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  • 三連休 甥の結婚式
    三連休の中日は、甥の結婚式に参列することになっていました。この歳になると冠婚葬祭の「葬」が多くなり、「婚」はあまり機会がありません。確かに「葬」は生きる者の宿命で必ず訪れるものですが、最近の「婚」は自由意志に任される風潮があって、誰もが行うセレモニーではなくなったと思っています。でも身近な人の結婚式に呼ばれるのは嬉しいものです。甥は高校から大学時代にかけて演劇に打ち込んでいました。それでも大学を終わるまでに就職活動を行い、現在は学習塾に勤めています。自分に比べると甥の方が社会人としては立派だと感じます。自分は大学で彫刻に打ち込み、卒業してもぶらぶらして、結局就職したのは30歳を過ぎてからという体たらくでした。社会人としては晩熟の出発をした自分から甥に何か言う資格はありませんが、式の終わりに甥本人から、両親が良い環境で育ててくれたこと、両親に負けないくらい良い家庭を築きたいことを、式場に居た全員に向けて真心を込めて言っていたことが印象的に残りました。甥夫婦に幸せになってほしいと心より祈っております。
    三連休 2つの展覧会
    三連休の初日、午前中は公務員管理職としての已むに已まれぬ事情があって時間を取られました。午後時間が空いたので、仕事帰りのビジネススーツのまま美術展を見に行きました。見に出かけたのは東京で開催されている2つの展覧会です。ひとつは南天子画廊で今日まで開催していた「保田春彦展」。先日、鎌倉にある県立近代美術館別館で見た「クロッキー展」と今回の個展を見て、やはり老いと病が齎す状況の中で壮絶な造形意欲をもって立ち向かう作家の姿に、改めて感銘した次第です。詳しい感想は紙面の都合で次回にまわします。次の展覧会は六本木の国立新美術館で開催中の「自由美術展」。師匠の池田宗弘先生から毎回招待状をいただいているので、いつも楽しみにしている団体展です。池田先生の作品「旅人~坂道の木~」は野外に展示されていました。相変わらず安定した力量を見せられ、こちらもヤル気が出てきました。これも感想は次回にします。三連休の初っ端に刺激的な展覧会を見て、なんとか時間を有効に使って自らの制作を進めたいと考えています。
    10月RECORDは「吊るす」
    モノがぶら下がっている状態を、さまざまなカタチを使って描いてみたいと思ったのが、今月のRECORDのテーマです。米彫刻家アレキサンダー・カルダーのモビールよろしく上から吊るしてある状態をイメージしています。吊り輪やブランコのような吊るされたモノは、気にすればどこにでもあります。そうした何気ない日常に気を留めてみることもいいなぁと考えました。RECORDは毎日作る平面作品で、いわば日常の記録(RECORD)です。日記と違うのは、その日その日イメージしたことを段階を追って表現していく行為を記録することで、その日のありのままの雑記ではありません。言わばイメージトレーニングです。イメージの出所は日常眼にしたものであっても、そこから展開して象徴化していくのがRECORDの目的とするところだと考えています。だからこそ形骸化を恐れ、時として自分を追い詰めることがあるのです。いつかやめたいと考えているRECORDですが、まだまだ未練もあり、また己を乗り越える小さな手段として、何とか継続している次第です。今月も頑張ってみようと思います。
    素材のひと手間
    次の三連休を全て制作に使うことができない公務の事情があって、先日作っておいたタタラの乾燥具合が心配になりました。陶彫は陶土を放置する時間が必要で、そのタタラの乾燥具合によって作業開始をいつにするのか考えるのです。公務員と創作活動が共存できるのは、そうした陶彫の作業時間との兼ね合いによるもので、陶土を放置する時間が、つまり公務員としての勤務時間という訳です。ただし、今回みたいに制作を予定していた三連休に突如公務の仕事が入ってくると、準備していたタタラが乾燥しすぎてしまうのではないかという心配があるのです。そこで、今日は仕事の帰りがけに工房に立ち寄ることにしました。夜の畑を歩くのはあまり好きではありません。畑の暗がりを抜けて工房に辿り着き、タタラの状態を確かめました。案の定タタラの乾燥が始まっていて、このままにしておけず、水を打ってビニールに包むことにしました。これで何とか数日は持ち堪えるはずです。素材にひと手間かけることで、成形に影響がでます。上手くいくためには手間を惜しまないことです。これは全てについて言えることではないかと思います。
    「古賀春江の全貌」展
    先日、鎌倉の美術館に行った折、葉山にも足を伸ばして、神奈川県立近代美術館葉山館を訪れ、表題にある展覧会を見てきました。その日は秋晴れの一日で、海沿いにある美術館はロケーションといい、建築といい、申し分ない美しさで私たちを迎えてくれました。「古賀春江の全貌」展は、38歳の若さで世を去った画家の文字通り全貌を示すもので、表現形式が目まぐるしく変化していった創作活動の痕跡を残し、片時も立ち止まっていなかった画家の最後の一呼吸まで感じられる展示内容でした。古賀春江のよく知られた絵画は、モンタージュを使ったシュルレアリスムの大作で、中学校や高等学校の美術の教科書によく掲載されています。代表作「海」は自分もよく知っていましたが、そこに至るまでの西欧絵画の影響下での絵画制作や詩作は、今回初めて知ることが出来ました。才能にあふれた人だったと感じ入るばかりで夭逝が惜しまれてなりません。時代背景もあったのでしょうが、西欧で起こった前衛運動をいち早く取り入れて自己表現力を高めようとする意志が強く感じられる展覧会でした。