Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • RECORDは「円」
    4月のRECORDのテーマは「円」にしました。「円」は自分にとってお気に入りの図形です。彫刻のエスキースも「円」から始めることがあります。究極にまとまった図形ですが、これを崩していくところから創作を考える方法をとることがしばしばあります。大小の「円」を組み合わせて、さらに直線や曲線を加えて、どこかにありそうでいて、でも見たことのない構成を作る、これは時間を忘れるくらい楽しい頭の体操です。「円」には「環」という考え方もあって、めぐり回って元に戻る運動を示すことができます。また彫刻で自分がよく作っている球体となれば、さらに運動は多様化します。凹凸を作ることで視点を変えれば、「円」は限りない変化を見せます。究極な図形であればこそ、崩しの美学が生まれるのです。4月のRECORDではそんな「円」を取り上げることにしました。           Yutaka Aihara.com
    大島紬の端切れ
    先月末に出かけた奄美大島は大島紬で有名なところです。産地を訪ねて、染めや織りの工程を見てきました。なるほど大島紬が高価な理由がわかりました。絹と木綿で仮織りをして、何十回となく染め抜いて、仮織りを解き、絹だけを取り出して織り始める、さらに模様を合わせながら機織をするという気の遠くなるような作業を分担して行っていることを知りました。店に大島紬の端切れを売っていたので、RECORDに使うことを思い立ち、購入しました。旅行中はRECORDが描けず、空港でのフライト待ちの時間とか、ホテルで描いてみたものの気持ちが乗りませんでした。そこで旅行中の3日間の作品は横浜に帰ってから、大島紬の端切れをコラージュした作品にまとめました。先月のテーマは正方形でした。端切れで何とか数枚の正方形が確保できたので、31日分までをこの方法でやってみました。内省的な作品を目指したつもりが、紬のしっとりとした美しさに触れ、工芸的で装飾的な作品になってしまいました。これも紬の威力と考えることにしました。 Yutaka Aihara.com
    4月に「構築〜解放〜」がアップ
    4月になりました。横浜では桜が満開です。自分のホームページのギャラリーに「構築〜解放〜」をアップいたしました。木彫による2作目になります。昨年の「構築〜包囲〜」と今年の「構築〜解放〜」。この2点が対になるように計画して作りました。使った素材はすべて同じ、表現方法も同じ、サイズは多少の違いはあるもののほとんど同じです。柱を何本も組み合わせ、外から内(包囲)、内から外(解放)という考えで制作したものです。それぞれ違う幾何文様を1本ずつ柱に彫り込んで、個(文様)の違いが大きな構成の中に要素として取り込まれていく状態をイメージしました。現在取り組んでいる「構築〜起源〜」は柱を組み合わせるという考えではなく、柱そのものでシンプルに見せていく方法をとる予定です。またこれも何か発展できる要素が見つかればいいなと願っています。なお、ホームページには文章の最後にあるアドレスをクリックしていただけると入ることができます。ご高覧いただけると幸いです。                    Yutaka Aihara.com
    年度末を迎えて
    人事の発表があり、仕事の引き継ぎをしているうちに今日が終わりました。明日から新たなメンバーで新年度の仕事が始まります。創作の方はそんなこととは関係なく、ただひたすら作業をするだけです。今日は引き継ぎの合間に作業をしましたが、遅遅として進まず落ち着かない状態で鑿を置きました。思えば昨年は「ギャラリーせいほう」で個展をやっていました。あれから1年も経ったのかと思うと信じられない気がします。今年は7月に個展をやらせていただく予定です。こうした生活がいつまで続くのかわかりませんが、やれるのだったら頑張っていこうと思います。
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    奄美の土産を携えて…
    量家の墓参りをしてきた報告に奄美大島の土産を携えて、川崎に住む量博満宅を訪れました。量博満さんは家内の叔父に当たる人で、長く上智大学文学部の教壇に立っていましたが、現在は退職しています。専門は考古学。今日はこの人から奄美大島に纏わる様々なことを教えられました。たとえば諸説ある「なべ加那」伝説。なべ加那は我儘放題だった説や神事に使える人という説。奄美大島のあちらこちらに散らばっている量一族の親類縁者の話。奄美大島に行く前に叔父からそんな話を聞いていたら、墓参りだけで旅行日程が終わっていただろうと想像できます。「創作活動するために嘉徳に住むのはどうだろう」と自分が持ちかけたら、「都会育ちじゃ嘉徳にいて3日と持たないよ」と言われてしまいました。嘉徳は決して理想郷ではないと思いましたが、奄美大島にしばらく落ち着いて、木彫でもやってみたいと願いつつ、また明日から公務が待っている日常生活が始まります。ここ横浜も住めば都とは思いますが…。                       Yutaka Aihara.com