Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • ゴールデンウィーク制作目標
    明日からゴールデンウィークが始まります。暦通りの休日で中2日は出勤になりますが、それでも連休が続くのは有難い限りです。まず前半の3連休は「発掘~混在~」の仕上げと「発掘~場~」の土台制作、砂マチエール完成までを目標とします。後半4連休のうち来月3日は恒例の益子・笠間に行ってきます。6日に図録撮影がやってくるので、5日までには今年発表する作品は全て完成させなければなりません。毎年のことですが、楽しくもあり苦しくもあるゴールデンウィークです。日ごろの公務から解放されて、創作活動を通して自分自身を見つめる機会でもあります。貴重な彫刻家としての時間を有意義に過ごしたいと考えます。
    リアリズムについて
    今読んでいる「芸術の意味」(ハーバート・リード著 瀧口修造訳 みすず書房)の中にリアリズムに関する論述があります。本書54に「(リアリズム)は哲学史上、名目論に対立ばかりでなく、もっと一般的にはある認識論の呼び名となっている。すなわち外界が客観的に実在するという信念をあらわしているのである。」「芸術批評は哲学的な正確さからもっとはるかに遠ざかっている。」「厳密にリアリスティックとよぶことのできる芸術は、すべての手段をつくして対象の正確な外観を描こうとするものでなければならない。」ところどころ本文を抜き出しましたが、本書がリアリズムの定義とするところだと思います。リアリズムとは何かと問われると自分ならどう答えるだろうと考えると、リアリズムを定義する難解さを思わないではいられません。その後に続く本書55以降に具体的な芸術家名を挙げて説明がされていますが、この機会にリアリズムについて考えを深めたいと思います。
    対比する造形原理
    現在読んでいる「芸術の意味」(ハーバート・リード著 瀧口修造訳 みすず書房)より気になった箇所を取り上げてみようと思います。まず本書32で論じられている有機的な芸術と幾何学的な芸術です。この相対立する類型は対照的な環境によって決定されるとしています。人々は北方や熱帯という厳しい環境では自然から逃避する形式をとり、自然に似ない幾何学的な芸術を求め、逆に温和な海岸や豊穣な土地で暮らす人々は、自然への共感をもって有機的な形式をとるとしています。本書33ではそうした2つの原理が文明の広がりにより混ざりあい、また時代によってどちらかが勝利を得たりして、形式の興亡が繰り返されていることを指摘しています。それは東洋も含めた世界的な視野の中で、さまざまな地域に共通する2つの原理が存在し、それらが融和し、また妥協があるとも述べられています。その観点で言えば現代にも通じるものがあると思えます。自分の創作行為が生まれ育った風土だけではなく、外的な知識や鑑賞によって培われていることを思えば、原始から至る芸術史をもう一度考えておく必要があると思いました。
    造形美術のバイブル
    「芸術の意味」(ハーバート・リード著 瀧口修造訳 みすず書房)を通勤電車の中で読み耽っています。時代の局面やひとりの芸術家を取り上げたものではなく、古代から現代に至る造形美術を網羅した本書は、自分が20代の頃感じた芸術のバイブルというイメージがあながち間違っていなかったと思っています。今回の再読もいい機会と捉えています。当時理解するには難しかったことが、今では論理全般にわたって分かりやすく感じます。これは自分が30年以上も彫刻に関わり続けた証かもしれません。世界各地の造形美術を、時代やさまざまな観点で論じた本書を携えて、実際に自分の眼で確かめてみたい欲求に駆られますが、それをするには人生が短すぎると感じます。芸術作品の鑑賞には、素朴な感受性の他に知識を学んで初めて感受できるものがあると思います。美術教育の中に鑑賞の分野が取り入れられているのは、そうした知識理解を必要としているからです。「芸術の意味」を読んで、改めて芸術の多面性に触れ、土地が培った文化の豊穣さを知ることができます。また数十年もしたら本書を再々読する機会が訪れるでしょうか。その時まで生き長らえて、多少でも自分が追い求める彫刻に近づいていることが理想です。
    筋肉疲労の残る週初め
    今朝は筋肉痛が残って通勤に辛さを感じました。これは公務関係の疲労ではありません。新しい職場は次第に慣れてきているので、4月当初のストレスはだいぶ軽減してきました。この筋肉痛は、昨日やっていた作品に油性塗料を塗る作業によるものです。中腰になったり、しゃがんだ時に身体に負担をかけた結果です。自分は無我夢中なので、そんなことに構うことなく、朝から精を出していたのでした。彫刻は肉体労働です。木や石を彫る作業、土を練る作業、金属を切断したり磨く作業は、まさに体力との勝負です。昨日は造形された6つのボックスを塗装する単純作業だったのですが、身体の負担は創造的な行為だろうが単純作業だろうが変わるものではありません。公務に影響しないよう心がけて週末を過ごしたいと思っています。