Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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  • 「魔術的芸術」大いなるあやかし…
    A・ブルトンの「魔術的芸術」を読んでいます。「大いなるあやかし」という章に差し掛かり、「眼の錯覚の不思議とその限界」と副題がついています。いわゆる「だまし絵」を含めた視覚を惑わす絵画世界の論証です。ウッチェロはシュルレアリスムの先駆者と言われている画家で、「情熱と想像力と、もっとも厳密な数学とがまざりあった」画面で、特異な世界観にかなり紙面を割いています。続いてヴァン・エイクの引用もありますが、何と言ってもアルチンボイドの肖像画が登場し、「不思議な肖像の数々を制作するにあたって用いている寓話的要素の選択と配置が、ほとんど秘教的な配置の結果であるとする証言が存在する」といった論証が続いています。A・ブルトンはシュルレアリスムの思想家であることを考えれば、こうした世界に多角的にスポットライトをあてて検証することは当然であると思えます。   Yutaka Aihara.com
    「ゴーギャン展」を見る
    東京国立近代美術館に出かけたのは久しぶりです。皇居の周りを走る人たちを横目で追いつつ夜美術館に入りました。金曜の夜は遅くまで開館しているので、きっと混雑は免れると思っていたのですが、まだたくさんの人がいて熱心に見ていました。「ゴーギャン展」は代表作が来ていて、大いに満足しました。実はゴーギャンは昔から大好きなのです。今読んでいるA・ブルトンの「魔術的芸術」で、かなり紙面を割いてゴーギャンを論評していました。論評にざっと目を通したのですが(それは後述)、今回は実際に自分の目で確認したゴーギャンの世界について述べたいと思います。誤解を恐れずに言うなら、ゴーギャンの絵画で、最初に目に飛び込んでくるのは、独特な色彩で大きく分割された画面構成です。平塗りのようでいて不思議な立体空間を感じさせる色面。風景や人物の輪郭そのものが立体を予感させるような骨太で繊細な平面。画面上のひとつひとつが独立しているようなコラージュ化したモチーフ。そこに光を利用した立体感とも違う象徴とも表現主義とも言える世界を自分は感じ取ってしまうのです。この不思議な感じを持ち続けたまま美術館を後にしました。まだ考えが及ばないところですが、これは追々考えていきたいと思っています。                 Yutaka Aihara.com
    「魔術的芸術」伝説的メッセージ…
    A・ブルトンの「魔術的芸術」を読み進んで、ついに近代の時代に入ってきました。「伝説的メッセージの継承」という章はルネサンスから始まりますが、ここでは有名なダ・ヴィンチではなく、コージモを取り上げています。「汚物にまみれた壁に、彼はこの世のもっとも美しいもの、馬や戦い、すばらしい都市や壮大な風景を読み取っていた。」とコージモ絵画を語っています。次にカロンという政治的アレゴリーや壮麗な祭儀を描いた画家に不安な想像力を見出しています。そこからアングルにいたるまで通念としての美術史にはほとんど登場しない画家が続いています。「魔術的芸術」という視点で美術史を見直す時、最近になって発見された画家も含めて、近代的思考による合理化(ルネサンス等)と相容れない要素があって、人間が創造的行為のために何を受け入れてきたかを浮き彫りにする結果になっています。  Yutaka Aihara.com
    「魔術的芸術」遠まわりの…
    A・ブルトンの「魔術的芸術」を今夏じっくり読んでいます。表題の「遠まわりの魔術」というのは本書の中で中世の芸術活動を扱った章です。ビザンティンの宗教的厳格さからの解放によって、悪魔のテーマを画家たちが挙って取り上げる時代背景があり、デューラーやグリューネヴァルト、さらにボードレールの言葉に「ひとりの人間の知性が、どうしてこれほどの悪魔的なものや驚異をふくみ、これほど恐るべき不条理を生み、描写しえたのだろうか。」と言わしめたブリューゲルの活躍が記載されています。後半はボスの諺に基づいた宗教絵画、とりわけ信仰主義と反抗精神とが奇妙なかたちで結びついた芸術家のことが論じられています。ボスの代表的な絵画における様々な論証が、ボス・ワールドの魅惑に憑かれた自分にはたまらなく楽しくて、この「遠まわりの魔術」の章だけでも充分と思わせるだけの知識が詰まっていると感じました。「ボスは、理にかなったカタルシスによってではないにしても、少なくても、<善>と<悪>とが大きく発展したかたちで融和している作品の完成によって、自分が『救われている』と考えているように思われる。」という箇所に大きく頷いてしまいました。
    HPに2009個展がアップ
    7月に開催した東京銀座のギャラリーせいほうでの個展の様子をホームページにアップしました。「発掘〜赤壁〜」と「構築〜起源〜」の彫刻2点を中心に、小品の「球体都市」数点を加えた構成になっていて、ギャラリー内の配置がよくわかる画像です。今回は明るく爽やかな会場風景になっていて、これはもうカメラマンのアレンジに尽きると思っています。ホームページの中のEXHIBITIONをクリックすると、最初の個展から今回の4回目の個展までスライドして見られるようになっています。自分にとっては、それぞれの個展に思いがあって、あの時はこうだったなぁと振り返りながら見ています。ホームページの中のGALLERYやOTHERにアップされた作品は、かなり演出されていて、それはそれで面白いのですが、EXHIBITIONの中の作品は、当然ながら自然なままの状態を見ることができます。ぜひ、一度ご覧になってください。ホームページにはこの文章の最後にあるアドレスをクリックしていただけると入ることが出来ます。よろしくお願いします。                            Yutaka Aihara.com