Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • 本阿弥光悦の仕事
    東京国立博物館で開催されている「大琳派展」で、本阿弥光悦の作品をじっくり味わう機会がありました。書家として知られる光悦ですが、陶芸や蒔絵硯箱等の作品を見るにつけ、光悦が今でいうアートデイレクターのような存在だったと思われます。絵師俵屋宗達を発掘したのも光悦でした。光悦の作品はどれも抜群のセンスをもち、とりわけ今回自分が注目したのは蒔絵による硯箱でした。素材の組み合わせや全体のカタチが斬新に感じました。器というよりオブジェのようで、これは現代でも通じる要素です。図録を読むと光悦は京都のはずれに芸術村(光悦村)を作り、さまざまな職人を集め、ものづくりに専念していたことが書かれていました。羨望を抱きつつ、光悦のものづくりにかけた人生を学んでみたい気がしています。
    「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」
    東京国立博物館で開催中の「大琳派展」に俵屋宗達下絵・本阿弥光悦筆による「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」が展示されていました。飛翔する鶴の群が金銀泥で描かれ、そこで繰り返し変化する鶴の姿が、自分にはアニメーションのようにも見えました。俵屋宗達の画面構成の新しさは現代にも通じるものがあると思います。そこに本阿弥光悦の三十六歌仙の和歌が配置され、その文字の抑揚が絵画と相まって、何とも美しい世界観が表れていると感じました。平面に表現された書と絵画でありながら、文字の並びに空間を意識させ、さらに背景にある鶴にも奥行きと広がりを感じとりました。本阿弥光悦という人は、ただならぬセンスを持っていて、筆を自在に扱い、さらに空間造形も捉えることができる天才だったように思えます。この2人の才能が交差する作品は一度観るとその場を離れがたい魅力がありました。
    「風神雷神図屏風」を見比べる
    俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一、鈴木其一による「風神雷神図屏風」が並べて展示してあることは今までにないことだと思います。東京上野の国立博物館平成館で開催されている「大琳派展」は絢爛たる作品が並べられ、なかなか見応えのある企画です。「風神雷神図屏風」は楽しく奇怪なモチーフで、余白を大きく取った構成も含めて日本美術の中でも傑作のひとつと言えます。自分は俵屋宗達を見慣れているせいか、尾形光琳や酒井抱一は新しく生々しい感じをもちました。それでも卓抜した筆さばきや配置がそれぞれの風神雷神を際立たせているように思いました。鈴木其一は空間をたっぷりとった近代風の風神雷神に見えました。さらに現代の画家が描いたらどうなるのだろうと思いを巡らせながら、「大琳派展」をじっくり楽しんできました。
    RECORD12月・1月がアップ
    昨年12月と今年初めの1月のRECORDがホームページにアップしました。これで1年目のシーズンはすべてホームページに掲載したことになります。12月と1月は作品が半立体になっているのが特徴です。木材やステンレスを使った彫刻の雛型のような作品もあります。月ごとのコトバを最後につけていますが、詩人でもない自分がコトバを綴るのにいつも難儀しています。コトバが単なる作品の説明にならないように、造形作品とコトバが並列してひとつの目的に向っていければいいなと思っていますが、表現の貧しさ故なかなか達成感がもてません。それでも1年間、一日一枚ずつやってきましたので、その成果をご覧いただければ幸いです。なお、ホームページにはこの文章の最後にあるアドレスをクリックしていただければ入れます。よろしくお願いします。                         Yutaka Aihara.com
    RECORDは「半円形」
    ポストカード大の平面作品を一日一枚のペースで作っているRECORD。今月のテーマは「半円形」にしました。円はそれ自体で完結するカタチですが、円が半分にカットされたカタチはちょっと面白みがありそうです。半円形は曲線と直線が含まれていて、どことなくユーモラスなカタチです。安定感はあります。曲線が下向くと器のようであり、曲線が上向くと頭が出ているイメージです。まずはシンプルなところから始めてみようと思います。今シーズンのRECORDも残すところあと3ヶ月になりました。テーマもあと3回。そう考えると短い1年間だなと思います。2月始まりというのが何か中途半端なので、次のシーズンは来年1月から始めようと考えています。1月は今シーズン最後の1か月分と次のシーズンの始まりが重なる1ヶ月になりますが、頑張ってみようと思います。               Yutaka Aihara.com