2010.01.26 Tuesday
マルセル・デュシャンがガラスの大作「独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも」を構想しながら書き溜めた「グリーン・ボックス」と呼ばれているノートがあり、その和訳可能な部分を翻訳したものを読み解いています。難解というより、その時々に脳裏を過るコトバを書き連ねたものという印象で、作品にするための準備のようであり、作品に拘らず日常の事象を思索したものとも考えられます。コトバを媒体にした何らかの表現活動ですが、詩とも散文とも言えないもので、むしろそうした芸術活動の概念から解放されることを意図した作品とも言えます。「あのガラス作品には、たしかに画家の制作としては類を見ない忍耐と思索が投入されているにしても、デュシャン自身はあらゆる考証の結論から自由であろうとする。〜略〜たしかにデュシャンのノートはガラス作品の計画をめぐるノートであったにしても、それは彼の脳裏に起った思考の痕跡であって、できあがった作品のためのという既成概念による推理論証は、ふたたび芸術作品の罠に陥ることになるだろう。〜以下略〜」(瀧口修造全集3)マルセル・デュシャンは芸術や文学から自由になろうとし、作品にローズ・セラヴィという署名をすることにより、男性からも自由になりえたと瀧口は書いています。「あるいは自由という観念からさえも自由になりえたのだ。」(瀧口修造全集3)
2010.01.25 Monday
現代美術に大きな足跡を残したマルセル・デュシャン。実は学生時代から避けて通ってきた巨匠の一人で、いつかはマルセル・デュシャンの全貌を理解したいと思いつつ、その謎に触れると思考の混乱を招いてしまうのです。自分の認識と言えば、創作行為にレデイメードを持ち込んだことくらいしかありません。ガラスの大作「独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも」は気になる作品のひとつですが、自分にとっては読み解くことが容易ではありません。「瀧口修造全集3」では多くの紙面を割いて、マルセル・デュシャンの仕事や創作メモを掲載していて、ひとつひとつ読み込んで、マルセル・デュシャンの造形思考や詩に近づきたいと考えています。「マット氏が自分の手でこの泉をつくったかどうかということは重要なことではない。かれはそれを選んだのである。彼はありふれた生活用品をとりあげ、新しい標題と観点のもとに、その実用の意味が消えてしまうようにそれを置いたのだ。つまり、その物体のために新しい思想を創り出したのだ。〜以下略〜」有名なレデイメードのことを書いた一節です。ここで言うマット氏はマルセル・デュシャンのことで、便器を逆さにしたものを「泉」という題名をつけて、ニューヨークのアンデパンダン展に出品したのです。上記の文はデュシャン自らが書いたとされています。マルセル・デュシャン入門としては、今日はこのくらいにしておきます。
2010.01.24 Sunday
昨日、陶彫土台が焼成できたことで気をよくして、今日もうひとつ陶彫土台の窯入れをしました。乾燥が完全ではない陶彫部品は後回しにして、とりあえず陶彫土台を含めて4点の窯入れをしました。水曜日に窯出しができるはずですが、仕事の関係で来週末に窯を開けます。今日の作業としては、前述の窯入れ前の仕上げ、化粧掛けを4点行い、さらに成形を1点、修整を1点、それから来週末の作業を考えてタタラを6枚作っておきました。昼頃、窯の業者が来て、前から注文しておいた高さのある支柱4本と灰釉、透明釉を持ってきました。自分は陶彫作品に釉薬を使わないのですが、時間が出来た時に器作りにチャレンジしたくて釉薬を揃えているのです。釉薬は焼成実験が必要なので、公務員をやってるうちは手が出せないかもしれませんが…。それにしても週末は過密スケジュールです。昨年までこの時期に横浜市民ギャラリーのグループ展に出品していました。どうしてそんなことが出来たのか今思うと信じられないくらいです。昨年4月に職場の異動があったことが大きいとは思いますが。また来週末に頑張りたいと思います。
2010.01.23 Saturday
日曜日に窯入れした作品5点を窯から出しました。水曜日には温度が下がっていたはずでしたが、ウイークディは工房に行く暇がなく、窯出しは今日になりました。5点のうち一番小さい作品が割れていました。素焼きを省略して、いきなり本焼きで1230°まで上げるので、作品の乾燥が足りないと割れてしまうのです。窯の隙間を埋めるために、若干乾燥が心配だった小品を入れたのが失敗でした。残り4点は上手くいきましたが、小品とは言え手痛い躓きになってしまいました。焦って毎週毎に窯入れすることはやめようと思いました。ただし、今回の窯で一度成形をやり直した陶彫土台8点のうち、乾燥が出来ている1点を入れてみました。何とか成功したので、焼きあがった陶彫土台に柱を置いて仕上がりを検討しました。ようやく「構築〜瓦礫〜」のイメージが具体化してきたように思えます。明日はまた乾燥を見極めて、仕上げと化粧掛けをやっていきたいと思います。
2010.01.22 Friday
月曜日になると、夜の明けぬ朝6時に家を出て出勤していきます。これから5日間は公務員としての仕事があると思うと、何とも言えない気持ちになります。多忙極まりない職場のためか5日間は、あっという間に過ぎていきます。朝早く起床して出勤することが大きな仕事で、職場に入ってしまうと、何が何でも仕事をしなくてはならない環境に身を投じてしまうので、自分を振り返ることもなく時間が過ぎてしまうのです。この5日間を長いと見るか短いと見るか金曜日になるとつい考えます。実は週末もあっという間に過ぎてしまいます。だからこそ明日から創作活動ができるとウキウキしている金曜日の夜が一番楽しい瞬間なのだと思います。のんびり休息することは今は要りません。ちょっと楽しいと思える瞬間があれば満足です。ウイークディの5日間はそういう瞬間が残念ながらやってきません。いつも月曜日になると何とも言えない気持ちになるのは、金曜日のようなウキウキ感が見つからないからです。暦通りの仕事に従事しているほとんど全員がそうかもしれませんが、ウイークディにウキウキ感を持てるような意識改革が出来るといいなぁと感じます。