2012.05.22 Tuesday
「西洋の没落」(O.シュペングラー著 村松正俊訳 五月書房)を通勤途中に読んでいます。ようやく「緒論」を読み終えたところで、簡単なまとめをしておきます。まだ本論に入れず、序章とも言うべき「諸論」ですが、今後展開される本論の根拠となる趣旨が述べられています。世界古代史を概観するに、ギリシャ・ローマにおける文化や文明はいかなるものであったか、従来まで歴史的概要とされてきたギリシャ・ローマ~中世~近代の図式の狭義視野に対する見解、さらに世界史形態学と哲学の関係等々がここでは論じられています。ここで本書全体のねらいとする箇所を3ヶ所引用して「緒論」のまとめとします。「本書の試みは、この未来の『非哲学的な哲学』~それは西欧の最後の哲学となるであろう~を素描しようというのである。」「未来の思想にとってそれはとくに表現であり、象徴である。世界史の形態学は必然的に普遍的な象徴主義となる。」「目的は一つの哲学の展開であり、世界史の比較形態学という、この哲学的に独特な、ここで検討されるべき方法の展開である。」
2012.05.21 Monday
朝起きたら曇り空、雨もパラついていたので、今朝見られる金環日食は無理かなと思っていました。せっかく日食メガネを手に入れたのに残念と思っていたら、7時過ぎに職場で幸運にも雲が切れ始めて日食が見えるではありませんか。日食メガネは自宅に置いてきたので、家内がそれを使って見ていたようです。職場では観測用の望遠鏡も取り出して、多くの人が天体観測をやっていました。7時30分頃に太陽は美しいリングになり、うっすら雲がかかっている時には肉眼でも観察ができました。雲の間から太陽が顔を出すと肉眼は危険で、観測用望遠鏡なり日食メガネで対応していました。一生1回の天体ショー。幸運な機会が訪れたことに感謝します。
2012.05.20 Sunday
今日は朝から工房にいました。午前中は新作屏風のために陶土を準備していました。と言っても前回の陶彫の使い残しと成形の時に削り取った陶土です。自分は陶土を単身では使いません。2つの陶土を割合を決めて土錬機にかけて混ぜ合わせます。だから余った陶土も貴重なのです。硬くなった陶土を細かく砕いて水を打っておきます。何日かビニールに包んでおけば柔らかくなりますが、それを土錬機にかけて、さらに菊練りをやって再生させるのです。今日は水打ちまでやりました。練るのは来週になります。午後は家内と静岡県三島まで出かけていき、現在、大岡信ことば館で開催中の「宇佐美圭司 制動・大洪水展」を見てきました。宇佐美圭司のめくるめく独特な視座を持った絵画は、東京の京橋にあった南画廊で拝見した以来です。詳しい感想は機会を改めますが、充実した時間を過ごすことが出来ました。家内とドライブしたのも久しぶりでした。環境を変えて新作への意欲を掻き立てていきたい思惑がありましたが、宇佐美ワールドに接し、私も来週から頑張れそうな気がしています。
2012.05.19 Saturday
今日の午前中は7月個展に出す作品の梱包を行い、午後になって来年の新作に向けて歩き出しました。新作は木彫レリーフによる三双屏風で、陶彫部品を埋め込むのは「発掘~混在~」と同じですが、木彫部分がかなり異なっています。昆虫のような生命体をイメージしていて複数の脚を彫りだしていこうと考えています。陶彫部品は甲羅のようなイメージです。現在工房にある木材を集め、足りない木材は近日中に買いに行きます。木材は建築の内部に使う集成材で、無個性で安価なものです。その方が造形には都合がいいのです。木目の美しい銘木は、そのままで価値を持っているので肌理細かな工芸には向いていますが、素材の表面に頼らない彫刻には不向きです。まず、新作の全体計画をぼんやりと頭に描きました。素材を前にしないと、どうにもカタチがまとまらないので、大まかなイメージを掴んでおいて、原寸大のエスキースを描くことにしました。今回も陶彫部品と木彫部分を同時に進める予定です。常に全体を見ながら進める方法は「発掘~混在~」と同じです。ただし今回は砂マチエールは使いません。木材の彫り跡をそのまま残そうと考えていて、木は木のまま見せる方法をとります。実際には明日から作業を始めます。
2012.05.18 Friday
前までいた職場には油絵を描く人や演奏活動をする人がいて、余暇を十分楽しむ雰囲気がありました。この職場にも家具作りをしている人や浅草で和太鼓の演奏をする人、フルートを演奏する人がいて、ホッとした気持ちにさせられます。仕事一辺倒より何か自分なりの表現活動をしている人が職場にいてくれると、昔から二束の草鞋を履く生活を送っている自分は勇気づけられます。仕事は仕事としてしっかりやって、その上で自分なりの世界をもっている、そんな生活が理想ですが、その理想を実現するために四苦八苦することもあります。自分はいつも何かに追われている生活習慣が板についてしまいました。のんびり出来ない症候群かもしれません。スケジュールが一杯なのが安心を得ることなのかもしれません。でも仕事以外の表現活動は生きがいであることには違いありません。創作一辺倒でやれる日が来ることを期待している現在の状態が本当は一番いいのかなぁと思っている今日この頃です。