Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • 涼しさ増す9月の終わり
    「猛暑続く9月の始まり」というタイトルで始まった9月ですが、「涼しさ増す9月の終わり」というタイトルで締めくくることができます。今月初めに懸念していた長く工房に留まれるかという問題は、気候があっという間に変わってあっさりクリアしてしまいました。まさに秋は駆け足でやってきました。陶彫の成形は今のところ順調に進んでいますが、焼成が無事終わるまで何とも言えません。葛飾北斎の浪図を下敷きにしたRECORDも今日で終わります。北斎の亜流とも思えるRECORDになってしまいましたが、自分にしては面白く充分に楽しめました。また気になる巨匠の表現を下敷きに、RECORDをやってみたいと考えています。来月もこの調子で制作できたらいいなぁと思っています。
    久しぶりに北斎漫画
    久しぶりに北斎漫画全三巻(岩崎美術社)を見ています。たしか北斎漫画がまとまって発売された時に、どうしても欲しくなって購入した記憶があります。随分前のことで全三巻がダンボール製の箱に入っていました。箱は黄ばんでしまって、書籍も古くなっていますが、購入した当時のまま書棚に仕舞い込んでいました。あの頃は頁を捲っては感嘆していました。書棚から取り出し埃を叩いて、久しぶりに北斎漫画を堪能しています。この北斎漫画と鳥獣戯画は自分にとって日本美術史上最高の傑作と思っているのです。北斎漫画と鳥獣戯画のことを自分は「線描二大巨頭」と呼んでいます。または「線のバイブル」、「描写 虎の巻」とも勝手に名付けています。毛筆によるタッチの抑揚は、現代の劇画世代をも魅了すると自分は思います。手馴れた線、カタチを表すために立ち止まる線、素早く一気に走る線、雄弁な線、無言で沈黙する線、どれをとっても豊かな表情をもって描かれています。これは洋の東西を問わず突出した作品集であるのは間違いありません。
    北斎の表現に学ぶ
    今月は葛飾北斎の怒涛図「男浪」「女浪」や富獄三十六景「神奈川沖浪裏」に見られる波頭の表現を、何とか自分のものにしようと模倣を続け、また模索を繰り返してRECORDにしてきました。襲いかかる波頭を、線による輪郭で巧みに描写した北斎の観察力・表現力には驚くばかりです。象徴主義の考え方や感じ方が初めから根付いているのが我が国の絵画表現だと言えます。大学受験時代に西洋絵画の基礎を学んだ自分は、西洋的写実のもつ遠近法や陰影の考え方をたっぷり知った上で、自国の文化遺産に触れ、その凄さに目を見張ってきました。いわば西欧の印象派の画家が日本の浮世絵を見て驚いたのと同じ道筋で、自分も北斎の大胆な構図や表現に魅せられたのでした。北斎が80歳を過ぎた頃に、ようやく絵が解ったと言ったことを何かの本で読んだことがあります。見習うべくは北斎でしょうか。こんな1ヶ月のRECORDで何が解ると言うのか、たどたどしい模倣に終わってしまう自分を恥じるばかりです。
    疲労残る週初め
    先週末の頑張りが影響して、やはり今日は微妙に疲れを感じます。職場での仕事は、週末の創作活動と比べると神経の使い方が違います。職場は職場で施設面や人事面で山積する仕事があって大変です。何十年も公務員と彫刻家の二束の草鞋を履いてやってきているので、気持ちの切り替えは簡単に出来るのですが、ただ最近は双方の疲労を持ち越すことが多くなりました。創作活動で凝縮した一日を過ごすと身体に応えます。とくに土練りやタタラ作りをした翌日はつらいものがあります。また先々の話ですが、年度末を迎える職場の圧倒的な仕事量の前には、創作活動の入り込む余地がありません。加齢のせいとは思いたくないのですが、しばらく休養していないのも確かで、この自転車操業がいつまで保てるのか自信を失いかける時があります。双方の仕事を適当にやり過ごせない不器用さと生真面目さが短所であり、またはひょっとすると長所でもあるかもしれないと思うこの頃です。
    週末 工房に9時間
    作業がやりやすい気候になりました。夏の猛暑で遅れた工程を何とかしようと、今日は朝8時から夕方5時まで9時間の制作をしました。まず昨日作っておいたタタラを使って成形を3点。今日は肉体労働ではなく精神労働です。タタラの強度を確かめながら斜めに立ち上げてドベで接合し三角錐を作ります。ヘラできちんとカタチを整える作業には神経を使います。先日出来た3点に加えると陶彫土台は、ようやく6点になりました。何とか乾燥が上手くいけば、残り2点で土台は完成です。今回の成形の加飾は次回にします。さらに今日は土台以外の陶彫部品のための板定規を作りました。幅45センチ、高さ75センチの四角錘を数点作ろうと思っているのです。今回の土台もそうですが、板をカットして作品のためだけの定規を作っておかないと同じものが複数出来ません。板定規は役目を終えると再びカットして小さめの定規になります。3時を過ぎた頃からRECORDの彩色をしました。5時を過ぎたところで作業終了。今日は充実しましたが、陶彫は窯から出すまでは予断を許さないので、充実はしていても喜べない日が続きます。