Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • RECORDとコトバ
    RECORDは日々のイメージの記録として、一日1点制作を自分に課している小さな平面作品です。月ごとにテーマを決めて5日間でイメージが展開するパターンが現在定着しています。ホームページにアップする際に月ごとのコトバも添えていて、月のテーマをコトバのタイトルにしています。平面作品とコトバの関連性はテーマだけで、造形表現と文章表現は別々の世界です。テーマが年によって語彙や形容詞の場合がありますが、これからホームページにアップをしようとしている2011年は、月ごとのタイトルがありません。2011年は抽象表現を徹底した1年間でした。そのためテーマとなるコトバを平面表現から選び出すことにしました。差し詰め1月は「滲」で滲ませる技法が多く見られるところから選びました。2月は「掠」で掠れを多用していました。3月は「縞」で縞模様が主流、4月は「彩」で色彩感のある表現が主流になっています。このようにして平面作品から受ける印象を元に後からテーマを探っていく方法を考えました。そこで次にコトバですが…詩作に対する憧れだけでは生まれてきてくれないのがコトバだと自分は感じます。
    J・コーネルに魅せられて…
    小さな箱の中で独自の造形世界を作ったジョセフ・コーネル。アメリカ人のシュルレアリストとして認識していた自分はコーネルの伝記を読んでいて、コーネル自身がシュルレアリストとして自分を意識づけたことは一度もないことを知りました。「ジョセフ・コーネル 箱の中のユートピア」(デボラ・ソロモン著 林寿美・太田泰人・近藤学訳 白水社)を通勤電車の中で読んでいて、それまで巨匠と呼ばれた芸術家の伝記とはまるで異なるコーネルの生涯に、自分は徐々に魅せられています。ウィークディは布地工房で働きながら夜になって自宅の台所で箱を制作するコーネル。気難しい母親と身体障害者の弟を気遣いながら、コーネルは日々給与のために働き、自分の部屋さえ持てない慎ましい生活を送っています。美術教育は受けておらず、収集癖があり、そうしたコレクションによって創作活動を支えていたコーネルは、生来備わっていた詩魂によって、現存する優れた作品を作っていくのです。まだ伝記は前半部分ですが、二足の草鞋生活だけは自分と同じで、台所で疲労のため呆然とするコーネルに共感を覚えます。自分以上に過酷な生活条件の中で、過去の記憶を箱に封じ込めたコーネル・ワールドの虜になりそうです。 
    脱力と覚醒
    夜、帰宅すると身体全体がだるくて何もする気が起きない日があります。眠くて仕方がないのは三寒四温の季節のせいなのか定かではありませんが、家内も同じようにだるいと言っているので妙な病気ではなさそうです。夕食を済ませた後、自分にはRECORD制作やNOTE(ブログ)更新があって、今晩は何も出来そうにないと思っている中で、止むに止まれずRECORDを描き始めると、不思議なことにだるさは無くなっていきます。身体に脱力感が出るのは疲労が表に出るのであって、身体が休まっている証拠と人から言われたことがあります。その後に元気を回復するので成程その通りと思っていますが、制作で脱力感が忽ち消え、身体が覚醒するのは疲れを溜め込んでいる状態なのかもしれません。精神は解放されますが、身体には多少の緊張を強いることになるのです。脱力と覚醒をうまく使い分けて、身体も精神もいい状態に保持できるのが人生の達人と言えそうです。自分もそうありたいと願うばかりです。
    展示をするための仕事
    今年発表する「発掘~地殻~」は6点の屏風から成る半立体作品です。部品を組んだ陶彫集合体と集積材を使った木彫を合わせてひとつの表現にしています。屏風なので、陶彫部品はそれぞれボルトナットで垂直な厚板面に取り付け、木彫は接着材で貼り付けます。そのため厚板に陶彫部品の接合用の穴を開けたり、木彫を施した木材を接着する仕事があります。それは創造的な仕事ではありませんが、展示するための重要な作業です。最後に木彫部分は油絵の具で塗装しますが、その前に木彫の接着を行いたいと考えています。穴開けには電動工具を使いますが、木彫の接着は音が出ないので、ウィークディに夜間作業を行っても近所迷惑にはならないかなぁと思っています。厚板に木彫を接着すると1点が相当の重量になります。6点の半立体になった作品をどう移動させて、どこで塗装するのか思案しています。スタッフは週末しか来ないので、自分一人で移動させる手段を考えます。
    4月RECORDは「跳」
    4月に入って一日1点のRECORD制作が厳しいと感じています。公務員としての仕事、彫刻家としての制作が押せ押せで、夜は疲れてしまってRECORDの小さな白い画面を見るのが苦痛になっています。何も描かれていない画面はあらゆる可能性に満ち、またイメージが湧かない時は恐怖さえ感じます。たとえ画面が小さくても創作へ向かう気持ちは同じです。意地を張ってでも毎晩RECORDを描いていますが、なかなか集中力が出てきません。ただ、これは創作の不思議なところでもあるのですが、力が抜けている時に思わぬ素晴らしい世界が開けることがあります。今回はそれを期待してRECORDを継続していきます。4月に相応しいテーマとして「跳」を選びました。若葉が芽吹き、跳躍する季節に「跳」というテーマでRECORDに取り組んでいきます。