Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

  • Tag cloud

  • Archives

  • 能舞台のある公園にて
    作業場の近くに能舞台があり、前にその能舞台で行われた能のワークショップに参加したことがあります。支配人はいつも気持ちのいい挨拶をされる方なので、つい誘われて能舞台に行ってしまいます。今日は能舞台に隣接する森林公園で自治会のまつりがあったので散歩がてら出かけました。このところ制作で疲れ気味なので、今日はちょうどいい気晴らしになりました。1時間以上も公園に居たので今日の制作は予定通りにいかず、柱の彫りもあまり進みませんでした。昨日は杉材を手に入れて頑張ろうと決めていたのですが、今日は身体が思うように動かず、また来週末に頑張りを持ち越すことになりました。
    Yutaka Aihara.com
    杉材の追加購入
    「構築〜起源〜」の雛型から割り出した柱の本数のうち不足している短めの柱を今日製材所でカットしてもらいました。50cmを36本。これを明日から作業場で彫り始める予定です。杉のいい香りが積んである車内に漂い、これからの期待と労力の大きさで複雑な心境になりながら、それでも新しい木材が手に入った喜びでいい気分になっています。木材買出しの合間に、陶土をタタラにして陶彫の準備もしました。昼は木彫、夜は陶彫生活の始まりです。カーヴイングとモデリングの二本立て。いずれも日本古来からあるお馴染みの素材ですが、空間の解釈は現代版で、「場の彫刻」というべき環境を取り込んだ作品にするつもりです。
    デルフトの眺望
    昨日まで読んでいたフェルメールの伝記小説「運河沿いのフェルメールの家」は、冒頭フェルメールの結婚式で真珠の耳飾りが登場し、最後はデルフトの風景をフェルメールが描くところで終わっています。最後に出てくるのが有名な「デルフトの眺望」なのでしょう。「デルフトの眺望」はまだ図版でしか見たことがなく、いずれオランダのハーグに行く機会があれば、ぜひ見たいと思っている絵画です。フェルメールは人物画にしろ数少ない風景画にしろ構図が計算されつくしたように完璧で、非のうちどころがありません。当時のデルフトの様子を伝える風俗画としても楽しく見ることができますが、この静謐な雰囲気はやはり本物を通して味わいたいと思います。とくに空と運河の水の表現に注目したいと考えています。風景画の中を眼で散歩して、当時の空気を感じたいと思っています。
    「運河沿いのフェルメールの家」
    表題はイングリット・マラー著、鈴木芳子訳によるフェルメールの伝記小説です。芸術家を扱った伝記小説は大好きで、前にペーター・ブリューゲルの伝記小説を読んでいました。伝記といっても時代背景だけは史実に基づいていて、あとはすべて創作によるものです。それだけに生き生きと描かれた人物たちがまるで現実の生活を営んでいるように感じます。この小説もフェルメール夫人の視点で描いてみたり、ライバルの画家を登場させて、ささやかな日常の中に画家としての生きざまを浮き彫りにする手法を用いています。フェルメールを身近な人物として感じられるのは私だけではないでしょう。
    木彫制作さらに追加
    「構築〜起源〜」の雛型から割り出した柱の本数は100本を超えるものとなりました。杉材がまだまだ必要です。あと30数本は追加で彫らなければなりません。これで週末はさらに多忙になります。残り30数本は短めなので、来月末には何とか荒彫りが終わると思いますが、例年のように展覧会ぎりぎりまで予断を許さない状況が続きそうです。いつも締め切りに追われてハラハラドキドキして過ごす生活は、慣れたとはいえ毎回厳しいものがあります。おまけに今年は陶彫のやや大きめの作品に取り掛かっているので、夜は自宅で陶彫制作、週末は作業場で木彫制作と気を抜く暇もありません。「構築〜起源〜」の土台部分はタタミ9畳もあって、そこに100数十本の穴を開け、砂マチエールをすべてに貼るという作業が残っています。先を考えると気が遠くなりそうなので、とりあえず目の前の目標に向って頑張っていきたいと思っています。