2010.06.16 Wednesday
過去のブログを読むと、音楽について書いている時期があります。自分の生育歴は音楽環境に乏しく、それでも両親は私と妹をピアノ教室に通わせていました。私は忽ち頓挫してしまい、それきり楽器演奏をやる機会を失いました。妹はピアノをずっと続けて音大にも入って、現在はピアノ教師をしています。私が音楽環境を手に入れたのは、家内に巡り合ったこと、家内の叔父が二期会で活躍していたテノールの声楽家であったこと、ウィーンの美術学校に通ったことで、同地の国立歌劇場通いを始めたこと等があります。当時は国立歌劇場の立見席から数々のオペラを鑑賞し、一端のクラシック評論家よろしく指揮者や歌手の出来栄えを、あれこれ話していたことが思い出されます。あの頃は自分の何たるかを知らない若気の至りで、今思うと羞恥に耐えませんが、周囲に芸術環境が揃っていたことだけは、とても有難いことでした。今は音楽環境がまた乏しくなっています。時間に追われる暮らしで、仕方がないこともありますが、たまにはウィーンの芸術環境をもう一度味わいたいと願うこの頃です。
2010.06.15 Tuesday
夢か現かと思いながら目が覚めるときがあります。夢は明け方になって、一瞬の間に見るものかもしれません。夢は昔からあまり見る方ではありませんが、ふと夜明け前に目覚めて、二度寝をすると夢のような非日常のような世界が出現するのです。それで夢は明け方に見るものかと自分が思っている所以です。夢遊の旅は、ほんの一瞬にしてはあまりにも大きく長い旅です。それをどうして一瞬で見られるのか、人間の脳の構造はどうなっているのか不思議でなりません。自分にとって不本意で不条理な旅もありました。夢の中でも思い迷う自分がいました。夢の中でも気楽でいられないのは現実の投影か、それとも自分の性分なのか、ともあれ滅多に見ない夢遊の旅は、自分に幸福だけをもたらすものでもなさそうです。
2010.06.14 Monday
昨日の夕方、久しぶりに工房に行きました。3週間ぶりでした。カーテンと窓を開けて、FMラジオをつけると、いつもの工房の雰囲気になりました。作業を始めると、忽ち心が落ち着いて、とてもいい気分になってきました。やはりここはいいなぁと思いました。心が蘇生して生きる力が湧いてくるようです。コンクリート床の無造作な空間なのに、自分にとってはどんな豪奢な建物より、豊かな心を育む場所なのです。まるで砂漠にあるオアシス。柱材を取り出し、木彫の準備を始めました。柱材に罫書きをしましたが、鑿を振るうのは来週末にする予定です。鑿を研ぐのは一日たっぷり木彫をする日と決めているので、夕方から木彫を始めるのは中途半端になると思ったから鑿研ぎは止めにしました。また来週末から作業を始めます。少ない貴重な時間を効率よく使って、また新作に挑みます。
2010.06.13 Sunday
今年7月に開催する個展の図録が出来上がり、昨日手許に届きました。今回は「木・陶による構築シリーズ」と題した図録で、同じ形式で毎年作り続けて5冊目になります。東京銀座のギャラリーせいほうでの個展も5回目になります。慣れたといえば慣れましたが、それでも毎回新鮮な驚きがあって、作品によって図録のデザインや色彩が大きく変わり、とても楽しめます。今回は白っぽい画面が多く、柱が支える板材に様々な穴が空いているのを白い背景で強調しているのです。「構築~包囲~」の骨っぽい透けた構成がメインになっているためか、今までのような塊としての要素は減っています。もっとも陶彫も中身は空洞なので、重厚な塊に見えるだけで、「構築~包囲~」と基本的な考え方は変わらないのです。毎回出品している「球体都市」は今回の7点で最後になります。この図録や案内状を近々ギャラリーせいほうに届ける予定です。
2010.06.12 Saturday
週末なのに出勤をしなければならず、昨日からの体調の悪さもあって、早々に退勤してきました。しっかり休もうと決めて2日目、少しずつ体調が戻ってきました。回復のバロメーターとしては創作への意欲が湧いたこと。うとうと寝ていると、作品のイメージが浮かんできて、おまけにそれを具現化するために、どんな素材を使い、どんな制作工程が考えられるかを、ぼんやり頭の中で描いているのです。RECORDも描き始めました。昨日は途中で放棄してしまったのが残念で、たとえどんな状況であろうともRECORDをやろうと自分に課していたので、腸炎ごときで完成できなかったのが情けないと思いました。ブログはやっとの思いで書いているのに…。明日はまた週末出勤で仕事がありますが、夕方は工房に行きたいと思います。