全体は、上のテラスの水盤から精妙に流れ落ちる水でひとつにまとめられる。」次にノグチが取り掛かったのはニューヨーク州マウンテンヴィルの彫刻公園にある「桃太郎」という複数配置した石彫でした。第47章で注目したのはノグチの大規模な展覧会でした。「『ノグチの想像の風景』展は四室ー第一室は彫刻、第二室は舞台装置、第三室は建築プロジェクト、第四室は実現されなかった公共プロジェクトーを使って40年間にわたる仕事を俯瞰していた。~略~つねに批評家に誤解され、正しく評価されていないと感じていたノグチは、この称賛の奔流に満足したはずだ。個展が都市から都市へと巡回するにつれて、ほとんどの批評家がこの展覧会はノグチが20世紀最大の彫刻家のひとりであることの最良の証拠であると言った。」
    創作意欲が増す10月に…
    今日から10月が始まりました。10月は気候が良くなり、心身ともに心地よくなるため、芸術活動や芸術鑑賞が華やかに展開する季節です。私も創作意欲が増すのではないかと自分自身に期待をかけています。陶彫による集合彫刻は、新作である現在制作中の作品に全力で取り組んでいく所存です。今月は週末が4回あります。制作の手順に従えば4回の週末で4点の陶彫部品が出来上がる予定ですが、全体を見渡すと、そのペースでは間に合わなくなる可能性もあり、4点以上の陶彫部品が出来上がるといいなぁと考えています。貯蓄庫を見るとそろそろ陶土が足りなくなるかもしれず、早めに栃木県益子の明智鉱業に注文しておいた方が良いと思っています。陶土が潤沢にあるからこそ可能な創作活動なので、素材や道具には人一倍気を使います。木彫によるもうひとつの新作はいつから作ろうか考えていますが、鑿の手入れをしなければならず、砥石を新しく購入しようかなと思っています。今月木彫はまだ出来ないでしょう。RECORDは先月無理をして山積みされた下書きの解消に挑んできました。もう少しで通常のペースに戻れます。今後、RECORDは下書きを溜め込まないように頑張っていきたいと心に誓いました。鑑賞は感染症防止を心掛けて、首都圏で開催している展覧会に足を運びたいと考えています。美術鑑賞をしているとホッとする場面があります。乾いた心が潤っていくようで、芸術には人を刺激する魔力が棲んでいると感じています。読書は日系アメリカ人彫刻家の伝記とオーストリアの現象学者の著作をそのまま継続して読んでいきます。今月も先月に引き続き元気にやっていこうと思います。
    秋風吹いた9月の振り返り
    9月の最終日になりました。いつまで酷暑が続くのかと思われていた季節も、朝晩は涼しく秋風が立つ陽気になりました。工房での滞在時間も長くなり、創作活動が充実する時期で、まさに芸術の秋が到来したと言えます。今月を振り返ると、4回あった週末は4回とも着実に新作の制作を進めてきました。陶彫部品は今月だけで大小5点の成形と彫り込み加飾が終わっています。今月から新作の土台になる厚板材の切断を始めました。今後はそれを見ながら陶彫成形をやっていこうと思っています。RECORDの制作も追い込みを続けてきて、下書きが先行していた状況が少し改善してきました。一日1点制作を目標に掲げてきたRECORDですが、今月ほど頑張った1ヶ月はなかったように思います。思えば自宅のリフォーム工事が始まった3月頃から、下書きの山積みが大きくなってきて、この状態に心が折れそうになったこともありました。諦めなければ何とかなるものだなぁと思いました。鑑賞は美術館へ出かける機会が多くもてました。「バンクシー展」(横浜アソビル)、「近代日本画の華」展(大倉集古館)、「和巧絶佳」展(パナソニック汐留美術館)、「池田宗弘展」(東村山市立中央公民館)の合計4回の展覧会に足を運びました。感染症対策が図られている美術館ばかりで、検温をしてマスクを着用して作品を見て回りました。映画館にも行きたいのですが、まだ躊躇していて今一歩足を踏み出せないのです。職場では野外イベントをやりました。例年なら何のこともなく決行していたものですが、今年は密を作らないような配慮をして、思い切って実行したのでした。感染症を常に意識しながら、通常の活動に励むことが習慣化してきたように思えますが、これはいつまで続くのか、先行きのゴールが見えない不確定さの中で、それでも創作活動を絶やさずにやっていこうと考えています。読書では日系彫刻家イサム・ノグチの伝記を丁寧に読んでいます。ノグチの考え方に共感し、自らの造形思索に取り込める要素が散見されるので、私にとっては貴重な一冊なのです。フッサールの論理学研究は、凝り固まってしまう頭脳をぐるぐる巡らし、難解な箇所を読み解くことに私は楽しみを見出し始めています。易しいものばかり読んでいては駄目だと自分に言い聞かせ、自己研鑽を積むことで何か得るものがあると私は信じているのです。読書は来月も継続していきます。
    RECORD用紙の調達
    今日は職場には行かず、桜木町周辺の会議室を使って、午前と午後それぞれ別の会議をやっていました。今日は時折予定されている外会議の一日で、職場に有事があれば私の携帯電話が鳴ることになっています。管理職は皆そうした対応をしています。今日はそれもなく心穏やかに会議や研修をやっていました。会議室に出かける折に横浜駅を通過する時は、私はよく画材店に立ち寄ります。ほとんどの場合、研修終了時の帰宅時間が多いのですが、購入していくものはいつも決まっていて、RECORDの用紙に使う白色ケントボードです。厚さ1mm、大きさはB3大で、いつも20枚をまとめて買います。それ以上買うと重くなってしまい、帰路が辛くなるので、ちょくちょく立ち寄って20枚ずつ買っていくことにしたのです。その20枚を職場に持ち込んで、印刷室に設置してある電動カッターで葉書大に切断します。仕事の合間を見つけて、ちょいとプライベートなことをやっているのですが、これを手作業で切っていくのはなかなか難しいため、電動カッターを借りているのです。私が退職するまでに、あとどのくらいRECORD用紙が準備できるのか、末永くRECORD制作をやっていくために、仕事の休憩時間を利用して少々焦りながらケントボードの切断をやっています。80歳まで毎日RECORDを作ったら、何点完成するだろうとか、その時期はどんなRECORDを作っているのだろうとか、先のことを考えると鬼に笑われますが、RECORDや彫刻に関しては至って真面目に先々の計画も考えている自分がいます。飼い猫トラ吉がいる部屋にRECORD専用の棚があって、大量の用紙が詰め込まれていますが、自分としてはまだまだ足りないと思っていて、横浜駅を通過する度に20枚のケントボードを抱えて帰るのです。RECORDを制作中の食卓の上をトラ吉は無関係に歩くので、絵の具で彩色する時はトラ吉を食卓から閉め出します。何故部屋に入れてくれないのかとトラ吉は鳴きますが、ニクキュウの押印デザインを思いつくまでは我慢してもらいます。RECORDは今夜も頑張って作ろうと思います。