Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • イメージする力
    造形による創作活動をやっているおかげか何事にもイメージする力が身についていると感じています。それは今日一日をどんなふうに過ごすとか、今抱えている仕事はどう片付けるのかとか、ほんの少しばかり先にある目的を達成するための方策であるとか、細々としたことに対してイメージを掴んで対処するというものです。たまに夜出かけるスポーツクラブでやっている水泳も同じです。泳法に対するイメージ、身体に対するイメージ、そんなことを思い描きながら泳いでいます。それもこれも日々習慣化した余裕が成せるワザかもしれません。公務、創作、水泳などにずっと関わってきたからこそ、今度はこんなふうにやってみようと試せるのでしょう。         Yutaka Aihara.com 
    秋分の日にも…
    久しぶりの晴天で、ようやく秋らしくなった清々しい一日でした。今日は秋分の日で休日でしたが、相変わらず木彫の作業に明け暮れています。作業場の窓から入り込む日差しを美しく感じながら鑿を振るっていました。どこかに出かけたい気持ちを抑えて黙々とやっています。彫刻は肉体を伴う労働とも言うべき仕事があって、これはこれで気持ちがいいものです。とくに木は彫り跡が美しく、香りもよくて申し分ありません。以前ブログに書いた記憶がありますが、森林の中にいるような気分になります。ひとりのペースなので、適度に休憩を入れる予定で作業をしていますが、気候がよくなると休憩も忘れて、ひたすら彫り続けてしまいます。途中鑿を研ぐ時が休憩タイムです。鑿を研ぐ時は精神統一が図れる時でもあります。こんな風に作業をしている時が一番幸せな時かもしれません。                Yutaka Aihara.com 
    個展の評檀より
    ビジョン企画が出版している新報に今年の夏にやっていた展覧会の評論が掲載されていました。フェルメール展を初めとする特別企画展から東京各地の個展までの寸評があって、自分の個展は彫刻部門の中ごろにありました。「焼き締めの陶彫により、古い遺跡の発掘出土品みたいに作る。その詐術性が即面白さでもある。」と書かれていました。なるほど。出土品を詐術によって造形する面白さ…とは、本当に面白いことを感じ取る人がいるもんだなあと思いました。好意的と受け取っていいのではないかと思っています。群馬県高崎市のNTT東日本から出品依頼を受けている「古代の造形 現代の造形」展も同じような意図があるのかもしれません。自分の作品と古代人が作った造形物が時空を超えて出会うのはきっと楽しい瞬間だろうと想像できます。もう一度、古代住居跡の写真集でも眺めて、さらに次なるイメージを膨らまそうと思っています。
    週末の凝縮した時間
    この週末も制作三昧で凝縮した時間を過ごしました。瞬く間に過ぎていく時間に追われるように杉の柱に鑿を振るい、雛型の小さな柱に小刀を振るい、RECORDの今日の分を仕上げています。ゆっくりお茶を飲む暇もありません。充実していると言えば、その通りですが、創作への意欲が他のことを考える気持ちや身体の疲労に打ち勝っているのかもしれません。考えてみれば10年位前からずっとそうしてやってきた訳ですが、さらにその前は自分の作品の方向が定まらず、今の充実とはほど遠い生活を送っていました。何かのきっかけで自分が見つかり、何かわからないけど確かに存在する目標に向って走り出した感じです。これはいつまで続くのか見当もつきませんが、生きている実感がもてる唯一の時間を過ごしていることは間違いありません。
    眼で散歩する楽しみ
    「発掘〜遺構〜」を今夏ギャラリーせいほうで発表した時、見に来てくださった人から、自分が小さくなってこの陶彫による都市空間を散歩してみたいという感想をいただきました。昨日のブログに書いたパノラマとしての広がりをもつ集合彫刻は、そうした視点からみると、どんな風景が目前に広がるのかという楽しみを鑑賞者に与えることができると思っています。SF映画のセットのようだとか、小型カメラで移動しながら彫刻を楽しみたいとか、そんな一般的な彫刻作品とは違う鑑賞方法を人から言われると、実は自分も楽しくなってしまいます。自分はジオラマを作っているわけではなく、アートとしての立体作品を作っているのですが、人が楽しいと感じる要素が自分の作品に盛り込まれていることを鑑賞者から気づかされました。パノラマとしての集合彫刻はまだまだ展開できそうです。眼で散歩できる楽しみが自分の制作の支えになっています。                    Yutaka Aihara.com