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  • ワグナー・ナンドール美術館
    先日、栃木県益子へ行った時にワグナー・ナンドール美術館を訪ねました。益子の陶器市会場から歩いて数分の小高い丘の上に美術館はありました。ワグナー・ナンドールというハンガリー人彫刻家を知ったのは、この時が初めてでした。「こんな雨の中をよくいらっしゃいました。今日は誰も来ないかと思いました。」と受付の婦人に招かれて美術館に入ったら、その建築空間に忽ち魅せられてしまいました。丘の段差を利用した美術館には、実際に作家本人が使用していた住居兼アトリエ、茶室、学生寮があり、さらに没後に建てられたギャラリーや野外展示場がありました。ワグナーは現ルーマニアに生まれた人で、ブタペストの美術大学在学中に第二次大戦に赴き重傷を負ったようです。その後のハンガリー動乱によってスウェーデンに亡命を余儀なくされ、そこで知り合った日本人女性と結婚、栃木県益子にやってきた経歴があります。言わば世界情勢に翻弄された人生を歩んだ人で、作品のテーマが世界幾多の宗教思想や哲学に向かったのは十分理解できると思いました。歴史上の偉人たちが集う空間を具象表現した「哲学の庭」は作家の代表作で、美術館にも野外展示されていました。自分は技巧上の完成は認めるものの、意図が説明的すぎて今ひとつ心に入り込むことはありませんでした。表現が具象ではなく具体なので、そこに作家が広い世界観を捉えようとしているにも関わらず、逆に狭義な印象を持ってしまうのは私だけでしょうか。美術館そのものは素晴らしい環境の中で作品を鑑賞するのに相応しい条件を備えていました。
    12‘図録撮影日
    ゴールデンウィークの最終日は個展用の図録撮影日となりました。東京銀座のギャラリーせいほうでの個展も今年で7回目になります。個展は7月ですが、図録を作る関係で個展のほぼ2ヶ月前の5月初旬にカメラマンに撮影をお願いしています。つまり、撮影用に作品を完成させなければならないこの時期が、作品制作のゴールになります。これを7回も続けているので、本来は慣れているはずが、そのつど作品の内容が異なるので、焦りと緊張で撮影日はとても疲れるのです。今日も例外なくヘトヘトでした。朝は工房の野外ステージに全作品を持ち出して撮影をしました。午後天候が不安定と言われていたので、陽射しの眩しい朝を野外撮影にしました。セルフポートレイトも野外に散りばめられた作品の中で撮影しました。その後、工房の室内に作品を移動させて記録用の全体写真や部分写真を撮りました。終わったのが5時をまわっていて、ようやく今年も個展を迎えられる気持ちになりました。梱包はまた次回。スタッフも家内も私も疲れて、これ以上の仕事は出来ませんでした。気心の知れたカメラマンなので、出来上がってくる画像が楽しみです。それを糧にして明日からの仕事を頑張ろうと思います。
    個展作品の点検&美術館へ
    今日は朝から工房へ行って、「発掘~混在~」を三双屏風に仕立て、「発掘~場~」の印貼りを行いました。さらに自宅脇の倉庫から「発掘~住居~」と「発掘~棟~」を工房に運び入れました。これで7月個展に出品する作品は全て出揃いました。最後の点検と確認で心身ともに疲れ果てました。満足はあるものの有頂天になるには遠く、全体を見渡しても今年の個展はこれで全部かぁと思うくらいでした。毎年こんな面持ちで撮影日を迎えていたんだっけと思い起こしながら、力が次第に抜けていくのを感じていました。午後は気分転換に横浜美術館へ家内と出かけました。シュルレアリスムの画家マックス・エルンストの展覧会を見に行きたいと思っていたので、ちょうど今日は好都合でした。感想は後日改めます。夜、再度工房へ出かけました。夜の照明の中で作品群をもう一度見ました。明日、撮影が始まれば作品は自分の手を離れていきます。それと同時に次なる作品のイメージが頭を過ぎります。脈々と続く造形への思索は来年の個展に向けて歩き出そうとしています。
    「混在」「場」の仕上げ作業
    今日は朝から工房に篭って、明後日に控えた図録撮影のために「発掘~混在~」と「発掘~場~」の仕上げを行いました。「場」は油性塗料を使って裏面の塗装を行いました。「場」は陶彫部品3点を組み合わせるので、部品に貼る印を新しく作りました。「混在」の方は既に印を用意してあったので、陶彫部品44点に全て印を貼りました。これは陶彫部品を設置する場所と、その部品に同じ番号をつけた印をそれぞれ貼る作業で、これをしておかないと部品が組み立てられなくなるのです。1番の印のついた設置場所に1番の印のついた部品を合わせることで、迷いなく速やかに多くの部品が組み立てられて集合彫刻になっていきます。明後日の撮影では新しい試みとして、部品のない状態の木彫土台を、完成品と同じように撮影していただこうと思っています。部品がない状態の土台も面白いと感じたからです。夕方にはボルトナットを大量に買ってきました。設置に必要なもので、陶彫部品に予めボルト用の穴が開けてあります。ひとつの部品に2つ及び3つの穴があるので44点の部品には100個以上のボルトナットが必要になります。作品の仕上げ作業には、こうした細々としたモノを用意しておかなければならないのです。点検と確認は明日行います。
    雨降る益子・笠間散策
    栃木県益子の陶器市と茨城県笠間の陶炎祭へ行ってきました。毎年恒例で5月3日を選んでいますが、もう20数年行き続けていて今回初めてどしゃ降りの中の散策になりました。今までも雨に降られたことはありましたが、こんなに激しい雨は経験がありません。とりわけ午前中の益子では、各作家が出展しているテントに横殴りの雨が当たって散策も思うようにできませんでした。そこで今回は趣向を変えて先日ネットで発見した美術館に行くことにしました。陶器市から遠からぬ所にあるワグナー・ナンドール美術館です。実は恥ずかしながらワグナー・ナンドールという彫刻家を自分は知りませんでした。ネットに掲載された作品写真を見て、是非行ってみたいと思ったのです。大雨が幸いしてワグナー・ナンドール美術館を大いに堪能することができました。感想等の詳細は後日書きます。午後は笠間に行き、陶炎祭に毎年出展している親友の佐藤健太・和美夫妻に会いました。作品は相変わらず土の風味を生かしたもので、深みのある美しさが際立っていました。和やかに旧交を温めて帰途につきました。今回は大雨のため夜祭りもなく、夕方5時を回ったら客足も途絶えていました。どうやら陶器の売り上げにもこの天候が響いているらしく、作家の皆さんの残念そうな顔が印象的でした。昨年は震災、今年は大雨、来年こそ千客万来の盛り上がりを願っています。