Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • 混沌の中にある正方形
    今月のRECORDのテーマは「正方形」です。今年は繰り返しパターンを続けていますが、今月はちょっと裏切って、正方形を単体で、しかも画面中央に据えてやっています。絵の具を散らせたり、無作為に垂らしたりして混沌とした世界を作り、そこに唯一正方形が浮かび上がる、といった世界を表現しています。図形がシンプルになればなるほど、展開が容易くなり、取り込める要素が多くなるようです。正方形は完璧で単純な図形ですが、なかなか雄弁に語ってくれる図形でもあります。陶彫でも立方体を作っていた時期があり、これも空間に対して雄弁な表現力を持っていると思いました。  Yutaka Aihara.com

    梅雨明けの空に…
    今年は例年より早い梅雨明けになりました。横浜の空では、まさに夏の太陽が居座って、気温はかなり上昇しました。自分がいる仕事場には空調整備がありますが、部屋から一歩外に出ると、蒸し風呂のような暑さが建物全体に籠もっています。今宵は管理職の仲間が集まって、暑気払いを行いました。山積された仕事の進め方や情報をもらって、いい時間を過ごせたと思います。アートとはほど遠い世界ですが、自分にとってこれも重要な仕事なのです。管理職の仲間と飲むと、管理職も悪くないなと思います。お互いの悩みを共有できる楽しさがあるからです。アートの世界の人間関係は濃いところがあって、好きか嫌いかで決まる向きがありますが、公務員という立場は、仕事を通じてのドライな関係なので、それはそれでいいと思いました。梅雨明けの空の下で飲んだビール、なかなか良かったと思いました。     Yutaka Aihara.com

    今夏は「A・ブルトン&瀧口修造」
    毎年夏になると何か課題を決めて勉強することにしています。義務教育で頭にすり込まれた夏休みの自由課題が今も続いている感じです。今まで「ジャコメッティ」や「ヘンリー・ムア」といった学生時代から親しんでいた彫刻家を改めて勉強したり、ドイツ表現派をテーマにしてみたり、夏という解放された季節だからこそ頭を柔らかくして何かに取り組んでみようと思っているのです。今年の夏は、もう始まっていると言ったらいいのか、白倉敬彦著「夢の漂流物」、巖谷國士著「封印された星」と読んできているので、これはもう詩人で評論家でアーティストだった「瀧口修造」を取り上げる道筋ができてしまっています。そして今読み始めたアンドレ・ブルトン著「魔術的芸術」(河出書房新社)。瀧口修造と関わりの深いアンドレ・ブルトンをまず勉強しようと思います。著書がたくさんあるので、どこから手をつけるべきかわかりませんが、ともかく興味の赴くままやってみようと思います。
    トロムソコラージュ
    先日ブログに書店で手にとって捲った文章が忘れられなくなったと書きました。まさに谷川俊太郎著「トロムソコラージュ」がそれなのです。それは立ち読みから始まって、一旦書架に本を返した後、再び手に取り、結局購入となりました。表題の長編詩は「私は立ち止まらないよ」というフレーズで始まっています。次から次へと映像のように詩が続き、視点がコロコロ変わり、いつ終わるとも知れない世界が展開しています。よくわからないけど、何かが面白いと感じたのです。ドラマ仕立ての作りものなのか、時折リアルな感情が沸きあがって心の襞を擽るのか、そのどちらでもない不思議なバランスがあって、生活臭の希薄な軽やかさが新鮮に思えます。仕事でくたびれた時間帯に書店に入り、ふと出会ったコトバの風が頬を撫でていくように思えました。きっと自分が作っている彫刻にもそんな風があると信じたいと思える詩集でした。
    「封印された星」を読んで…
    表題は巖谷國士著による「封印された星」(平凡社)です。瀧口修造を中心に据えたエッセイで、瀧口修造と交流があった芸術家やその思想を受け継ぐ芸術家を論じたもので、自分の中では、ちょっと瀧口修造ブームがあって、この本を購入したのです。自分は、瀧口修造とはいかなる人物かを知りたくて、直接交流のありなしに関わらず、その周辺にいて、現代日本の創作活動の一翼を担った人々をまず知っていこうとしています。この評論によって、当時の美術界におけるシュルレアリスムの運動やさらに発展していった世界をある程度捉えることができると感じています。著者は作家との交遊を通して、様々な創作の側面を描いていて、とても興味が沸きます。そういう意味で「松原のアトリエ」のくだりは、いろいろなことがイメージされてきて頭に焼き付いてしまいました。