2008.05.28 Wednesday
上野にある東京芸大美術館で「バウハウス・デッサウ展」が開催されているので見てきました。平日というのに結構人が入っていて正直驚きました。日本ではマニアックな分野だと認識していたのですが、時代はよもやバウハウスなのかと思わせる混み具合でした。展覧会を見て思ったことはバウハウスは造形美術の教育機関なのだと改めて感じたことです。学校である以上、学生に対し懇切丁寧な実習を課しており、それが自分たちが日本の美術学校で学んだことと大して変わらない、いやバウハウスがあったからこそ日本のデザイン教育が成立していると言った方が適切と思える事実を知ることが出来ました。色彩や紙立体や素材研究は日本の美大の工業デザイン等で学ぶカリキュラムで、しかもバウハウスの学生作品が普通に見えるのは、今もそれがコンセプトとして受け継がれているからだと思いました。デザイン教育の原点を見たような気がします。
2008.05.27 Tuesday
脳裏に焼きついた尾瀬や会津の風景をイメージの上で再構成して、自分の印象に残ったものをひとつの作品にまとめあげることは、絵画では常套手段です。いわゆる心象風景で、これは様々な作家がイメージを競い合うように作品を作り続けています。立体でも風景のコラージュはあります。ただし絵画より表現が不自由なため、素材が前面にでてしまい、ある場所を限定した風景を感じさせる作品は少ないと思います。風景の捉えが絵画とは違うのです。風景は前景にあるものと後景にあるものとの距離によって成り立っている場面を指すものです。そうした距離の認識を、ある場所を限定して作れるとしたら、その風景のコラージュが立体として可能なのかもしれません。
Yutaka Aihara.com
2008.05.26 Monday
尾瀬を歩きました。この季節は水芭蕉が咲いています。湿原のところどころに小さな池があってその周囲に水芭蕉が群生している景色は何ともいいものです。とくに印象的だったのは湿原の向こうに広がる燧ケ岳の雄大な景観です。雪がまだらに残り、山肌と雪の筋が美しいコントラストを作っていて、自分もセザンヌのように大きく面取りをした画面で、この山を描いてみたい衝動に駆られました。青空にポカンと浮いている雲は、旧ユーゴの素朴派画家が描く絵にも似て、自然が作り出す美にため息が出るほど感動しました。縦横に走る木道はアースワークという現代アートにも思えて、自分の作品がちっぽけに感じてしまいました。
Yutaka Aihara.com
2008.05.25 Sunday
仕事で福島県の会津高原に行ってきました。仕事とは言え、周囲の美しい自然を堪能してきました。午前中はやや雨模様でしたが、午後は晴れ上がり、透明な空気に覆われた新緑が目に眩しく映りました。田植えの時季でもあり、水を湛えた田んぼの畦道には小さな花が咲いていました。夜は満天の星空で、横浜ではこんなふうに星空を見上げることはないなと思いました。風景画家ならこんな自然を大気を感じさせる描法で表現したくなるんだろうなと思いつつ、印象派が自然の光を求めて屋外に出て行ったのがわかるような気がしました。
Yutaka Aihara.com
2008.05.24 Saturday
組織を運営する上で人をまとめていく仕事はいかがなものか、上司に言われた言葉を思い出します。それは「あなたの主張はわかりやすい。気持ちにストンと入ってくるけど、全体を見て話す時は、もう少し含みのある言葉があってもいいんじゃないか。優柔不断でないことは認める。あなたが作品を作る時、余計なものを排除して明快なカタチを掴もうとする姿勢があるから、それが公務にも表れてしまうんだ。」といったような趣旨でした。なるほど。上司は美術には関係の無い御仁ですが、自分にとっては説得力のある言葉でした。作品を分析されて話題に出されてしまうと自分は一瞬怯みます。作品で言えば、カタチを掴む前は充分に優柔不断なのですが…。確かに自分は組織で働く上で、短絡的な考え方をしてしまう嫌いがあります。早急に結果が欲しくて概括的になってしまうこともあります。そうした人間性は作品にも表れるものです。制作一辺倒ではなく、こうしたところにも自己表現の浅はかさが見えるのかもしれません。
Yutaka Aihara.com