2015.08.11 Tuesday
このところ暑さは日々30度を超えて、各地で熱中症のため病院に搬送される人が後を絶ちません。外を歩いているとジリジリした暑さに見舞われます。今週から職場に復帰していますが、空調の効いた室内から出られません。パソコンで作らなければならない書類があるにも関わらず、どうも仕事は進みません。盆休みのため職員が少なくて、職場全体に活気がないのも影響しているかもしれません。熱帯の国ではシェンタ(昼寝)の習慣がありますが、よくわかるような気がします。仕事から帰っても工房に行く気が起こらず、夜自宅で制作しているRECORDも滞りがちです。飼い猫のトラ吉だけは元気です。こういう時季は適時休憩を入れるべきと思います。今日も職場でぼんやりしていたら、床にワックスをかけていた職員が、ソーメンを茹でて、出勤していた僅かな職員たちに振舞ってくれました。私がたまに作る大鍋料理に影響されて、自分も試みたというので、いい意味で職場に食文化が根付いてきたなぁと思って嬉しくなりました。勤務後に家内と買い物に出ました。明日年休をもらって、長野県に住む師匠宅に出かけるので、横浜中華街で土産を買ったのでした。
2015.08.10 Monday
今月のRECORDのテーマを「遺」にしました。いつもならテーマは初日に決めるのですが、今回はバンコク旅行があったので、帰国してからテーマを決めました。きっとアユタヤ遺跡の印象が強く残るだろうと思っていたので、テーマはアユタヤ遺跡を見てから決めようと思っていました。やはり思った通りで、遺跡に纏わるテーマ以外は考えられなくなっています。バンコク旅行にRECORD用紙を携帯していかなかったので、その場でのスケッチは出来ず、カメラで撮ってきた画像と旅行後の印象で今月のRECORDをやっていきます。写実的なものから象徴的、抽象的なものまで心に浮かんだイメージを記録(RECORD)していこうと思っています。立体作品としてアユタヤ遺跡が直接イメージされることはないかもしれません。その場で体験したことが長い時間をかけて結晶化し、まったく別の景観として現れることは大いにあることで、それがいつになるか自分でも見当がつきません。そんな理由で、アユタヤ遺跡の記憶はRECORDに表して残していきたいと思っています。
2015.08.09 Sunday
今日も工房は朝から酷暑になり、汗が流れ落ちてシャツに染みていました。工房には若いスタッフが3人来ていて、3人とも平面の作業をやっていました。今日も午前中2時間弱作業をしたところで、近隣のファミリーレストランに昼食を兼ねて涼をとりに行きました。スタッフは全員女性なので、昼食にちょっと工房を離れて、お喋りすることが楽しいと自分も感じます。午後も2時間弱作業を続けました。今日はこれが作業の限界でした。結局、新作に向けて土練りをしただけでしたが、この暑さの中でこれでも頑張ったと思っています。気候がよければ、午前中に土練りをやり、午後は木材による構造体をひとつ作れるはずですが、今のうちは仕方ありません。旧作の余った陶土の再生やら、陶土の混合準備などで多少時間が取られることは覚悟しなければなりません。陶彫の成形が波に乗るのは、まだ先かもしれません。ただ、今月中にモデルになる構造体をひとつ作り、そこに成形した陶彫部品を合わせてみるつもりです。それがないと先の見通しが立ちません。早く制作リズムを作りたいものです。明日から職場に出かけ、仕事に復帰する予定です。お盆のうちは勤務する職員も少ないし、仕事量も多くないだろうと思います。暇を見つけては制作工程を練り、RECORDを進めたいと考えます。ともかく新作第一歩の土練りはやりました。また来週末、頑張りたいと思います。
2015.08.08 Saturday
久しぶりに工房に朝から行きました。タイのバンコクも暑かったけれど、工房の室内温度もなかなかで、作業をすると全身から汗が噴出してきました。今日は若いスタッフが2人来ていて、それぞれの課題に挑んでいましたが、昼に近隣のファミリーレストランに涼みに行きました。私も含めて3人とも熱中症と隣り合わせの状態で、気温の上昇で頭がボーとすることもありました。私の今日の作業は土錬機の解体掃除でした。前作に使った陶土がやや固まって土錬機に詰まっていたので、このまま動かすと機械そのものが壊れることもあると判断しました。解体する際にネジが錆付いていて回すのに手間がかかりましたが、鉄製の外殻をはずし、内蔵しているプロペラにこびりついた陶土を除去しました。土錬機に汗が滴り落ちて、作業中に時折息苦しくなり、そのつど水分を補給し、何とか解体掃除を完了させました。土錬機の外殻を元に戻し、試運転を行いました。明日は土練りを開始します。夕方、スタッフを送りながら、新作の構造体になる板材を仕入れてきました。いよいよ新作に取り掛かります。構造体になる木材はまだ不充分ですが、それは追々揃えていきます。今日久しぶりに工房に行って、多少なり作業が出来たことで、心に平穏が戻りました。作業がどんなに厳しくても、新作が始まると思うと不思議な安心感が生まれます。作品を制作しているという安心感、制作工程に縛られ、時に焦りがあっても、自分の情緒は常に安定しているのです。何故、自分を追い詰めながら辛い制作を続けるのか、何故、そうまでして創作意欲を保てるのか、これは自分の精神状態に関係していると言い切れます。明日から新作へ一歩踏み出します。長い長い工程が待っています。
2015.08.07 Friday
1350年にアユタヤ王朝が開かれ、1767年にビルマ軍に占領されて、王朝は幕を閉じました。その間、417年に亘って繁栄した残り香が、今も王朝の歴史を遺跡に託して伝えています。かつて文化の極みがここにあったという紛れもない存在感が、自分を遺跡に惹きつけてやまない理由です。そこに立って周囲を見渡し、空気を感じる瞬間が私は大好きです。次なる造形イメージよ、降ってこい!と自分に言い聞かせている瞬間でもあるからです。アユタヤ王朝は仏教寺院(ワット)が数多く点在していました。崩壊が進み、仏塔が傾いでいたり、ビルマ軍の侵攻で瓦礫になってしまっていて、その未来永劫原型を留められない姿形に、私は自分の造形主題を見て取ります。完全なる建造物では建築様式が気になってしまって、そこに自分の創造力の入る余地がありません。自分は遺跡の欠落した部分に創造を働かせ、自己表現を展開させるのです。観光名所になっているワット・プラ・マハタートにある樹木に覆われた仏頭や、ワット・ロカヤ・スターの野外に寝そべる釈迦像、ワット・ヤイ・チャイ・モンコンのずらりと並んだ黄色い布を纏った仏像群等にも独特な面白さを感じながら、カメラを片手に遺跡内を歩き続けました。これが即座に造形化されることはありませんが、そこに出かけ、肌で感じ、その大きさや敷石等が占める空間を体験することが、自分の中で何かを生む源泉になるのです。