Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • 木彫の面白みを引き出すために…
    「発掘~群塔~」は、うねる大地に点在する数々の塔を表現しようと意図したもので、大地の部分は木彫彩色で表そうと考えています。緩やかな曲面を彫り跡を残して浮き彫りし、ひとつは屏風に、ひとつは床置きにする予定です。木彫は作業を始めると次第に面白くなってくる技法で、木の持つ美しさに惹かれてしまいます。ただし、陶彫のモデリングとは大きく技法が異なるため、気持ちを切り替えて臨む必要があります。木彫の意識を持つために橫浜そごう美術館で開催されている「円空・木喰展」に先日行ってきたのでした。円空や木喰の粗彫りされた仏像を見ていると、木彫に対する意欲が湧いてきます。彫り跡が何とも美しく眼で撫でるように鑑賞してきました。削ぎ落としていく美学がそこに在りました。また陶土による塑造は膨らませていく美学が在ります。自分の作品は陶彫(モデリング)と木彫(カービング)を併用する場合が多いので、双方の技法から求めるカタチを探り出し、統一感をもってひとつの作品にまとめ上げるのです。円空仏や木喰仏を木彫の面白みを引き出すツールにして、来週からの彫る作業に弾みとつけたいと思います。
    週末 「群塔」陶彫部品の完成
    「発掘~群塔~」の陶彫部品が全て完成し、乾燥を待つところまで制作工程を進めました。乾燥が進んだ陶彫部品から仕上げと化粧がけを行い、窯に入れていきます。今週後半に窯入れを予定しています。今週前半は毎晩工房に通って、「発掘~丘陵~」の小さな陶彫部品に彫り込み加飾を施します。「発掘~丘陵~」の陶彫部品は残り17個。「発掘~群塔~」も「発掘~丘陵~」も陶彫に関しては、やっとゴールが見えてきました。来週から木彫を始めます。今日は春冷えのする一日でした。工房は亡父の残した植木畑にあるため木々の様子で季節を感じることが出来ます。梅の花が満開で、工房の窓は梅の花に彩られていますが、梅を愛でる余裕もなく、気温はまだ低く寒々とした空気の中で、陶彫制作に精を出していました。まだまだストーブが離せません。このところウィークディの夜にも工房で陶彫制作をやっているせいか、手が荒れてガサガサになっています。皹割れ防止の薬をつけながら、漸く陶彫から多少離れられることになってホッとしています。でも木彫も手や腕を酷使するので、別の意味で体力を使う工程が待っています。気持ちを持ち直して頑張ろうと思います。
    週末でなければ出来ない仕事
    先月からずっとウィークディの夜に工房に来て、「発掘~丘陵~」の彫り込み加飾をやっています。一日1点ずつ小さな円筒に様々な彫り込みを入れています。彫り込み加飾が終わった作品は23点なりました。残り17点です。何とか今月中に終えたいと思っています。週末は週末でなければ出来ない仕事に取り掛かっています。「発掘~群塔~」に接合する大きな陶彫部品の成形や彫り込み加飾で、これも今週末には終えたいと思っています。その後の乾燥と仕上げ・化粧がけや焼成を考えると、そろそろ彫り込み加飾を終えて、乾燥させるため放置する時間を取らなければならないのです。同時にこれから始める木彫のことも頭に入れて、木材の補充購入をしてきました。今日は生憎の小雨でしたが、朝から木材店に出かけました。これで木彫の準備が整いました。鑿は久しく使っていないので研いでおかないと使いものになりません。木彫は来週から始めようと思います。今日は「発掘~群塔~」の最後の成形を行いました。明日はそれぞれ大きな陶彫部品に彫り込み加飾やら、家内が仕上げてくれた陶彫部品に化粧がけを行いたいと考えています。一日の仕事としては多分これが精一杯でしょう。明日も頑張ります。
    3月RECORDは「殻」
    「殻」と聞くとマイナス思考が付き纏います。殻に閉じこもることで、外界との交流を遮断するイメージがあるからです。3月は仕事の役割上、自分が代表として大勢の人の前に立つことが多く、腰を据えなければ主張を発信することが出来ない場面があります。管理職としての資質や手腕が試される1ヶ月と言っても過言ではありません。その分、自分自身に返った時は静かに内面を見つめ、創作活動に没頭したいと考えています。殻に閉じこもって英気を養う期間でありたいと願っています。一人で夜の工房にいると、殻に籠もる楽しさや自由さを感じずにはいられません。昼間は組織人間として生きている中で、夜の闇という殻は自分に安らぎを与えてくれる空間なのです。人目のない空間で、創作を前にして心を砕いて作り上げたモノで、時に天国に上り詰めたり、地獄に陥れられたり、心の中で一人芝居を演じている自分がいます。そんな日常をテーマに今月はRECORDを作っていきます。
    「罪と罰」第四部・第五部のまとめ
    通勤時間帯に読んでいる「罪と罰」(ドストエフスキー著 工藤清一郎訳 新潮社)下巻も半ばを過ぎ、いよいよ物語が終盤を迎えるところまできました。悪名高い高利貸しの老婆とそこに居合わせた妹を殺害した元大学生のラスコーリニコフ。罪の意識と幻覚に悩む彼を取り巻く人々の動きが克明に描かれて、それら人々の関係性を構築しながら物語は展開していきます。成金のルーチンはラスコーリニコフの妹の婚約者として登場しますが、胡散臭い人物で、ラスコーリニコフに素性を見破られてしまいます。退職官吏マルメラードフは飲み屋でラスコーリニコフと親しくなり、悲惨な家族の話を聞き、その娘のソーニャが娼婦に成り下がっていることを知ります。その後、マルメラードフは馬車に轢かれて死んでしまいます。予審判事ポルフィーリイがラスコーリニコフに事件の探りを入れる場面があって、これからの展開を予感させます。さて、そこで第四部ですが、ルーチンとラスコーリニコフの妹が破談になり、ラスコーリニコフがルーチンの恨みを買う場面があります。ラスコーリニコフはソーニャに魂の救済を求め、聖書の朗読を頼み、一度は自首を考え、ポルフィーリイの元へ出かけますが、別の犯人が自首してきて事件が困窮するところで第四部は終わります。第五部はマルメラードフの葬式の場面です。同じアパートに逗留していたルーチンの策略でソーニャが金銭泥棒に陥れられそうになるところをラスコーリニコフに救われます。ラスコーリニコフは悲惨な境遇でも気丈に振る舞うソーニャに、自ら殺人の罪を告白し、ソーニャとの深い魂の関係が描かれたところで第五部は終わります。いよいよ最終の第六部を迎えることになりました。