Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • 映画「侍タイムスリッパー」雑感
    昨日、陶彫作品の窯入れをしました。今日は工房での作業が出来なくなったことを言い訳にして、家内と映画に行ってきました。観てきたのは「侍タイムスリッパー」。ネットで評判を知って観に行ったのですが、平日にも関わらず混んでいました。観客は高齢者が多い印象を受けましたが、平日で映画館に来られるのは私も含めた高齢者なのだろうと思います。本作は低予算にも関わらず時代劇への愛に溢れた秀作に仕上がっていました。低予算と言えば上田慎一郎監督の「カメラを止めるな!」の記憶が甦り、その面白さを彷彿とさせるものがありましたが、こちらは時代劇で演技の達者な役者を揃えていて、丁々発止の殺陣もあり、発想のユニークさもさることながら本格的な時代劇になっていました。折しも海外で「SHOGUN 将軍」がエミー賞を受賞したこともあり、侍が登場する物語は、現代風の多様な発想のもとで今後ますます新たに作られていくのではないかと期待しています。本作も幕末の京都で落雷に打たれて、現代にタイムスリップした会津藩士が、時代劇撮影場所に降臨し、周囲の人々とちぐはぐなやり取りをしながら、それを徐々に理解し、時代劇の斬られ役として活躍する物語でした。彼は役者ではなく本物の武士なのですが、そんなことは現代人にはわかるはずもなく、演技とは言えない真摯な立ち振る舞いに周囲を驚かすことも多々ありました。時代劇のストーリーが定番化し、斜陽産業になっていく時代の流れを、安田淳一監督は何とかしたいと思っているらしく、侍の美学が垣間見える脚本に私も監督の並々ならぬ意欲を感じました。私がやっている彫刻表現も同じで、映画監督が映像表現を通して自らの美学や主張を盛り込んで映画を作っているわけで、そこにビジネスとは違った創作的視点があるのではないかと私は考えます。「侍タイムスリッパー」のように発想を転換すれば、まだまだ面白い時代劇が作れそうだと思ったのは私だけではないはずです。
    涼しさを期待する10月に…
    今日から10月になりました。もう酷暑はないと考えてもよいのでしょうか。涼しさを期待する今月ですが、そろそろ新作に本腰を入れていきたいのです。現在の新作の制作状況は、陶彫部品は10数点が乾燥を待っていて、涼しくなれば窯入れも徐々に始めていきたいと思っています。私は今までは11月を待ち、ある程度寒くなってから窯入れをしてきました。というのは窯周辺が熱くなるため、焼成は冬にやるものという固定概念があったのですが、ここ2、3年は季節に関係なく窯を稼働してきました。今月も幾度となく窯入れを行なっていくでしょう。同時に工房の一角に立てかけてある古木と陶彫作品の組合せを考えていかねばならず、今月中には最初の繋ぎをやっていこうと思っています。古木にも最低限の鑿を入れて表面を整える必要があります。今月の制作目標としては古木と陶彫作品の繋ぎをどうするかにあります。ここは新作の重要な鍵になるので、じっくり考えていきます。常に当初のイメージを頭に入れながら、空間にモノをどう配置していくか、また空間に与える刺激としての空気感をどう演出するか、実は最初のアプローチとしては一番面白いところでもあるのです。新作は平面作品も作るので、平面的な空間の扱いも気にしています。頭にあるのは素材の風味を生かしたコラージュです。床に置かれた古木と連携した陶彫作品、壁に掛けられたコラージュがそれぞれ呼応するようにひとつの世界観を浮かび上がらせれば、私の当初のイメージとしては満足できるのかなぁと考えています。今月は従来からやっている小さな平面作品RECORDにも力を入れていく予定です。特別枠の2022年版があったために、従来のRECORDが遅れています。秋の夜長に読書とともにRECORD制作でも頑張りたいと思っています。鑑賞にも積極的に取り組みます。芸術の秋を精一杯味わい尽くそうと思っています。
    残暑厳しかった9月が…
    残暑厳しかった9月が今日で終わります。先週から涼しくなりましたが、その気温差によって体調を崩しました。咳が止まらなかったのは久しぶりで、私は教職に就いていた頃に、年度末の3月になると決まって咳が止まらなくなるのを思い出しました。その頃は多忙の負担が一気に出たのかも知れず、今回は酷暑の中で制作の手を動かし続けたツケがまわってきたのかもしれません。先週は身体を労わって陶彫制作は午前中だけにしていましたが、ここ数日は従来通り朝9時から午後3時くらいまでやっていました。涼しくなるのは創作活動には本当に最適で、芸術の秋と言われる所以がよく分かりました。新作は徐々に陶彫部品が増えてきて、弾みがついてきました。まだ身体は本調子には戻りませんが、このまま残暑から秋に移行していけば、新作のイメージが次第に具体化していくのではないかと思います。今月は久しぶりにホームページにあるRECORDを更新しました。2022年版のRECORDは特別な枠で作っていたので、これで肩の荷が下りました。今月は30日間ありましたが、そのうち28日間は工房に通っていました。体調が悪くても、ともかく工房には通うというのが私の生活習慣になっていて、作業を始めると体調のことは一旦忘れることが出来ました。今月の鑑賞は美術館のみで、映画館や劇場には行けませんでした。後輩の彫刻家が出品していた「二科展」、同じ美術館で開催していた「田名網敬一展」(国立新美術館)、「舟越桂 森へ行く日」展(彫刻の森美術館)、「ラリック×ダンス」展(箱根ラリック美術館)に行ってきました。工房に行かなかったのは東京六本木と箱根に行った2日間だけで、美術鑑賞としては充実していたように思います。読書はとつおいつ読んでいて、なかなか思ったように進みませんが、抽象芸術に関する古書を時間をかけて読んでいます。来月は秋が深まることを願っています。
    週末 22’RECORDについて
    日曜日になりました。日曜日は創作活動に纏わることについて述べさせていただいています。一日1点ポストカード大の平面作品を作っているRECORDは、毎日これに取り組んでいる私にとっては重要な表現形式ですが、2022年のRECRDに関しては一日1点制作のルールを途中で止めました。2022年に作り始めた陶彫作品が、RECORDと同じように日付を刻印した作品で、小さな平面作品とは違い、陶彫には土練り、タタラ作り、成形、彫り込み加飾、乾燥、仕上げ、化粧掛け、焼成という制作工程があり、到底一日1点の制作が間に合わず、これを1年間分やっていくとなると、どう見積っても2年がかりになってしまうことが分かりました。その陶彫立方体1年間分が完成し、今年の個展で発表したのでしたが、当初の予定ではRECORDを陶彫立方体のアイデアとして扱っていこうとしていました。結果的にはそうなっているのですが、作っている最中に私は平面表現と立体表現の違いに気づき、その難しさを痛感したのでした。平面作品のデザインは自由自在ですが、立体作品はそこに重力があって、しかも陶彫ならではの素材の理解が伴うので、平面作品のデザインのようにはならないのです。そこでRECORDを不自由な立体に近づけて、陶彫制作に歩調を合わせながら双方を同時期に制作する方法を採ったのでした。そのためRECORDは描き直しもありました。そこで2022年版のRECORDは通常通りのRECORDとは切り離し、特別な枠として制作をしていました。これでRECORDは陶彫作品の設計図にならないことを私は認識しましたが、イメージの蓄積にはなると考えています。こんな世界を創りたいとイメージが浮かんだ場合は、まずRECORDにしてみます。それは実際の設計図ではないにしても、雰囲気を捉えることは可能です。陶彫制作には時間がかかるので、自分なりのメモとしては最適ではないかと思っているのです。
    週末 体調を崩した1週間
    週末になりました。今週を振り返ってみたいと思います。今週は残暑が一段落し、凌ぎ易い気温になってきました。そのせいかもしれませんが、火曜日あたりから体調が芳しくなく、工房の作業を午前中で切り上げて、自宅に戻って休んでいました。体温を測ったら微熱があり、咳が出るようになりました。翌日も午前中は工房で作業をして、昼以降は自宅で休んでいました。火曜日と同じように微熱が続き、咳が出ていました。今年は6月あたりから身体に応えるような暑さが3ヶ月以上も続き、それでも工房に行って毎日制作に追われていました。しかも7月個展開催前後は、自分自身のことなどどこかに吹っ飛んでしまっていたので、このツケはきっとやってくるなと思っていたところ、ついにやってきた感じがしています。金曜日には体調は戻りましたが、工房には午前中だけ休まず通いました。家内も同じような状況があって、和装で胡弓を持って、この季節に野外で町流しをするのはきっと辛かったのだろうと察しました。自宅で寝たり起きたりしている時間があったのが幸いしたこともありました。2022年のRECORDのホームページへのアップが何とか完成したのです。RECORDは一日1点制作を決めているのですが、2022年だけは特別な事情があって、別枠として考えていました。その事情については稿を改めますが、RECORDには月毎にコトバを添えています。このコトバを考える時間が体調を崩したおかげで与えられたようです。今年の個展で発表して、幸い好評をいただいたRECORDですので、早めにホームページにアップしたいと考えていました。微熱のある中で捻りだしたコトバは満足のいくものではないのですが、何とか出来たかなぁと思った次第です。