Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • J.ラッセル著「ヘンリー・ムア」
    先日のブログにムアについての文章を載せましたが、今回は私見ではなくイギリスの評論家による研究書からの掲載です。研究書は中途半端なところで読むのを止めてしまい、自宅の書棚に眠っていました。今回それを取り出して最後まで読んでみました。ムアが坑夫の息子として生まれた時から、やがて彫刻家として数々の栄誉を与えられ、晩年フイレンツエで回顧展をするまでの軌跡とそれぞれの時代を通した作品の思考過程、社会との関わり等が図版を交えながら述べられていました。一貫してムアが素材と真摯に向き合って、新たな表現を獲得していく様子が詳細に書かれてあって、自分も彫刻を作っている端くれとして大変参考になりました。彫刻という表現方法は、頑強な身体と長く持続できる意思がないとできないものだということもつくづく思い知らされました。それでもなお語ることができない作品の謎の部分があると文中で指摘しています。後世の研究を待つと締めくくられていましたが、これ以上の研究書が果たしてあるのかどうか。ムアに改めて敬意を感じたひと時でした。                          Yutaka Aihara.com
    アクリルガッシュの色彩
    RECORDの制作で彩色する時はアクリルガッシュを使っています。正方形をもとに抽象的な構図を考え、色彩はこんな感じでまとめてみようと思いつくと、アクリルガッシュをパレットに出します。美大受験を考えていた一時期に工業デザインを勉強したくなって、受験のための予備校に入りました。そこで課題として与えられたのが平面構成。ポスターカラーをパレットに出して、面相筆や平筆を使って鉛筆で区切った平面をムラなく丁寧に塗っていました。同じようなことを現在もやっています。ただし、今使っているのはアクリルガッシュ。色彩がとても美しいので気に入っています。デザインの基礎技法からしばらく離れていましたが、アクリルガッシュの色彩に惚れ込んで、RECORDで活用しています。しかしながら、現在こんなアナログな方法で平面構成をやっているのでしょうか。今度教え子に会ったら尋ねてみようと思います。                       Yutaka Aihara.com
    陽光降り注ぐ週末
    昨日まで雨風が強かったのに、今日は一転して陽光降り注ぐ週末になりました。どこかへ出かけたいという気持ちは万人にあるらしく、車中のラジオからはひっきりなしに渋滞情報が流れていました。今日は先日撮影をした「発掘〜遺構〜」を撮影場所から倉庫へ運ぶ一日となりました。創作だけをやっていたいところですが、創作に付随する面倒な仕事があって、これも彫刻という手間暇かかることをやっていることが原因です。もうすぐ桜が開花しそうな日に額に汗して作品の運送、これも作業の一環です。夕方、RECORDを描き上げて今日を締めくくりました。               Yutaka Aihara.com
    RECORDの展開
    今月のRECORDは「正方形」をテーマにして一日一枚のペースで平面作品を作り続けています。今月26日から奄美大島に行くので、この「正方形」と奄美大島で見聞するであろう風物や風景をどのように合わせるかを考えています。2月から始まっているRECORDは抽象傾向が強く、直線と曲線によって区切られた面を平塗りしています。でも本来RECORDはタイトル通り日々を記録する目的で作っているので、奄美大島の風景もそこに取り込むつもりでいるのです。滞在する3日間ともRECORDの用紙を持ち込んで、気になったものを記録していこうと思っています。田中一村が一見抽象画と見まがうほど大胆な画面構成をしたように、自分も風景を心に留めて、そこから湧き出る何かを掴んで作品にしたいと思っています。   
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    図録用の写真撮影
    今年7月の個展のために、今日は図録用の作品を撮影しました。撮影の対象になった「発掘〜遺構〜」は様々なカタチが混在する都市空間を表現したものです。今までの図録はあらかじめ自分がデザインを考え、それに近づけるようにカメラマンが撮影したのですが、今回は写真先行で、デザインは画像を見てから決める方法をとりました。今までの方法は自分のイメージだけで図録を作っていて、後で撮影されたものを見ると自分の意図を超える面白い画像が含まれていて、これなら初めからやり直したいと感じたことがありました。そこで今日はカメラマンに撮影を任せ、後で画像をチョイスすることにしたのでした。結果「発掘〜遺構〜」はそれぞれの部分に面白い要素が結構あって、画像を通してそれを発見することができました。作品の組み立てや設置では教え子が手伝いに来てくれました。今まで一人で運搬してきた作品なので、とても助かりました。                   Yutaka Aihara.com