2015.04.18 Saturday
昨晩のカメラマンとの打ち合わせで、新作の完成ゴールがはっきりしました。制作は断然やり易くなり、今日も朝から工房に篭って「発掘~群塔~」の木彫の作業に明け暮れました。毎週末に作業をやっていて気づいたことがあります。土曜日と日曜日のうち、やはり土曜日の方が身体の動きが緩慢になっていることです。ウィークディの疲れが出ているためだと思っています。自分はそのつもりではないのですが、職場の中では神経を使っているのでしょうか。肉体的な疲れと言うよりは、何か気落ちするような疲れが残っているのです。そんな中で木を彫る作業は、心に元気が蘇ってきます。創作活動は麻薬のようです。実際の麻薬は勿論試したことはありませんが、何故か心が軽やかになり、瞬時に嬉しくなります。次の瞬間には作品に対する不満が出てきて、ウィークディの疲れとは違うストレスがやってきます。制作時間はあっという間に過ぎていきます。創作活動をやっていると人生は短いと思うことが暫しあります。今日は朝9時から夕方4時までの7時間、完成を目指して彫りに彫りまくって作業を終えました。明日も続行です。
2015.04.17 Friday
今年で10回目になる東京銀座のギャラリーせいほうでの個展。10回分の作品の優劣はあるにしても、自分としては少しずつハードルを上げて作品を作ってきたつもりです。昨年は「発掘~層塔~」の陶彫部品の多さに手間取って、図録撮影日に作品が間に合うかどうかの瀬戸際になり、大いに焦りました。さて、今年の「発掘~群塔~」は、ついに作品が撮影日に間に合わなくなるのではないかと思っています。例年5月の連休にカメラマンに依頼して撮影をお願いしてきましたが、おそらく連休は木彫の仕上げ彫りをやっていて、作品は完成していないかもしれません。これをどうするか、夜の時間に工房にカメラマン2人に来てもらって話し合いました。「発掘~丘陵~」は連休までに終わりそうなので、「発掘~丘陵~」を先に撮影し、それの一部を案内状に使うことに決めました。撮影日は5月6日の連休最終日。この時、現在は未だカタチにもなっていない「陶紋」も撮影してもらうことにしました。大急ぎで「陶紋」を作ります。次に問題の「発掘~群塔~」ですが、6月中旬の週末までに完成し、そこで撮影することにしました。つまり今回は2回の撮影日を設けることになります。案内状は出来上がり次第ギャラリーせいほうに持参します。図録は個展直前に持参する予定です。作品のハードルを上げていくということは、こういうことかと改めて思い知った次第です。今までにないスケールの作品2点がギャラリーに並ぶ時を楽しみに、明日の制作を頑張りたいと思っています。
2015.04.16 Thursday
「発掘~丘陵~」は4つの直方体の台の上に、それぞれ円柱型をした陶彫を40個置いて、全体として丘陵が連なる世界を表現する作品です。毎晩工房に通って、一晩1点ずつ陶彫を作っていましたが、やっと成形と彫り込み加飾が完了しました。ウィークディ40日間をかけて陶彫40個を作った計算になります。乾燥を待っている作品40個のうち現在13個の焼成が終わっています。現在無我夢中で取り組んでいる「発掘~群塔~」は「発掘~丘陵~」より早めに取り掛かりましたが、「発掘~丘陵~」の方が早く完成しそうで、この作品を今夏の個展の案内状にしようと決めました。カメラマンに作品を真上から撮影してもらい、丘陵を上空から見たパノラマをイメージして、案内状を作ろうと思います。今回の新作はいずれも手間がかかって、例年5月連休に行っている図録のための撮影に間に合いません。連休に間に合いそうな「発掘~丘陵~」の案内状だけ先に撮影してもらおうと思っていますが、カメラマンの予定もあるので、近々打ち合わせを持ちたいと思います。
2015.04.15 Wednesday
仕事の出張中に立ち寄った書店で偶然見つけた「哲学用語図鑑」(プレジデント社)が、自分にとって目から鱗が落ちるくらいの画期的な書籍だったので購入しました。アニメっぽいキャラクターが難解な哲学用語を、簡単なポーズで表しているのが笑えます。たとえばニーチェの永劫回帰では、輪の回りを歩き続けるキャラと、へーゲルの目標に向かって一直線に進むキャラが比較されて、分かり易く楽しいイラストになっています。ハイデガーの現存在や世界内存在も、人間とモノとの相違をイラストで簡単に解説していて、成程こういうものだったのかと妙に納得してしまうのです。哲学は究極となる理論をあらゆる事例を使って証明するもので、語彙の難解さに辟易してしまい、読み解きを途中放棄する場合が少なくありません。自分も例外ではなく、読破に時間がかかり、結局は中途半端のまま書籍を何年も放置することがあります。「哲学用語図鑑」はまず結論ありき、という一目にして了解してしまう図解があります。これでいいのだろうかという疑問もありますが、自分が苦心惨憺の末、読破した大書が、たった1点のイラストで表されている痛快さがあって、自分はこの思い切り楽しい「哲学用語図鑑」を、結構評価しているのです。
2015.04.14 Tuesday
先日出かけた国立新美術館で開催中の「ルーブル美術館展」の目玉は、なんと言ってもヨハネス・フェルメールによる「天文学者」です。フェルメールの現存作品は40点弱とも言われ、この数少ない作品と、光を取り込んだ室内と人物を緻密に描いた作風が、絶大な人気を博している画家なので、「ルーブル美術館展」の混雑は、偏にこのフェルメールの来日によるものと考えられます。自分も「ルーブル美術館展」に行く目的の一つは、このフェルメールを見てみたいというものでした。計算された構図と窓から入り込む光の美しさは鑑賞者を裏切らず、自分もフェルメール・ワールドを堪能してきました。この「天文学者」と、対を成す作品がドイツの美術館が所蔵する「地理学者」であると解説にありました。学者の前に置かれた天球儀、絵画が描かれた17世紀には科学の発達が見られ、絵画そのものも科学的現実性を強く打ち出しているように思えます。現存する作品が少ないというのも、フェルメール・ワールドの希少価値を高めていて、つい崇めるように見てしまうのは私だけではないでしょう。