Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • 文豪が愛した伊香保温泉
    竹久夢二に続いて、伊香保を語る上で欠かせないものが、明治時代の文豪たちと伊香保温泉の関わりです。その中で小説家徳富蘆花は代表作「不如帰」に伊香保を登場させているくらい彼の地に思い入れが強かったらしく、徳富蘆花の住居も記念館に残されていました。私たちは記念館の喫茶室の窓側席を取り、外で戯れている野鳥を見ながら、ゆっくりとした時間を過ごしました。記念館内に保存されている住居の中に、徳富蘆花が臨終を迎えた部屋があって、何とも言えない気持ちになってしまいました。当時の伊香保を偲ばせる資料を見ると、夏目漱石、芥川龍之介を初め名だたる文豪が訪れていたことがわかり、伊香保温泉と文学との深い関わりを思わないわけにはいきません。山裾に広がる石段の続く小さな温泉街。そこに情緒を求めてきた人たち。伊香保温泉は自分にもいい時間を与えてくれたように思います。 Yutaka Aihara.com
    竹久夢二のほろ酔い画風
    先日訪れた伊香保温泉街からちょっと離れたところに「竹久夢二伊香保記念館」があって、その昭和レトロな瀟洒な建物に誘われるがまま中に入ってしまいました。館長が私に声をかけ「陶工の方ですか?」と聞くので「どうしてですか?」と問い直すと「モノを作っている人はわかる」と言っていました。その館長が案内してくれた部屋に竹久夢二の貴重な資料がたくさんあって、夢二の仕事量に圧倒されました。竹久夢二と聞くと、ちょっと酒酔いした美人が佇んでいる情景をさらさらと描く達人と私は勝手に解釈していて、夢二はお洒落なイラストレーターくらいにしか捉えていなかったのですが、今回見た夥しい量のデッサンや草稿は、夢二がほろ酔い画風を確立するまでに見えないところで相当な努力をしていたこと、画面構成力に人一倍優れた才能を有していたこと等に気づきました。               Yutaka Aihara.com
    図録撮影 例年の如く
    昨晩遅く群馬県から横浜に帰ってきて、企画展の興奮も冷めやらぬまま、新しい図録のための写真撮影の日を迎えました。家内とボランティアの美大生に手伝ってもらい、「構築〜起源〜」と先日まで制作していた新作陶彫を撮ってもらうことにしました。カメラマンはずっと自分の作品を撮り続けているお馴染みの人です。気心が知れているのは何と心強いことでしょうか。外は雨風が轟々と鳴り響く中、室内ではフラッシュがたかれていました。「構築〜起源〜」の設置に意外に時間がかかり、押せ押せの時間になってしまいましたが、何とか撮影が終わってホッとしました。今回で4回目の図録は「発掘シリーズ」から一歩出て「発掘から構築へ」というタイトルを考えています。どんなものになっていくのか、とても楽しみです。 Yutaka Aihara.com
    企画展のレセプション
    ホテルの大広間を借り切って、「古代・現代 思索する手」展のオープニングレセプションがありました。スポンサーのNTT東日本の方々や美術館学芸員、博物館学芸員、画廊関係者、それに高崎市を中心に活躍する画家や彫刻家、工芸家、書家等がたくさん参加していました。皆で今後の展望を話し合ったり議論を戦わせたりして時間は瞬く間に過ぎていきました。即興で家内が三味線を借りて演奏する場面もありました。招待作家を代表して自分が挨拶に立ったこともありました。全体の印象としては地元作家の底力を感じ、久しぶりに美大生の頃の青春時代に戻ったような気分がしていました。宿舎は豊田屋という木造の老舗旅館で、地元の彫刻家と一緒に泊まって、いい時間を過ごすことができました。そこは出来るなら保存して欲しいような凝った作りの旅館で、いろいろな機会に豊田屋を利用する地元作家のこだわりを感じました。
    「古代・現代 思索する手」展  
    表題の企画展が始まりました。現代造形作家は6名、素材は木、石、鉄、陶、布とまるで異なる表現世界を集めた感がありました。対峙する古代遺物は深鉢や埴輪、勾玉等大小の出土品が置かれていました。まず、感謝したいのは考古資料館の学芸員です。こうした文化財を現代アートと並列してくださった懐の深さ、アートに対する理解があればこそと思いました。それを推進してきた実行委員会の皆様にも感謝をしたいと思います。現代の作家は古代をテーマにしている人はおられず、むしろ自分の内面世界を造形化した作品を携えてやってきていました。しかしながらそうした作品が、古代遺物と出会うと説明のつかない不思議な雰囲気が漂います。古代遺物が現代的に見えたり、我々の作品が古代から種を授かっているような繋がりを感じることができるのです。加えて我々が忘れがちなモノを作る始原的な力を古代遺物が与えてくれているように思いました。 Yutaka Aihara.com