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  • 「ジョセフ コーネル」を読み始める
    20世紀アメリカが生んだ異色の造形作家ジョセフ・コーネル。20世紀のピカソを初めとする革新的な芸術家達の生涯を賭けた華々しい活躍に比べると、内向的で地味なコーネルは、自分にとって現代美術史に隠れた謎に満ちた存在でした。コーネルの独特な作品を知ったのは、故瀧口修造による評論が契機になり、コーネルの箱に封じ込まれた小宇宙を一度この目で見てみたいと思っていたのでした。3年前、千葉にあるDIC川村記念美術館でコーネルの展覧会があって、ようやく実物と対面できました。これを見るために千葉までやってきた甲斐があったと思いました。まさに私的内面の吐露を詩魂をもって表わしていると言うべきか、アッサンブラージュの取り合わせの意味を改めて考えさせられました。そうしたコーネルに関する伝記が書店にあったので、早速購入して読み始めることにしました。「ジョセフ・コーネル 箱の中のユートピア」(デボラ・ソロモン著 林寿美・太田泰人・近藤学訳 白水社)を通勤時間帯にコツコツ読んでいこうと思います。波乱に富んだ人生ではなく、引篭もった一人だけの空間で、心の中にドラマを秘めた男の生涯が自分にはイメージされていますが、果たしてどうなのか、本書の中で描かれるコーネルの伝記を楽しんでみようと思います。
    4月 新年度開始の日
    4月になりました。職場は新年度を迎えました。4月は出会いと別れの季節です。自分も今の職場に昨年4月に赴任してきました。月日が経つのは早いもので、あれからもう1年が過ぎたとは考えられません。2年目の職場ともなれば、すっかり慣れているので気持ちの負担は軽く、僅かながら余裕もあります。創作活動の方は逆に余裕がありません。昨日も突然思い立って千葉の美術館に出かけてしまったので、今月の作業は時間的に一層厳しいものになります。目標としては「発掘~地殻~」の木彫の仕上げ彫りの完成、油絵の具による塗装、そして屏風に仕立てるため厚板に木彫を接着する作業もあります。ただ、「発掘~連築~」や陶紋シリーズが既に完成しているので、そこが救いと言えます。職場では毎年この時期に限って書類作成に忙殺されてしまいますが、制作の方も前述した通りの有様で、今月は二足の草鞋双方が山場を迎える1ヶ月になりそうです。
    週末 制作と鑑賞の狭間で…
    自分の制作には思索あり、他の作品の鑑賞もまた思索あり、で制作時間に追われているのは重々承知の上で、今日の午後は美術館に出かけてしまいました。午前中は午後の時間を空けるため、木彫の作業に集中力をもって取り組みました。そうまでして行きたかった美術館は、横浜から遠い千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館です。現在開催中の「BLACKS展」のルイーズ・ニーヴェルスンの彫刻を見たかったのです。ルイーズ・ニーヴェルスンの黒く彩色した箱形の立体は、かなり前から注目していたにも関わらず、まとまった展示が見られませんでした。所蔵されている日本の美術館も少ないため、今回の機会を逃すとルイーズ・ニーヴェルスンの世界を体感するのが難しいと思えたからでした。このところ金曜日の夜に東京の美術館に出かけていますが、千葉まで足を伸ばすのはウィークディは無理と思い、そこで今日しかないかなぁと考えました。厳しいスケジュールの中でわざわざ千葉まで車を飛ばす意義はあるかと、午前のうちは木を彫りながら自問していましたが、やはり行って良かったと思いました。彫刻は実物を皮膚感覚で味わう必要があること、それにより自分の制作に繋がる思索を深められたことが大きな収穫でした。「BLACKS展」やルイーズ・ニーヴェルスンの立体作品については後日改めて書きたいと思いますが、今日はDIC川村記念美術館の庭園にある桜や木瓜、木蓮の花が一斉に咲き乱れ、一緒に来た家内も大喜びでした。年度末最終日に自然からの煌びやかな贈り物を頂いた気がしました。
    週末 撮影までの工程
    3月最後の週末になりました。先日カメラマンから連絡があって、今年の図録の撮影日を5月6日(月)にしました。ゴールデンウィーク最終日です。撮影日が決まったことで完成のゴールが見えてきました。それまでに何回週末があって、その限られた時間の中でどう仕上げていくのかを今日は検討しました。やり直しは原則的には出来ませんが、妥協をしたくない思いもあり、万一やり直しと言う事態になったらどうしょうか考えました。木彫が終われば油彩による塗装があります。塗装は木彫とは違い騒音が出ないので夜間制作が可能です。来月は塗装まで到達することを目標にしたいと思います。油彩は何回か重ね塗りをして、絵の具を霧状に撒き散らせることも予定しています。次は絵画的な作業が待っています。木彫の彫り跡を残しているので、今回は砂マチエールの使用はありません。仕上げ彫りが終わったら塗装開始です。いずれにせよ昨年より遅れ気味の制作工程になっています。今日も夢中で木彫に取り組みました。
    勤務終了して美術館へ その2
    先週の金曜日に勤務を終えてから東京上野の美術館へ行ったことをNOTE(ブログ)に書いています。今日はその第2弾で、夜間開館している美術館に家内と行ってきました。行ったのは東京竹橋にある国立近代美術館です。同館で開催している「フランシス・ベーコン展」を見てきました。今まで自分はベーコンのまとまった作品を見たことがないので是非行ってみたいと思っていたのでした。竹橋に着くと皇居の堀を巡る大通りの桜が満開でした。夕暮れ迫る薄明の都会に、かくも真白き花々の饗宴。いい気分になって美術館に向かいました。「フランシス・ベーコン展」は適度に混んでいて、20世紀絵画に革新を齎した画家の作品を鑑賞するのには最高の環境でした。感想は機会を改めますが、美術館を出た後もベーコン絵画の余韻に浸りました。外はすっかり日が暮れて、ライトアップされた夜桜に都会の喧騒を忘れる思いでした。仕事帰りに立ち寄る美術展鑑賞を2週続いてやりましたが、これは間違いなく充実した一日になります。また機会があれば続けたいと思っております。