2011.02.12 Saturday
横浜市民ギャラリーのグループ展に行ってきました。自分の後輩たちが出品しているのです。今日が最終日ということで彼らに会うのが楽しみでした。ひとりは木彫をやっている作家で、昨年二科展に出品していました。厚みのある合板を彫り込むことで木目に似た模様が現れ、それを効果的に使った巨大な作品です。今年はその発展が楽しみです。もうひとりは油彩で欧州の風景を情緒豊かに表した具象作家です。去年太陽美術展に出品していました。F80号で、パリとプラハの街を描いていました。真面目な姿勢が出ていて好感が持てました。二人とも自分と同じ二束の草鞋を履いて頑張っている作家たちで、自分が応援している若手です。彼らに元気をもらって、自分も制作に精を出したいところです。この連休は工房があまりにも寒くて、目標どおりに制作が捗っていないのです。雪も止んで明日は天気が回復しそうです。明日も制作続行です。
2011.02.11 Friday
横浜にも雪が降りました。積もるほど雪が降ったのは今季初めてです。工房の寒さもピークで、陶土を扱っていると手が凍えそうでした。朝からタタラ作りや成形や加飾といった制作工程を続けていましたが、寒さのために午後3時で中断。工房が建っている植木畑は見る見る雪景色に変わっていきました。梅の花に雪が積もって風情を感じさせますが、それよりもストーブの傍に齧りついている時間が長く、仕事にならないと判断して自宅に引きあげました。自宅ではRECORDに手を入れました。工房にいられなくても造形への思索はできます。この三連休は手業だけでなく、造形に対する思いも深めたいと考えていたのです。自分にとって一番の贅沢は、自分のために使える時間が3日間もあることです。RECORDを媒体にして自分の造形思考を培いたいと思います。
2011.02.10 Thursday
貴重な制作時間が確保できる三連休です。楽しみではありますが、きっとあっという間に過ぎてしまうでしょう。それでも制作に明け暮れて心が満ち足りる休日にしたいものです。昨年は知り合いが出品していた美大卒業制作選抜展や管理職仲間が出品していた書道展に出かけました。いい刺激を貰ってきました。今年も現在職場にいる初任の人がグループ展に油絵を出品しているので見てきます。三連休の制作目標は、加飾の細かい三角錐3点の仕上げです。これはまだほとんど出来上がっていない状態で、1点は加飾、1点はタタラ、さらにもう1点は何も出来ていないのです。あれもこれも出来ないので、とりあえず三連休は三角錐3点を何とかするまで頑張ろうと思います。
2011.02.09 Wednesday
壁体彫刻という名称は自分にとって大変魅力的です。彫刻家を志した時は、当然平面より立体表現が好きで、立体構造の何たるかを会得したいと願って、自分は20歳代初めに粘土を手に取ったのでした。その時から立体としてモノを捉える訓練を積んできましたが、今ここにきて壁体彫刻という限りなく平面に近づいた彫刻に心が動きます。それは彫刻家辻晋堂の陶彫による作品が、時とともにしだいに平たくなり、衝立のように立ち上がって壁状になっていくのを見るにつけ、ますます彫刻が実材を生かし存在を纏うのは何故だろうと思っているからです。立体を極めると、なにか別の次元から誘われて、立体を否定しながら実際のところ立体としての存在感を高めていくのではなかろうかと考えたりもします。穴の空いた壁体彫刻は古代人の住居のようであり、悠久な時を刻んだ造形のように思えてきます。これは本当に人が作ったものだろうか、風化が齎した自然の形象ではなかろうかという錯覚に陥ります。壁には不思議な心理が働くのかもしれません。
2011.02.08 Tuesday
今年99歳の彫刻家。70年以上にわたって彫刻一本でやってきた人に羨望を覚えるのは私だけではないと思います。自分だって可能性無きにしもあらず、と自分を奮い立たせたい心境です。彫刻家佐藤忠良は、彫刻を始めたばかりの自分には雲の上の人でした。大学で人体塑造をやりながら、上野の美術館で開催していた「新制作展」に足を運び、佐藤忠良、舟越保武らの具象彫刻家に憧れを抱いていました。自分自身は具象から離れていくのではないかと思いつつ、当時の自分の手本がそこにあると思っていたのでした。ロダンやブールデル、マイヨールの西欧の巨匠とは資質が異なり、本当の意味で日本的な具象彫刻のあるべき方向を示唆していたように思えました。明治の彫刻家荻原守衛はロダン的な動勢や情緒を会得して、日本の彫刻界に新風を吹き込み、そして現代は佐藤彫刻のような繊細で芯の通った造形が自分の心を捉えているのです。見習うべきは造形にたいする姿勢もあります。ずっとブレないで一つの道を歩いてきた凄み。自分もかく在りたいと願った個展でした。