Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • イメージは転寝とともに…
    今日は週末ですが、職場の施設を他団体に貸すために自分だけは出勤していました。とくにやるべきこともなく過ごしていた職場でRECORDを描いていました。今月のRECORDは「渦巻く」テーマでやっています。渦巻くイメージをあれこれ考えるうち、龍が渦巻いて天に昇るイメージが出てきて、これもありかなと思っています。今月のどこかで龍の表現を試そうと思います。午後は自宅に帰ってきましたが、中途半端な時間で工房に行って陶彫に手を入れる気になれず、自宅でぼんやり過ごしているうち、ソファで転寝をしてしまいました。すると転寝で作品になるかどうかわからないイメージが沸々と出てきました。昨年夏にギャラリーせいほうでの個展で発表した「発掘~赤壁~」という作品があります。壁の上に作った陶彫の部分が昆虫のようだと誰かに言われました。そのせいか甲冑を纏った虫が這っているイメージが出てきて、これを自分が陶彫で作ろうとしている夢をみました。もうひとつ、ひょろひょろと尖った塔がいっぱい突き出した風景が現れて、そのギクシャクとした中に自分が取り込まれている夢もみました。それはドイツ表現派の作り出す遠近を歪めた風景のようでした。工房に行かずとも今日は頭の中で多くの仕事をしたような気分でいます。
    ジャスパー・ジョーンズの素顔
    これは私だけが感じることなのかもしれませんが、アメリカの現代美術の旗手は、誰でもカリスマ的風貌を持っていると信じて疑いません。アンディ・ウォーホルの風貌から受ける偏った印象でしょうか。それともジャクソン・ポロックの派手な制作風景の印象でしょうか。ジャスパー・ジョーンズの作品から受ける印象も同じです。ダーツの標的やアメリカの国旗等を題材にして、ネオ・ダダやポップ・アートの先駆的な作品は、世界的に知られる存在です。絵画でありながら従来の絵画性を否定した作品は、学生だった自分を刺激しました。絵画自体が「もの」であり、平面的なオブジェを作っていると考えれば、容易く理解はできるのですが、何か近づき難い雰囲気を感じていました。ドアノー写真集「芸術家たちの肖像」に登場するジャスパー・ジョーンズは、とても人間臭い表情をしています。作品を作っている時の眉間に皺を寄せる気難しい表情。版画工房で見せる屈託の無い笑顔。カメラはその人の一瞬の仕草を捉えて、人となりを浮き彫りにしているかのようです。ジャスパー・ジョーンズを身近に感じることのできる写真です。
    ギャラリーに「赤壁」アップ
    自分のホームページの中のギャラリーに「発掘~赤壁~」をアップしました。昨年夏のギャラリーせいほうの個展で発表した陶彫による作品です。昨年の今頃作っていた思い出があります。「発掘~赤壁~」を考えた時の、初めのイメージは4点からなる連作です。4点が全部完成したところで発表しようと思っていました。まだその計画は続行中ですが、「発掘~赤壁~」を作ってみると、意外に時間がかかり、4点を全部仕上げていると個展に間に合わなくなることがわかりました。そんな思いで制作した作品なので、時間さえ許せば次の壁シリーズを作りたくて仕方がないのです。陶彫の部分に照明を仕込むことも考えました。それが出来るように細工はしてあるのですが、これも個展に間に合わず、単純な彫刻作品として発表したのです。ホームページをご覧になりたい人は、この文章の最後にあるアドレスをクリックしていただければホームページに入れます。ご高覧いただければ幸いです。 Yutaka Aihara.com
    ピカソのポートレート
    ドアノー写真集「芸術家たちの肖像」の中で、やはり一番気を引くのはパブロ・ピカソのポートレートです。ピカソのポートレートは自宅にもう一冊、ディビット・ダグラス・ダンカン写真集「ピカソとジャクリーヌ」があります。これはカンヌのヴィラ・カリフォルニーで撮影したモノクロ写真で構成されていて、美しいジャクリーヌと暮らしたピカソの充実した制作ぶりや気儘に生活を楽しんでいた様子が垣間見られて、それだけで創作の現場をありありと示す大変説得力のある写真集になっています。「芸術家たちの肖像」に登場するピカソは、陶芸の制作現場となったヴァロリスでの様子です。骨格のはっきりした風貌に眼光鋭いピカソは横縞のシャツを着ています。大きな手の形をしたパンをテーブルにおいてポーズをとるお茶目なピカソもいます。この横縞のシャツはどこかで見たような…箱根の彫刻の森美術館にあるピカソ館に確か同じ写真があった…かもしれません。数点の写真の中で印象的なのは、カマキリを手のひらに乗せたピカソの写真です。ピカソの行動そのものが、どんな場面でも創作への息吹に感じられるのは自分だけでしょうか。
    写真集「芸術家たちの肖像」
    表題はロベール・ドアノー写真集「芸術家たちの肖像」(岩波書店)です。自宅の書棚には田沼武能写真集「アトリエの101人」(新潮社)、南川三治郎写真集「アトリエの巨匠・100人」(新潮社)があって、時折頁を捲っています。芸術家の制作現場を撮影した写真集は全部で3冊持っていることになります。同じ創作をやっている者として、他人のアトリエや工房を覗くことは俗っぽいと言われても興味津々です。巨匠と言われる人々はなおさらで、写真に写し出された風貌がその人の作品とよく似ていたり、また裏切られたりして、何とも楽しい限りです。なるほど、この人はこんな場所で制作しているのかと思うことがいいのです。「芸術家たちの肖像」を眺めていると、この普段着の人が、実は○○という芸術家だったのかと改めて思い知り、その人物の様子や周囲の環境から様々なことが想像できます。「芸術家たちの肖像」で、気になった芸術家は何人かいましたが、それはおいおいブログに書かせて頂くとして、ともあれこのモノクロの写真集には、創造する現場がリアルに現れていて、自分は大変な刺激を受けました。