Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • RECORDは「正六角形」
    5月のRECORDは「正六角形」をテーマに毎日ポストカード大の作品を作り続けています。六角形は今まで扱ってきた図形に比べると、おだやかなカタチをしています。正三角形や正方形のようなシャープな主張はありません。円のような究極さも持ち合わせていません。視覚的には画面に馴染み、幾何抽象の様々なカタチを組み合わせると埋没してしまう傾向さえあると思います。大小の矩形の中に六角形が隠させているという画面を作るのも面白いと考えました。おだやかな図形ゆえ、ほのぼのとした心象も表現できそうです。まだまだ可能性がありそうな図形です。この1ヶ月は正六角形にこだわって制作をしていきます。                     Yutaka Aihara.com
    横浜の「木下孝則展」
    地元の横浜美術館で開催されている、やはり地元の洋画家「木下孝則展」を見てきました。生前はよく知られた画家だったようですが、私には初めて聞く名前と画業で、鶴見にこういう方が住んでいられたのかと改めて知ったところです。いわゆる正統的な、と言ったらいいのか、ともかくアカデミックな作風で、自分が中高生でこれから美術の世界に入ろうとするなら感銘を受けたと思われます。自分にもそうした時代がありました。上野の美術館で印象派の絵画に憧れたことがあります。少ない筆遣いで、どうしてこんなに空気を感じさせることができるのか、「木下孝則展」にも同じような雰囲気を感じていました。絵画が絵画としての価値を持っていた頃の清楚にして気品に溢れた作品が印象的でした。                    Yutaka Aihara.com
    美術家たちの「南洋群島」展
    東京の町田市にある国際版画美術館で表記の展覧会をやっていたので見に出かけました。「南洋群島」という聞き慣れない名称は、赤道付近の島々のことで、第一次大戦後にドイツ領だった群島を日本が統治することになり、当時の美術家も彼の地に出かけ、作品を残したことが本展の展示内容になっています。ちょうどゴーギャンが行ったタヒチを連想させ、いずれの邦人美術家も島の風物を描いていました。土方久功、杉浦佐助、儀間比呂志の師弟3人が展示の中心となっていましたが、師弟といっても作風の影響は無く、3人3様の表現方法があって、当時の日本美術界の窮屈さからは程遠い自由な雰囲気を感じました。ただ、時代の影響があると思われ、先達のゴーギャンに比べると、日本が大正から昭和初期にかけて戦争の狭間に置かれた状況のせいか作品が多少暗く感じられました。展覧会に行く前は、明るい素朴さに溢れている作品をイメージしていたので、時代の風潮を纏った作品の数々に、邦人ならではの生真面目さを感じてしまいました。         Yutaka Aihara.com
    「RECORD」6月・7月アップ
    昨年の「RECORD」を少しずつホームページにアップしています。6月は画面に初めて木材を取り入れました。凹凸を構成要素にしています。レリーフの考え方とは異なり、画面から立体が立ち上がる設定にしました。レリーフはあくまでも絵画としての領域であり、絵画表現の空間や立体感を補助または発展させるものとして考えるのが妥当と思われます。薄くても平たくても立体認識があるものはレリーフではないと考えます。6月分のいくつかの作品は立体として作ったものです。7月分も思考的には継続した作品で、銅箔や銀箔も使用しています。ペンで描いた絵画的要素のある作品に部分的に立体的要素を取り入れたものもあります。試行錯誤があって、うまくいっているものや無理が生じているものもあって、この時期はかなり苦労していたように思います。なお、ホームページには最後にあるアドレスをクリックしていただけると入ることができます。                Yutaka Aihara.com
    笠間の「荒川豊蔵展」
    笠間の陶炎祭の出かけると必ず茨城県陶芸美術館に立ち寄ります。陶炎祭が行われている芸術の森公園にこの美術館があるためです。今回の「荒川豊蔵展」は人間国宝として永年陶芸の本流に身をおいた巨匠の作品を余すところなく伝えている内容でした。久しぶりに凛とした茶陶をじっくり観ることが出来ました。桃山時代の志野焼を復興した数々の名品は、これぞ茶陶と言える静謐で優美な雰囲気を湛え、しかも張り詰めた造形があって見事でした。茶陶は手びねりという最も単純な技法で作られ、それでも奥深く、この世界を極めようとすれば一生かかっても時間が足りないと思えるくらいのモノです。一度ならず試みた者であれば、今回観た茶陶の凄さがわかるはずです。粘土を扱い始めた若い頃は、茶陶なんて退屈と思えましたが、ようやく陶芸の深みがわかって、この自然に見える造形の成り立ちの何たるかを知ることが出来ました。                           Yutaka Aihara.com