Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • モデイリアーニとアフリカ美術
    国立新美術館「モデイリアーニ展」は数々のモデイリアーニの代表作が見られるのと同時にアートショップが楽しい雰囲気でした。モデイリアーニのデッサンのレプリカが多く壁に掛けられ、そこに雑じってアフリカ彫刻や仮面がありました。それを組み合わせた演出が何ともいいのです。モデイリアーニはピカソやブラックと同じ時代に生き、彼ら同様アフリカ美術の始原的な生命力を発見した一人です。直観的なカタチの取り方、純粋を追求したフォルムはまさにアフリカ彫刻そのもので、デッサンを見ても形態の把握に勢いを感じます。叙情的な西欧美術とは違う考え方、感じ方を作品に持ち込んでいると思います。実際のアフリカ彫刻とモデイリアーニのデッサンを対峙して見られるのが奇妙にもアートショップなのです。そこでデッサンのレプリカを買い求める人が結構いました。演出効果かもしれません。          Yutaka Aihara.com
    「モデイリアーニ展」へ…
    高校生の頃よりモデイリアーニの画業は知っていましたが、自分は今までモデイリアーニに親近感を持てずにきました。いったい何故と自分を疑います。モデイリアーニは自分がファンになる要素をたくさん持った芸術家であるはずなのに、今までモデイリアーニに関する文献は読んだことがありません。遅ればせながら彫刻家として出発した夭折の画家の偉大な仕事を、今日からしっかり受け止めていこうと思いました。絵に登場するデフォルメされた人物は彫刻を作ることも可能な形態感をもっています。線は情緒に流れることはなく、いたってシンプルです。神秘性が漂うとすれば眼にあります。ブルーに塗られた眼。普通の眼を描いた作品もありますが、面長の顔に長い首、何も語らないブルーの眼、でもそれらが揃うと雄弁に語る絵になるから不思議です。パリの香り、というより自分には地中海やアフリカの雰囲気が漂っているように思えます。国立新美術館の「モデイリアーニ展」を見た最初の感想です。Yutaka Aihara.com
    日光・月光菩薩像の背中
    昨日NHKの番組で特集していた「薬師寺展」。日光菩薩像、月光菩薩像が揃って薬師寺を出るのは初めてだとか。光背を慎重に取り外し、東京へ運搬する様子をカメラが追っていました。その影響もあってか東京国立博物館は開館前から長蛇の列が出来ていました。自分もその中にいて、ぞろぞろと館内に入り、日光・月光菩薩像とご対面しました。薬師寺には前に何回か出かけて薬師三尊像を見ているのですが、印象がまるで違っていました。まず光背がないこと、それからNHK番組の解説にあった通り菩薩の背中がきちんと作られていて、仏というより人体彫刻を見るような感じを受けました。骨格や筋肉を考えた肉付けがされていて、白鳳時代にあってどんな人がこれを作ったのか、ダ・ヴィンチやミケランジェロを超える才能が我が国に存在した証になると思います。ホンモノに触れた感動で、人の混雑を忘れてしまうひと時でした。                           Yutaka Aihara.com
    GWアート&クラフト
    自分が美術や工芸を観る時は、ほとんど体力の限りを尽くしてしまうので、一緒に付き合う家内は随分シンドい思いをしているようです。一日のうちで美術館4つに画廊が…とか計画してしまうと最後には気力も体力も尽き果てて、印象がごちゃごちゃになってしまうと家内は主張します。でも圧倒的な情報量があった方が満足できる自分は、丸一日をフルに動いて、眼を凝らして美術館巡りを決行してしまいます。連休中は前半は美術館巡り、後半は例年のように益子・笠間に出かけて工芸を見て回る予定です。自分とって鑑賞後の振り返りを大切にしています。記憶に留った作品は何か、時間を置くと作品のもつ何かが頭の中で咀嚼され、自分の中で意味をもつものに生まれ変わるのです。自分の鑑賞姿勢は昔から変わりません。          Yutaka Aihara.com
    RECORD・感情の表出
    昨年2月より一日に一枚、ポストカード大の平面作品を作ることを自分に課して現在まで継続しています。HPにもアップしているRECORDです。昨年から今年の1月末までを一応区切りとして、現在は2シーズンに入っています。昨年のものはペン画によるものが多く、具象抽象問わず思いつきで描いていました。家内が作品を見ていて、時期によって感情の移り変わりがわかるというのです。確かにこの時期はこんな気持ちや思考があって作品が出来てきたと振り返ることが可能です。一日一枚というのは同じ気持ちで試みたとしても、多少感情移入による違いが表れています。今年はどうでしょう。今年は5日間を区切りとして、カタチの上でも表現方法でも完全なる連作を目指しています。あえてコントロール出来るところはストイックに努めているつもりです。どんなRECORDになるのか、1年間をまた振り返ってみる時が楽しみでもあります。              Yutaka Aihara.com