Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • 7月末に考えたこと
    今月の総括として個展の開催がありました。初めて木彫作品をギャラリーせいほうに持って行きました。4回目の個展でしたが、懐かしい方々に来ていただき、またご感想ご批評もいただきました。真摯に受け止めていきたいと思います。次に亡父の残してくれた植木畑に倉庫を建て、その引渡しがありました。床はコンクリート打ちっぱなし、内装が無く鉄骨はむき出しですが、収納と作業ができるところを確保して、これからはここで制作をしていきたいと思っています。屋外でも作業できるようにしたいと願っていますが、それは追々考えていきます。いくつかの陶彫作品を倉庫に運び入れたいと思っています。レイアウトを考えるのが楽しみのひとつになっています。新作の雛型は思うように進まず、これは来月の目標にします。ともかく刺激的な7月でした。明日から8月。自分には夏休みはありませんが、週末を大切に使い、制作の充実を図りたいと思います。
    「魔術的芸術」古代諸文化の…
    A・ブルトン著による「魔術的芸術」の中で、エジプト、メソポタミアを古代諸文化として取り上げています。思惟作用の目覚めとして、ナイルの谷から外に眼を向けなかったエジプト文明と、外の砂漠地帯に挑んでいったメソポタミアの部族を比較しながら、古代説話の隆盛を論じる中で「ギルガメッシュ叙事詩」を取り上げています。この最古の叙事詩は西洋文学の「地獄くだり」の原型として魔術的な性格をもっていると自分は雑駁にまとめてみました。クレタ文明からローマに続く過程では息苦しい形式様式を呼び寄せ、むしろ魔術的芸術としては積極的な評価をしていないようです。ケルト文化になると象徴や装飾性に触れて、通念としての美術史に現れていなかった諸民族の文化やそれを育んできた背景を論じていて、自分は興味を覚えました。
    「魔術的芸術」有史以前の…
    A・ブルトン著による「魔術的芸術」は、通念としての美術史の新たな解釈として、今興味を持って読み込んでいるところです。本書は概論の後、時代別に論じられているものの有史以前の芸術のところでゴーガンやカンディンスキー等の近代の作品を引っ張り出して、今日の未開芸術として掲載しています。加えて有史以前の時代に残されている造形における人々の精神風土を考察し、たとえば「恐怖の上に基礎づけられたあらゆる感情はこれ以後、いつまでも人間の心と精神とを支配することになったのである。」というビュフォンの引用やシャーマニズムの広範囲な影響による地域性を鑑みるくだりは、著者の豊かな知識の上に立つ洞察を感じ取ることが出来ます。前から自分の興味の対象であったイースター島やストーンヘンジの巨石文明にも触れて、その意図するところを論じているところが、個人的には面白く読むことができました。
    同僚の夭逝を惜しむ
    横浜市公務員として、同じ部署で共に助け合いながら働いていた同僚が先日他界し、今日通夜を迎えました。享年44歳。惜しまれる夭逝にたくさんの人が弔問に訪れました。彼の仕事は芯の通ったもので、また周囲にも気を使うことも多く、その実力の評価は横浜市屈指と言えました。横浜市は大変な逸材を失ったものです。彼が年下でありながら、自分は彼に頼ることが多く、以前はよく連絡を取り合うこともありました。彼は人間臭いところがあって、朝まで飲んでいることがあったと聞いています。今思うと無理をしていたように感じています。寿命とは決められているものなのでしょうか。才能に溢れた人に夭折が多いのは、ちょっと考えすぎでしょうか。彼は将来を嘱望されていただけに、また身近で付き合っていた時は、本当に人間味に溢れた人だっただけに惜しまれてなりません。
    「ルネ・ラリック展」
    東京銀座での個展開催中に東京の美術館を巡りました。先週のことですが、国立新美術館で「ルネ・ラリック展」を見てきました。ちょうど「野村仁展」をやっていたので、現代美術家の個展の後にラリックを見ることになりました。「ルネ・ラリック展」の観客の年齢層が高く、いかにも宝飾に関心のある方々が熱心に鑑賞していました。ラリック芸術の魅力は、万人が納得できるような美しさにあります。とくに線や面で区切られた構成が心地よく、虫や植物のフォルムがこれ以上考えられないギリギリまでデザインされ、斬新さと美的完全さを兼ね備えたモノになっています。アール・デコの時代に建築装飾まで進出し、優美な作品を数多く残したラリック。芸術と産業を融和させ、時代の花形だったラリック。とくに初期の頃の装飾品に深い精神性を感じることができました。                  Yutaka Aihara.com