2010.07.11 Sunday
ブログを日々欠かさず書いていると、自分の作品に関すること、たとえば発想の土台となる展覧会鑑賞や読書などを書き綴ることが多いのですが、そうしたこととは別にその日の単なる記録を書いている場合も結構あります。昨年の今頃はどんなことをやっていたんだっけ?と振り返ることがあるからです。今日はその単なる記録としてブログを書きたいと思います。まず、午前中は横浜市の採用試験があって、自分は試験監督者に任ぜられて勤務してきました。週末と言えども今日は勤務日となっているので、夏の間にこの振り替え休日をいただこうと思います。午後は作品搬入搬出に関わる業者と打ち合わせを持ちました。来週に迫った個展の搬入に向けて入念な準備をしておこうと思います。ところで今日は参議院選挙の日でもあり、これにも夕方出かけてきました。自分は選挙権を有した時から必ず選挙には出かけます。滞欧していた5年間以外は、すべて投票所に足を運んでいます。特定の政党を支持しているわけではなく、何十年も無党派層でいますが、政策を読んでこの人に、と思う人に一票を投じています。今回ばかりはどうしてよいものか決めかねましたが…。そんなおよそ創作活動とは縁のない一日を過ごしました。
2010.07.10 Saturday
今日の工房内は、うだるような暑さでした。汗が噴き出し、シャツを何枚も替えて作業をしました。個展搬入用の木箱が完成し、陶彫作品はすべて梱包しました。個展が終われば、これがこのまま工房に返ってきます。今まで大きな彫刻は売れたためしがないので、返却されたら工房のどこに保管しようか考え始めています。あまり奥に置いてしまうと、企画展等で再び出品する時に大変苦しい思いをするのです。コンパクトにしかも取り出しやすい場所に、と思うと保管場所のレイアウトを考える必要があります。個展が終わったら、工房内の整理も念頭に入れておきたいと思います。
2010.07.09 Friday
一日1枚のペースで葉書大の平面作品を制作しているRECORD。毎月テーマを決めて取り組んでいます。平面作品なので立体のような不自由さがなく、また実材に囚われることもないのに、自分が作っている集合彫刻の雰囲気に近づいてしまう傾向があります。自分の殻を破れないもどかしさを意識しながら、やはり今月も自分のやり易いテーマに走ってしまいました。「組み立てる」は、まさに普段から集合彫刻でやっていることで、今月も彫刻のエスキースのようなRECORDになりそうです。新しいことを試すには時間が必要で、じっくり自分を追い詰めていかないと中途半端で終わってしまうのを、何より自分が一番知っているのです。公務員との二束の草鞋で時間の無さを言い訳に、取り組みやすいテーマを設定しているのは自己嫌悪になりうるところですが、それも重々承知の上でこのテーマに決めました。無難な1ヶ月と言いたいのですが、自分なりには多少冒険もしようと考えています。
2010.07.08 Thursday
彫刻を学んでいた学生時代には、作品のクオリティを高めることに精を出していて、作品がどこに展示されるかは念頭にありませんでした。作品を人に見せることを考えていなかった時代です。これはこれでよかったと今では思っています。演出効果ばかり考えていたのでは、人の心を打つ作品を作れるはずがなく継続もできないと思っているからです。作品が置かれる環境を考えるようになったのは滞欧中のことです。彫刻の歴史に刻まれた街や広場に接して、環境が作品の内容も変えると感じました。展覧会も同じで、どういうデザイナーが関わったか知る術もありませんが、作品の展示で見事な演出がされているのをよく目にします。先日出かけた千葉県の川村記念美術館も一部屋一部屋が現代美術を鑑賞するのに相応しい演出がありました。企画展だったジョセフ・コーネルの箱の中に広がる小世界も、その見せ方に工夫がありました。星空をイメージした会場では、コーネルの箱や詩人高橋睦郎のコトバに照明が当てられ、闇から造形と詩が立ち上がってくるように感じました。星もひとつひとつ手書き風に作られて、乾いた情緒が吹き抜けていくような全体の空気を感じました。鑑賞する側からすれば作品だけではなく、そうした展示空間もあわせて印象に残ります。やはり作品展示の演出の大切さを思わないわけにはいきません。
2010.07.07 Wednesday
アメリカ人アーティストのジョセフ・コーネルと詩人の高橋睦郎によるコラボレーションによる展覧会は、さまざまな角度から自分を刺激してくれました。そのひとつに造形作品に捧げられた詩人のコトバがあります。捧げられたというのは誤解を招くかもしれませんので、造形作品から発想を得て新たに創作された詩とでも言った方が相応しいと考えます。実はこの関わりが知りたくて、先日自分は千葉県佐倉市の「川村記念美術館」まで出かけていったようなものなのです。詩人高橋睦郎は以前も現代美術家とのコラボレーションをしていた記憶があります。コトバのひとつひとつを辿ると、詩人はコーネルの箱宇宙から与えられたイメージを基にコトバを紡ぎ出し、決してコーネルの作品に寄りかかることはなく、詩的世界を独自に創っているように思えました。さらに詩の内容もさることながら、詩が印字された紙が何とも気持ちがよくて、そのざらついた素材感は、コーネルの作品に相まって、素朴な風合いを生かしながら訥々と心に染み込んでくる感覚を持ちました。展示方法にも工夫が凝らされていて、これはまた機会を改めて述べていきたいと思います。