2010.07.01 Thursday
7月になりました。初夏というと爽やかな風をイメージしますが、実際は梅雨空のムシムシする気候の中で今月を迎えることになりました。それでも初夏であることには変わりなく、晴れ渡る青空がそこまできているという期待があります。さて、昨年の7月は個展に加え、工房の完成という記念すべき1ヶ月でした。今年はどうでしょうか。中旬から始まる個展は、今回で5回目を向かえ恒例化しつつあるといっても差し支えありません。工房はあれから1年が経ち、自分にとって今では心のオアシスとなって、自分の気持ちを支えてくれる空間になっています。相原工房は室内・野外とも完成し、あとは作品制作の充実を図るだけです。今月は個展に向けた準備と工房内の整理、欲を言えば新作をやっていきたいと思っています。
2010.06.30 Wednesday
「彫刻のマッスを光源を動かしてみるというような動的な角度は、近代彫刻の表現と鑑賞から切りはなすことができないし、古典彫刻の場合には再発見となる。こうした微妙な光と角度の発見は、実に写真によってこそ定着されるのだといっても過言ではあるまい。写真の表現は、厳密にいって彫刻の表現ではない。小さな量塊を拡大すれば、量感はたしかに誇張されて実物の表現とはかなり異なったものになる。しかしそのことによって、肉眼ではほとんど気付かれなかったが、しかしその彫刻に存在していた表現が発見されることがある。また人工光線による強調なども、実際にわれわれが室内の自然光線では感じられないようなモドレや刀法が、写真でまざまざと示されることがある。質感の美しさなども逆説的に写真によって教えられることが少なくない。」(瀧口修造全集6 みすず書房)いささか長い引用になってしまいましたが、これを読んで自分の彫刻作品をカメラマンに撮影していただいた時の画像に対する感動が甦りました。まさに彫刻を撮影する醍醐味を伝える一文だと思います。自分の勝手な思い込みかもしれませんが、懇意にしているカメラマンが自分の作品を撮影している時には目が輝いていると感じます。正直に楽しいと言ってもらえることに自分は喜びを覚えます。今日はそんなことを思い起こさせる評論に出会うことができました。
2010.06.29 Tuesday
先日、自宅にある小さなアトリエ(画室)を片付けて、「トラ吉」の住処としました。畑に捨てられていた猫は、今や専用の部屋のある優雅な猫に生まれ変わってしまいました。画室として使用していた部屋は水場も完備され、以前はそこで水彩絵の具のパレットや粘土ベラを洗っていました。粘土で陶彫の雛型を作っていたのもこの部屋でした。イーゼルを立てて油画や水彩画を描いていたのもこの部屋でした。創作活動はここを起点として始まり、大きな作品を試す時には外で借りていた作業場を使っていたのでした。「トラ吉」は猫のモデルよろしくこの画室でさまざまな姿態を見せ、縦横無尽に走り回るようになりました。とても気に入ったようです。水場にあった亀の子タワシに向かって威嚇していたと家内から聞かされ、いつかはこんな愉快な「トラ吉」をスケッチしたいと思っています。画室から猫部屋に変わったばかりですが、猫のスケッチをすることで、もう一度ここを画室に戻してみようと思います。
2010.06.28 Monday
アルナルド・ポモドーロはイタリア人彫刻家で、金属を使ったモニュメンタルな造形で知られています。箱根の彫刻の森美術館で、自分はポモドーロ作品と初めて対面し、金属と陶彫の違いこそあれ、自分の中に眠る造形への欲望が、ポモドーロのそれととても近いことを認識しました。まず幾何形体が基本にあり、部分が腐食され、内部構造が露出しているところが自分に親しみを感じさせてくれる要素です。とくに野外彫刻として存在するポモドーロの世界は圧巻です。東京丸の内にある歩道にもポモドーロの円柱の作品が2点設置され、ハッと驚きました。堂々と野太く静止した骨格に与えられた亀裂。静と動の狭間で存在を主張する作品。立体だけではなくレリーフや平面でも、ポモドーロらしく普遍の世界を表現していることは、自分の進むべき道を示唆しているように思えてなりません。陶彫で自分も自分らしい世界を広げたいと感じるこの頃です。
2010.06.27 Sunday
亡父の植木畑に捨てられていた野良猫「トラ吉」は、いよいよ大きくなってリビングの棚に飛び乗り、私たちも見ていて危機感を感じるようになりました。収集している陶磁器や自作の陶彫を落としはしないかとヒヤヒヤしているのです。そこで自宅のアトリエを片付け、「トラ吉」のために一部屋あてがう事にしました。工房が自宅から離れたところに出来たので、今まで使っていた自宅の小さなアトリエは物置になっていました。今日は思い切ってアトリエを片付け始めました。いつかはやらなければならないと思っていたのです。夜になってようやく掃除が終わって、ゲージをアトリエに移しました。額装用のパネルや絵画道具は、すべて工房に運搬しました。それにしても今日は疲れました。猫の引越しのため創作活動を休んで朝から晩まで仕事をしました。個展作品の梱包をやらなければと思いつつ…。