Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • 3月初めの勤勉な週末
    3月になりました。陽気はしだいに暖かくなってきています。今日は創作活動に明け暮れた一日でした。杉材を3本荒彫りしてから、乾燥した陶彫に化粧がけをしました。朝から夕方まで休みなく作業し続けて、帰宅してから「RECORD」に取り掛かりました。夜は少々時間を空けてスポーツクラブに行って身体を動かしてきました。普段公務が忙しいので、週末になると限られた時間の中であれもこれもしたいと考えてしまうのです。花粉症のくしゃみをしながら、右往左往している落ち着きのない自分がいます。春になると創作に向けたテンションが上がるらしく、立ち止まることなく作業に没頭してしまうのです。深夜の時間になってようやく頭と身体のスイッチがOFFになりました。明日もきっと今日の延長です。このままやれる時にやっておこうと思っています。
    4年に1回の29日
    今年はうるう年にあたり今月が29日まであります。「RECORD」は今年は366点。今日その1点を作りました。「0229」とナンバーをつけましたが、このナンバーが再び登場するのは4年後になります。2月の締めくくりはやはり「RECOD」で、今月のテーマである正三角形からやっと解放されるという思いです。同じカタチで1ヶ月続けるのはつらいものがあります。でもせっかく乗りかけた舟なので最後まで頑張ろうと思います。明日から3月で、朝が明けるのが早くなりました。春はそこまでやってきてると感じます。花粉症のくしゃみも出始めました。花粉症にはつらい季節の到来となります。                           Yutaka Aihara.com
    芸術家が猫を好むわけ
    昨日のブログに書いた彫刻家池田宗弘先生を初め、画家藤田嗣治、文豪夏目漱石など、猫を表現媒体にする芸術家は多いと感じます。同じペットでも犬やウサギに比べるとどうでしょう。古今東西の芸術家の作品テーマで、そんな調査をしてみたら楽しいのではないかと思います。猫が芸術家に好まれる理由はいくつかあると思いますが、人間に従順な犬に比べると猫は自由気儘、それでいて適度な距離をもって人間のそばにいるという性格によるものが大きいのではないでしょうか。よく見ると結構聡明な面構えをしている猫もおります。夏目漱石が小説で猫に語らせた世相や風刺もわかるような気がします。古くはエジプトの頃から猫は造形美術のモデルにされ、その動きは現代のミュージカルにもなりました。猫の彫刻的な美しさや地を這うような動き、狡猾な雰囲気などが芸術家に好まれる所以だろうと思います。   Yutaka Aihara.com
    池田宗弘宅の猫たち
    自分の30年来の師匠である池田宗弘先生は、猫の群像を真鍮直付けの彫刻で表現しています。真鍮を溶接して作る彫刻は、ちょうどジャコメッテイのように肉付けをぎりぎりまで削ぎ落として構造をむき出しにしたままの状態で仕上げています。猫の姿態はそうした表現によく合っています。池田先生は長野県に住む前から、東京の秋津のアトリエで猫を飼っていました。しかも猫はたくさんいて、飼うというより放し飼いにして、猫を観察しているような按配でした。当時は「ここにネコを捨てないで」という張り紙がありました。猫がたくさんいる彫刻家宅に猫を捨てていく人がいるとか…。今も池田先生は長野県で猫に囲まれて暮らしています。外に置かれた猫の彫刻の周囲をホンモノの猫がうろうろしています。ただし、彫刻の猫はガリガリで骨ばっているのに対し、ホンモノは丸々と太っています。猫は常に痩せていていつも獲物を狙っている理想像と、日常のほんわかしたムードの猫のギャップが楽しい先生宅の一幕でした。                   Yutaka Aihara.com
    池田宗弘・作「サーカス」
    真鍮直付けで具象彫刻を作っている池田宗弘先生は、自分の大学時代からの師匠です。大学に入った頃、「毎日現代美術展」が都立美術館であって、そこで初めて池田先生の猫の群像による作品に出会いました。塑造を学んでいたにも関わらず、自分の中に抽象思考がありましたが、池田先生の作品に触れて、まだまだ具象で学ぶべきものがあると感じました。池田先生の作品は細い線による構成的な要素があります。この軽やかさは真鍮を素材にしていることが大きいと思います。とくに初期の「サーカスシリーズ」は綱渡りをする人物や車輪に乗る人物など、風に揺れるほどの危うさがありながら、造形としてはしっかりした構成があって、大きな空間を感じます。サーカスを演じる人物には首がありません。首を作ってしまうと、鑑賞者は顔の表情に注目してしまうので、あえて首を作らずに全体の構成を見せる配慮をしています。首がないことで俗っぽさから離れ、造形としての面白さが前面に出ていると感じます。                          Yutaka Aihara.com