Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • 「RECORD」は正方形
    毎日描いているポストカード大の連作「RECORD」は早2ヶ月目に入っています。今月のテーマは「正方形」。画面のどこかに正方形を配置し、構成要素を加えて作品に仕上げています。とくにこの2週間は小さく画面分割して淡い色彩を施しています。タイルが並んだようなイメージです。リピテーション(繰り返し文様)は時に単調になりますが、構成の工夫でなんとか画面に変化をつけています。正方形は展開に富む図形だと改めて認識しました。曲線による分割でも正方形を加えると、曲線と合理的な直線の対比が生まれて、さらに曲線が強調されるような感じがします。今月いっぱいは正方形に付き合う予定でいます。                     Yutaka Aihara.com
    地層は巨大なアート
    いつぞやのブログに土壁の魅力について書いた記憶があります。今回はさらに大きな地層について書きます。剥き出しになった地層は堆積岩が時間を封じ込めて、それがフンデルトワッサーの絵画のように帯状にうねっていて、見飽きることがありません。そこに感じるのは人間の作為が及ばない自然の姿です。美しいと感じるのは私だけではないと思います。こんな地層の有様をなんとか自分の造形要素に取り入れられないかと考えたことがあります。でも地層そのものがアートであり、手を加えない美がそこに存在するので、それ以上のことは出来ないと思いました。剥き出しの地層は落石があって危険なのか道路沿いはコンクリートで覆ってしまわれています。これもアート?と思いながら新しく森を切り崩して出来た道路を車で走ることがあります。どこに美を感じるかは個人の趣向によりますが、美しい地層の姿をずっと見ていたいと思っています。                    Yutaka Aihara.com
    閉塞された空間
    先日行った横須賀美術館の「若林奮展」に地下鉄の構造を示したデッサンがありました。地中に埋もれている空間には自分もかなり興味があります。幼い頃、家の近くの田んぼで遊ぶうち、脇に川が流れていて、その川を遡っていったことがありました。すると川はコンクリートの筒状のトンネルの向こうから流れていたので、どんどん奥に入っていったら闇に支配された空間に恐怖を覚え、光を求めて引き下がってしまった思い出があります。まさに閉塞された空間。自分は閉所恐怖症ではなかったはずですが、どうやらその頃から閉ざされた小さな空間にいると耐えられなくなる性分になったようです。でも興味は尽きず恐怖体験と造形思考はまるで異なっていて、閉塞された空間を創造したいという欲求があります。何故でしょうか。自分でもよくわかりませんが、地下鉄にワクワクしたり、外国の地下墓地や地中都市にドキドキ胸を躍らせていたりします。長く居られないくせに、そこに造形の面白さを感じるのは不思議です。                    Yutaka Aihara.com
    謎めいたタイトル
    横須賀美術館の「若林奮展」を見て、その彫刻のタイトルに注目しました。「所有・雰囲気・振動」とか「長い山脈に付属する振動」とか作者にしかわからない意味を込めてタイトルにしています。造語の場合は造語に至った思考を説明すれば、不可解なタイトルが多少理解できると思います。造形はコトバを従属させるものではなく、コトバと併行して形作られることもあると考えます。タイトルにはそんな謎解きがあってもよいと思うのです。作家によっては詩のようなタイトルをつける人がいます。タイトルを集めると散文詩のようになって、造形作品の他に作品がもうひとつあるような具合です。美術は時に詩的であったり、また哲学的であったりするので、こうした遊ぶ?要素が出来て、それはそれで楽しいものです。謎めいたタイトルにあれこれ思いを巡らせるのも一興かなと思います。             Yutaka Aihara.com
    横須賀美術館「若林奮展」
    今日も昨日に続き、杉材を3本荒彫りして作業場を後にしました。夕方、高速道路を飛ばし、横須賀まで行きました。現在、横須賀美術館で開催している「若林奮 VALLEYS展」を見るためです。かなりまとまった彫刻や素描や版画が展示されていました。自分が学生時代に見た「振動尺試作」もありました。美術館の外に設置されているVALLEYSの模型もありました。相変わらず考えを巡らせてしまう作品群を目の前にして、この不思議な雰囲気に何度となく魅了されてしまうのは何故だろうと思いました。作品そのものを見るのではなく、作品が動機や思考を伝える装置であるのが、その理由のひとつだろうと思うのです。物事に対する考え方の提示と言ってもいいのでしょうか。謎が多いところもあって、どんな解釈をしたらよいのか思案してしまいます。そこが魅力なのかもしれません。          Yutaka Aihara.com